SS〜玲人クッキングwithリエル〜
今回は、第16章の玲人視点です!
本編であまりない、琉羽人のいないタイミングです!
♪〜ジリジリジリジリジリジリジ
耳元に置いてあった小さなローグウェイの音で目が覚める……
……今日は、俺が朝食か……
眠い目を擦り起き上がる、地面で眠っていたせいか少し体が痛い…
「何にもないな…」
フリッジの中は空っぽで、食材がなかった
……忘れてた…
中央商店などの店はまだ空いていないし……
「…玲人お兄ちゃん…おはよう」
同じように、眠そうな顔をしてリエルが起きてきた
「おはよう。早起きだな」
「うん…どうしたの?」
「朝食を作ろうとしてたんだけど…食材がなくてな…困ってた」
「朝市にいけばいいんじゃないの?」
「…確かに…ロビンズギルドにも朝市ってあるのか?」
「あるよ…連れて行こうか?」
「うん…お願い」
朝市…早朝に夜間の貿易船が運んできた商品や、朝早くに連れた魚などの海鮮物、昨日の売れ残りなどが港町で売られている。シュープリーにいた頃は、安い売れ残りを求めてよく行っていた
「こっちこっち」
「……リエル帰ろうか」
「…何で?」
……リエルに何度も曲がった、深い路地の奥に案内されてあったのは、完全なる裏市
幻想草や法律で禁止されている、サイレンサー(拳銃の消音器)が売買されている
行きたがるリエルを抱え上げて、道を戻った
駅前になんとか出て、リエルを下ろす
「あそこはな……違法薬物が売られているから、行っちゃダメだ」
「…違法薬物……なの?」
「……そうだけど…」
「………そうなんだ?」
「…あぁ絶対買うなよ……ん?……あっちから声聞こえるし行ってみるか」
人の声が聞こえた方に向かうと、港の近くに出て朝市が立っていた
人で多く賑わっていて、いろんな店がある
その一角で、シュープリーから来た
「らっしゃい!兄ちゃんなんか探してるんのか?」
「あ、コンソメとウィルソー(ウィンナー)、あと玉ねぎとかある?」
「いいの入ってるよ!全部で、75Aだ!」
「…安い!買った!」
「おぉ…思い切りのいい客は好きだよ。こいつも持ってけ!」
「おぉありがとう!」
店主は、気前よくラモン芋も一緒につけてくれた
「リエル、買ってきたぞー」
待っていたリエルの元に戻ると、リエルは近くの屋台をキラキラした目で見つめていた
「ねぇ!玲人兄さんあれ何?」
「あぁりんご飴か、欲しいのか?」
「うん!お願い!」
「…1個10Aか」
財布の中には、あと25Aしかなかった
「流羽人には、秘密な」
「うん!」
甘いりんご飴をかじりながら、帰って行った
「とりあえず、作っとくから休んでていいよ」
家に帰り、キッチンに立った
そういえば、料理するの久しぶりだな…
玉ねぎを取り出して、包丁で切ろうとした
「ん?…」
うまく切れない…?
包丁ご玉ねぎのてっぺんから突き刺さった
「玲人お兄ちゃん!何してるの!」
「え?玉ねぎ切ってるんだけど?」
「いや、切り方違うよ!危ないから玲人お兄ちゃんは待ってて!」
リエルは、俺の包丁とはまったく違うスピードで綺麗に輪切りしていく
「はい。ウィルソーも切っておいたから、あとはお願い」
「あ…あぁ…」
すごい速度で、リエルは切り刻んで差し出してきた
…早すぎる
そして玉ねぎを炒めた後
水を入れて、コンソメとウィンナーを入れる
「…あれ、どうやって作るんだったっけ…」
完全に分量を忘れていることに気がついた
「まずい……」
すごくしょっぱい…
「何で作ろうと思ったの…」
味見をして、リエルも同じような顔をする
結局リエルがほとんど味付けを作ってくれた
「リエル…料理は作れるのか?」
「うん。これは…しっかり覚えてるみたい…」
ちなみにコンソメスープは、今まで食った中で一番美味しかった
利糸のどうでもいいこぼれ話(13)
本編で書くと、雰囲気が壊れることが多くなったので短編集などで継続することにしました!
大陸内の電気の扱い
発明はされているものの、実用性がまだ低く高価なため、あまり家電製品は流通していません
そのため、「電気」というと照明を指す場合が多いです