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MSS〜親が死んだ日〜

本編で描写していない藤堂家の父と母についてです

本編でも少し話題になっている第3次大陸戦争にも触れています

「じゃあ、行ってくる…元気でな…」

「私もお父さんも絶対に帰ってくるからね」


 軍隊服を着た父親と母親が、別れの言葉を言った


「うん……分かった」

「行ってらっしゃい」

「……お父さん…お母さん………もう一回ぎゅってして」


「あぁ」「そうね」

 父と母は、瑠璃を抱きしめた

 二人とも泣いている瑠璃につられないよう、一生懸命こらえていた



「「行ってきます」」


 戦地へと向かっていく二人を俺たちは…見えなくなるまで手を振った



 シュープリー連合国のエルダ神国への宣戦布告で始まった第3次大陸戦争

 兵役は、段々と広がっていき…それは、俺の父と母にも召集がかかった



 わずかな補助金が出るので、生活費に困ることはなかったが……家からは活気がなくなった

 俺含めて、玲人も瑠璃もほとんど無口になってしまった



「ご飯できたよ」

「…あぁ……うん…分かった」


 玲人は、自室に籠る時間が長くなり…話すことが少なくなった


「瑠璃…ご飯できたよ」

「…あ、ごめん…食欲ない」


 瑠璃は、食欲が減っていつも無気力だった


 そんな生活が続いていった








 




 10ソム後


「藤堂さん!」

 シュラールから帰ってしばらくした時、国の職員が訪ねてきた


 ……嫌な予感がした…

 玲人と瑠璃も部屋から出てきて、その職員を見た瞬間…察したような顔をして青ざめた



「藤堂 ひかりさんと藤堂 陽介ようすけさんは、戦場でみなし死亡されました」


 ……職員がいつも通りの口調で告げた



 みなし死亡……戦地において、敵への奇襲特攻など危険度の高い作戦の際に、兵が行方不明の際に死亡とみなすこと


 つまり、母と父は………死んだ


 瑠璃が泣き崩れた

 玲人は…瑠璃に寄り添い背中をさすった



「それでは」

 泣く俺たちなど気にも留めず、職員は立ち去っていった



「おとうさんっ……おかあさんっ……!」

 瑠璃は…泣き続けた……


 ただ、俺も玲人もかける言葉が見つからず……ただ、黙っていることしかできない


 瑠璃の鳴き声が狭い部屋に響いていた






 瑠璃が泣き止み出した頃、俺は……とんでもない現実に気がついた


 …生活費だ……親が死んだことで…わずかな死亡保険が入ったが、毎月の保証金がなくなったので、来月にも生活費が払えなくなる…


 …俺たちが自分たちで働いて稼ぐしかないんだ……


「瑠璃…玲人……」


 二人は振り返った


「父さんたちが死んだから……お金がないんだ……辛いのはわかる…けど、明日にでも働く場所を探しに行かないと……」


 二人は…頷いた



「今日からは、俺たちの三人の力で生きていくんだ」

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