第三話 ボス討伐!
たしかあのボスの名前はスライム・ジェネラルだったはずだ。レベルは20近く、こっちはレベル2だ。無謀にもほどがあるってものだよ。でも、唯一勝ち目があるとしたら相手がスライムってこと。スライムならさっき説明したみたいに魔石を潰せば倒すことができる!
けど魔石までの距離はスラジェネ(※スライム・ジェネラル)が直径5メートルくらいだから遠くなってる。埋もれるくらいの覚悟で行かないと!
「それじゃあ先制はこっちから~!『加速』ッ!」
ボヨンッ
「え~、弾かれるの?こりゃ大変だ。おっと!食らわないよ!」
スラジェネは触手のようなもので攻撃してきた。
『やれ!スライム!』
『美少女……触手……ジュルリ』
『↑通報しました』
『おまえらどっち応援してんだよwww』
「ちょっとみんな~?変なこと言わないでよね~?よっと!うーん、攻撃が通じないんじゃ勝ち目が薄いなぁ~。」
「そ、そうだ!これ、使えるか?」
そういって差し出されたのは一本の剣だった。
「ありがとう!でもどうして?」
「いや、俺もβテスターだったんだが最前線で君のような剣士を見た気がしてな。」
『え?いやいや、まさか……』
『だって拳闘士上手かったし……ねぇ?』
『ハハハ……そんなわけないだろ……』
「おっ!私のこと知ってるの?それ私だよ!じゃあ、ありがとう!行ってくる!」
『はああああ!?まじで!?』
『どうしてあんなに上手いんだ……』
『βから職業変える奴はほとんどいないって聞いたけど……』
『とりあえずこの戦いを見守ろうぜ!』
コメント欄では私が剣士から拳闘士に職業を変更したということが話題となっているらしい。
それは置いといて今はスラジェネの相手だ。さっきみたいに近づいて弾かれる前に剣を投げ入れて当たれば壊れると思うけど……触手の数がどんどん増えてきて厄介なんだよねぇ……加速にはMPを使うから使いまくるってのはできないし……うん、こうだな!
「ほっ!次こっち!うわぁっととと!ここ!『加速』!そしてまた『加速』!」
方向転換時のみに加速の使用を絞ることでMPを節約しつつ近づけるってわけ!よし、近づけたぞ!
「危ない!とりゃ!最後の『加速』!そして~ほいっ!届けぇぇぇ!!」
剣を投げた!届くのか!?けど……スラジェネは魔石を動かした!ええぇ!?そんなこと出来るの!?いや、でも剣の軌道が……そうか!スラジェネの体の中は水とジェルの半々みたいなもの!だから投げた剣の軌道が変わって下に落ちて行ってるのか!スラジェネも気づいたようだけどもう遅いよね!いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!
ピチュン!
《経験値を獲得……レベルが10に上がりました!SP17・SUP17を獲得しました!》
《技能【体術】【察知】【加速】のスキルレベルが上がりました!》
レベル10になるとSPとSUPは10もらえる!だからSPとSUPは17ゲット出来てるんだね!
ふぅー、勝ててよかったー!あ、そうだ!配信してた!うわぁ!コメントが早すぎて追えないよ!?とりあえず終わらなきゃ!
「みんな!見てくれてありがとう!!無事勝利できました!チャンネル登録もよろしくね!じゃあね!」
ポチッ
「終わったー!!初配信大丈夫だったかなぁ?あ!大丈夫だった?」
「あ、ああ。ありがとう!凄かったよ!俺のフレにも勧めるわ!」
「ありがとう!」
スラジェネを連れてきた人は大丈夫っぽいね。そーいえば名前しらないや。
「ねえ、私はヒイロ。あなたの名前はなに?」
「俺か?俺はプリズンだ。よろしくな!」
「よろしく!フレンド登録する?」
「あ、ああ!お願いしたい!……ところでなんで拳闘士にしたか聞いてもいいか?」
「それはね……βで一回だけ敵を殴った時があったんだけど、それが剣を使うより楽しかったからだよ!」
………………かくして、少女ヒイロの配信デビューは成功といっていいものとなった。これから始まる物語がどうなっていくかは誰にもわからない……
こんな終わり方でいいんでしょうか……?気に入っていただけたらブックマークと評価、感想お願いします!