第30話《記録戦争》
1.世界各地の異変
セナの“記録帳”が反応する。
「また……誰かの“記録”が操作されている」
観測者本部の残党が、各地で「記録兵器」の再起動を始めていた。
・廃都市ラグナ:コード記録兵“オメガ”暴走
・東欧国境地帯:傭兵部隊の全記録が消去され、正体不明化
・日本・首都圏:記録操作型テロが続発
イグチ主任教官は判断を下す。
「これは──記録を武器にした“戦争”だ」
2.作戦会議
アカデミーの地下作戦室にて。
「標的は“観測者本部の記録中枢”だ。これを破壊すれば、連鎖的にすべての記録兵器が無力化する」
「ただし……奴らは“記録干渉領域”を展開している。記憶も、情報も、空間までもが歪められる」
レンは立ち上がる。
「行く。俺がその記録を断ち切る」
3.旅立ちの朝
セナは出発前に、レンの背中に声をかけた。
「もし、“記録を上書きされる”ことがあったら──私が、必ず元に戻す」
「……頼りにしてるよ、記録官」
二人は静かに微笑み合う。
4.観測者本部・記録中枢
人工島に築かれた“記録中枢”──全方位を霧に包まれた要塞。
接近した瞬間、全員の視界が“過去”に歪められる。
レンは少年時代の戦場に戻され、銃声と血の幻影に包まれる。
「これは──“記録領域”の中……っ」
セナが指先を震わせながら記録帳を開く。
「“現在”を書き直す……! あなたは今ここにいる、九条レン!」
一閃。
幻影が砕け、レンが視界を取り戻す。
「戻った……ありがとう、セナ」
5.敵将:記録将校ヴァルト
中枢ホールに立つ、仮面の男。
「君たちは、“記録の可能性”を拒絶するのか」
ヴァルト──元観測者の記録戦闘将校。
彼は無数のコード銃を展開し、レンたちを襲う。
「記録こそが平和を築く。人の判断は不確かだ」
「違う。人の不確かさが、未来を生むんだ」
レンは跳弾を利用し、死角からヴァルトの記録デバイスを破壊。
セナが叫ぶ。
「この“記録帳”に、彼の未来は書かれていない!」
6.崩壊と勝利
記録中枢が崩壊を始める。
「早く……脱出を!」
レンとセナは瓦礫の隙間を駆け抜け、ヘリに飛び乗る。
爆発音が後方に響く。
「これで……“記録の支配”は、終わった」
7.エピローグ:生徒としての時間
アカデミーの中庭。
制服に袖を通したレンが、校舎を見上げる。
「ようやく……ここが俺の居場所になった気がする」
セナが微笑む。
「記録なんて関係ない。あなたは、ここにいる」
レンは静かに目を閉じた。
「次は……未来を書こうぜ」




