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3浪で臭い俺

1章 1話 3浪で臭い俺



俺は石田郎助、医学部目指して3浪中の浪人生だ。


俺が医学部を目指すのは人を救いたいからではなくこの世から体臭というものを無くすためだ。


俺は中学生の頃、体臭を理由に初恋の相手に振られた。

これ以来俺は誰よりも体臭を憎み、誰よりも体臭を消すために努力した。


その努力が実り、昔よりはましになった。




今日もいつも通り、予備校に通うために電車に乗っていた。


「なんか臭くない」


「確かになんか臭うな〜」


デリカシーのないカップルが匂いを指摘し始めた。


「ちっ、リア充め」


腹が立ったが車両を移動することにした。まあ、移動しても次の車両で新たな犠牲者が出るだけだが、


しかし、隣の車両はとんでもない状況になっていた。


「おいコラ、騒ぐんじゃねー、騒いだらこいつを撃つぞ」


銃をもった男が若い女性を人質にして暴れていた。


よく見たらその女性は俺ほ初恋の女子だった。


同窓会には臭いからって呼ばれなかったが写真はもらっていたから彼女だとすぐに気づけた。


どうにかして助けよう。俺は恐怖心を抑えながらそう決意した。


よし次の駅まではもう少しだ。駅で電車が止まったタイミングで助けよう。


そして、電車が止まりその衝撃で犯人と彼女が少しバランスを崩した。


今だ


俺は犯人に駆け寄り右ストレートを食らわせた。


「どうだ痛いだろ」


俺はドヤ顔でそう言った。しかし


「くせぇー」


男はそのまま意識を失った。


くっ臭い?


俺は戸惑ったがすぐに理解した。


犯人は痛さより臭さの方が辛かったらしい。


それにしてもおかしい、俺がいくら臭いとはいえ、今日は人々があまりにも過剰に反応しすぎだ。



そーか、思い出した。


ここ3日ほど、俺は塾の定期テスト対策で忙しく、風呂に入っていなかったのだ。


そんなことよりも彼女は大丈夫なのか?


俺は彼女に駆け寄った。


「大丈夫か?」


「はい、ありがとうございます。」


彼女は何ともなさそうだ。


急に背中に激痛が走った。


「ざまーねーな、カッコつけやがって」


どうやら男に俺は刺されたみたいだ。


「大丈夫ですか?」


彼女が心配してくれている。

初恋の相手を守って死ぬのも悪くない、そう思った


「返事してください」


だんだん意識がなくなっていく


「大丈夫ですか、返事してくっ、くっ、くさ」


「くっさー、何この匂い」


俺は死んだ。


死ぬ前の俺に初恋の相手が言った言葉は「くっさー、何この匂い」だった。









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