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SS〜風の能力継承〜 ーリエル視点

本編16章中のリエル視点です。17章のオチの考察材料も少し含んでいるので、17章を読み終わるまで読まないことをお勧めします







16章の流羽人の気絶中の出来事などのリエル視点です

「流羽人お兄ちゃんっ…!」

「ほっておけ、トドメを刺せ」


……っ!

涙がこぼれ落ちる…私のせいだ………私がいなければ…流羽人お兄ちゃんは……こんなことには…

…全部私に力がないせいだ……助けたい……でも…恐怖で体は動かない……

……嫌だ…力がない自分が……



お兄ちゃんにナイフが振り落とされる…


嫌だ…嫌だ…助けたい………

嫌だ…嫌だ…嫌だ…嫌だ……嫌だ!



これ以上…大事な人を失いたくない……!




目の前が真っ暗になった






気づくと…変なところにいた

…雲の上?……のようなところにいて、前にお兄さんが立っていた


「お兄さん……誰…?」

「風の神:ウィンティーだ……君は…あの子を助けたいのか?」


「流羽人お兄ちゃんのこと…?」

「あぁそうだ」

「…助けたいよ……けど、私には…」

「だから…僕が力を与える…もし、君が望むなら」

「…!」

力…がもらえる…?どういうこと…?

「君が、彼を救うための力だ」

「…欲しいです…!お願いします!どうしてもっ…あの人を助けたいんです…」



あの日、私は死のうとしていた

どのみち、食料も水も得られなくなって餓死する寸前だった

仮に見つかったとしても……何か大切なものを失って…記憶がなくなって…生きる意味がもうないなら、自ら命を断とうとした

けど、その運命は変わった…

知り合いでもなく、ただ通りがかっただけなのに、様子がおかしいからといって…家に連れて帰ってくれて、食べ物をくれて、一緒に寝てくれた…流羽人お兄ちゃんにだけは…死んでほしくなかった



「わかった…力を与える」

そのお兄さんは、手の中に水色のエネルギーの塊を作り出し、私は正面から受けた


能力名:Wind blade



「Wind…blade…?」

体の中が…入れ替わっていくような感じがする…


流羽人お兄ちゃんを助ける…!

…あの人たちを…殺す…




目を再び開けると、流羽人お兄ちゃんにナイフが振り落とされる瞬間だった

「やめろっ!」


近くの拳ぐらいの石を拾い、男の頭に叩きつける

男から血が溢れ出し、私の腕にかかる…


……良かった…新しい服にはかかってなくて


「リエル!?」

お兄ちゃんは、ナイフを抜き止血している

「……これ以上…私の大事な人を奪うな!」


女の方に突っ込み、石を振るう…


見える…女は、避けて横に振る…

当たる寸前に風の力を使い、信じられない速度でバックステップをして、回転して威力を上げて女を殺す



最後のボスの方に向き直る…


…この人が、全て悪い……私の大事なものを奪おうとした…

「お姉さんは、悪い人だよね…」


一歩一歩と進んでいく、

その女が構えた瞬間…私は走り出す


「Wind blade…全てを切り裂く…」


女が投擲したナイフや拳銃の弾なんかは、自分でも驚くほど簡単に見切れた。

最後のナイフの一振りをかわし、頭にナイフを突き刺す


「流羽人お兄ちゃん!」


 お兄ちゃんに駆け寄る

 出血がひどく、意識も朦朧としていた…


「流羽人お兄ちゃん…!」

「リエル…これを使って…玲人を呼んでくれ……」


 お兄ちゃんがなんとか体を動かし、ローグウェイの認証を解除して私に渡した


 それを渡した途端、流羽人お兄ちゃんは倒れた


「流羽人お兄ちゃん!」


 …息はしていた…気絶してるだけ…?

…死なせちゃダメだ……


電話をかけるが、すぐには玲人お兄ちゃんは出ず、わずかな時間がもどかしくなる


「玲人お兄ちゃん!」

「うわっ…リエル?…どうした…」

「流羽人お兄ちゃんがっ……」


事情を説明すると、近くにいたらしく10ベル弱で来てくれた


「流羽人お兄ちゃん…早く病院に!」

「無理だ…地区病院には、地元の人間しか行けない…」

「じゃあ…!」


頭がおかしくなりそうだった…


「リエル…大丈夫だ…止血もしてるし、死ぬことはない…とりあえず、家に運ぶぞ…」

「…うん」







家に連れて帰ってベッドに寝かせたけど、流羽人お兄ちゃんは、全然起きなかった


玲人お兄ちゃんは、大丈夫だって言ってたけど…それでも不安が大きかった


…なんで、玲人お兄ちゃんは…こんなに落ち着いているんだろう…?

…双子の兄が危ない状態なのに……


ただ、それは違うと気づいた

ずっと、カフィーを飲みながらお兄ちゃんは忙しなくテーブルを小指で叩いていて、実験をすることもなく、ずっとカフィーを飲んでいた…



そんな緊張感のあるような…静かな時が続いた

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