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少年は、全てを捨て復讐者となる〜Another World〜解説・短編集  作者: 利糸


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10/10

SS〜変わらないケルの味〜

 少しずつ経済が悪化していた。

 王の権力が段々強くなっていき、人々の財産が少しずつ削られていく。

 商店街の店が次々と消えて、俺も店じまいすることになった。


 残った数少ないお金で屋台を作り、かまどとケル作りの道具だけを持って、親父の頃から続いていた店を後にした。


 それから数リム後、王が突然の発作で死んだ。

 誰も口には出さないが、心の中で喜んでいた。その時は。


 次代の王はさらに酷かった。

 王都と下町を分離、下町の治安や衛生環境は悪化し、税金だけを取られるまさに奴隷のような扱いだった。


 それでも俺は、下町の美しかった噴水広場でケルを焼き続けた。

 原料は王都に運ぶ途中の品物を買い、木は休みの日に森で切った。


 買う人はほとんどいない。

 けれど、ケルを焼くこと。親父の作ってきたものを少しでも繋ぐことがしたかった。



 ある時、反乱を起こそうとした若者たちがいた。

 数少ない武器だったが、下町から王都に行き直属兵になったものも多くいた。

 彼らもこの現状を見れば、手を貸してくれるだろう。そういう算段だったらしい。


 ある日、彼が一人で町の警備に来た時に、彼は革命を起こす計画を話そうとした。



「やめろ!ライサ!」

 この町の住人だった男は、若者を問答無用で制圧した。

 男は手を捻って押さえつけられて、銃を突きつけられた。


「国家反逆未遂罪だ。……まぁ最低でも終身刑だな」

 紐で強引に結ばれる。

「ライサ!分からないのか?この国は腐っている!」

「追加で王への不敬罪も追加か。死刑確定ってところか」

「何を言っている?お前は……」


「本当に誰だお前は?お前のような輩にあったことはないぞ?」

「……お前……ここで生まれただろ?」

「……?」

 その兵士は首を傾げた。

「そうなのか?私は王都で生まれたと思っていたが」

「違う!おm……ムグッ」

 強引にくつに布を突っ込まれた。

「黙れ。訳がわからない」


 男は拷問付きの銃殺刑になった後、遺体は王都で晒されたらしい。





 その日から、俺は我慢の限界だった。

「……みなさん……革命を起こす気はありませんか?」

 ある夫婦によって始まった革命軍はあっという間に勢力を伸ばし、俺もその一端として、夢を見るようになった。

 この腐った世界を壊す日を。

35章、51章などに登場した、ケル売りの物語です。

土曜日更新の52章で全面戦争開始。彼の見た夢は叶うのか。

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