1-8 お風呂
性的描写があるので、苦手な方は注意してください。
side:ディーン・ファミネ
「――たわよ」
「……ん?」
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
重たい瞼を上げて、ソファーから体を起こす。
「あがったわよ」
「気持ちよかったです」
「……おーう」
俺の視界に入ったのは、お風呂上がりのジュリアとコラリーだった。
もう寝るからか、二人は寝間着を着ており、その格好は非常に扇情的だ。
それに、ドライヤーがないからしょうがないが、その艶やかな髪は濡れていて退廃的な雰囲気を醸し出している。
傾国の美姫と言っても過言ではない二人の姿に、思わず喉が鳴ってしまった。
「チキュウのシャンプーとボディソープはすごいわね!」
俺が二人から目をそらして、ソファーでボーとしながら暖炉で温まっていると、ジュリアがずいっと身を乗り出してきた。着やせするのか、意外と大きな胸が目の前にきてびっくりした。すげ。
「見てよこの髪! サラサラだわ!」
「お、おう。よかったな」
やはり髪は女の命。
ジュリアだけではなく、そういうのに無頓着そうなコラリーも嬉しそうに髪の毛をいじっている。
「うふふ。ここ最近ずっと最悪な日々が続いてたけど、今日は最高の気分だわ!」
「……そうか」
表情をパアとさせながら悲しいことを言うジュリアの頭を思わず撫でてしまった。
それに対して、ジュリアは驚いたような表情をする。
「ちょ。何してんのよ!」
「ああ。悪い悪い」
「……ま。この家を建てた褒美として今だけは許してあげるわ」
「アハハ。それはありがたき幸せだな」
今日初めて出会った関係だが、結構信頼されていることに嬉しくなる。
……撫でるたびに甘い匂いが広がるせいで、自制心がだいぶヤバくなってきているのは申し訳ないが。
「そういえば、次はディーンの番らしいわよ」
離れたジュリアがそう言う。
どうやら結構な時間寝ていたようだ。女子四人分の入浴時間は結構長いと思う。
「わかった。わざわざ言いに来てくれてありがとな」
俺はソファーから立ち上がると、風呂場に向かって歩き始めた。
◇◇◇
「ん。気持ちいーい?」
「もっと詰めてくださーい」
「……おーう」
……どうしてこうなったのだろうか。
お湯のぬくもりとロゼとルミの巨乳の柔らかさを感じながら、そんなことを考える。
二人の濡れた長くサラサラとした髪が肌に張り付いて、ちょっとくすぐったい。
「なんで、お前らも入ってんの?」
「えー。婚約者もいなくなったし、もういいじゃん」
「地球にいた頃は毎日一緒だったじゃないですか」
ロゼの言い分はどうなのだろうか?
彼女がいいのなら、別にいいのかもしれない。
ちょっと、眠すぎて考えがまとまらない。
「いや。ゆっくり入りたい……」
「……私に逆らえるんですか?」
「え?」
ボーとした視界にルミの顔が映る。
綺麗に整ったその顔には……涙が浮かんでいた。
「え、おい? どうした?」
「悲しかったんですよ……」
彼女の涙と言葉に、頬が張られた感じがし、すぐに目が覚めた。
なぜか?
答えは簡単。彼女が泣く理由がわかるからだ。
「本当に悲しかったんですよ……!」
「……ああ。悪かったな」
俺は死んだ。彼女を残して。
「死んだって聞いた時は、本当にショックで! わ、私のせいで二人とも死んだんだって!」
「お前のせいじゃねえ。俺が死ぬほどバカだっただけだ。ロゼ……アリアもそれに巻き込まれただけだ」
いや本当に。我ながら間抜けな死に方だったし、ロゼには大変申し訳なく思う。
「もう泣くな。今の俺はそう簡単に死なねえよ」
「……本当ですか?」
「ああ。約束する」
頭をポンポンと叩く。
ルミはしばらく俺の胸で泣いていたが、そのうち泣き止んでくれた。
「……じゃあ、もう寂しくないようにしてください」
「……私も、こんなタイミングで何だけど、久しぶりに可愛がってほしいんだけど」
「ああ。日本でも据え膳食わぬはなんとやらって言うしな」
「前世では散々食い散らかしたもんね」
「私からしたらつい一週間前のことなんですけどね」
俺は二人の言葉に従うように、ロゼとルミを抱き寄せた。
……
…………
………………
……………………
◇◇◇
お風呂で二人と楽しんだ後、ぐでーとしているロゼとルミを脱衣所まで運ぶ。
おっぱいがだぷんだぷんしててめちゃくちゃエロイ。
「ひ、ひー♥ ひー♥」
「き、気持ちいいけど死ぬぅ♥♥」
「はいはい。ヒール」
あまりの快楽に意識を半分飛ばした二人に治癒魔法をかけて、きちんと立たせる。
「この後どうするんだ?」
「ディーンの部屋に行く♥」
「さっきの続きします♥」
ロゼとルミが瞳をハートマークにして腕を絡めてくる。
最高級のシャンプーとボディソープ(本当に一番高いのを買いやがった。さっき反省しなかったのだろうか)の甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
「とりあえず服を着ろ」
「「はーい♥」」
二人を着替えさせる。
二人はそういうこと前提にしたスケスケのネグリジェを着た。恥ずかしくないのだろうか。
…………いや、俺がそういう格好が好きっていったせいだわ。たぶん。
俺好みの寝間着を纏ったロゼとルミを連れて自分の部屋に向かう。
「……はしたないわね」
その途中でジュリアに出会った。
ジュリアはジト目で俺たちを見た後、ハアと一回ため息をついた。
「べつにそれぞれの勝手だからあんまり言いたくないけど、あなたたち娼婦みたいよ」
「バッ! 俺も何となく気づいてたけど言わないようにしてたのに!」
でも、俺そういうタイプが好きなんだよなー。あんまりいい趣味じゃないって言われるけどさ。
「しょうがないだろ。こういうのに対する知識って、エロ漫画か萌えアニメしかないんだから」
「萌えアニメがなんだかは知らないけど、もっとマシな恋愛も学びなさいよ」
「それは俺にそういうのを勧めたルミに言ってくれ」
「ボクのせいにしないでよ! どうせ、ディーンくんはベルセルクがなかったら、オタクとしての人生過ごしてたよ!」
ルミの言葉にそんなことねえよと返す。
「それよりもコラリーは?」
「もう寝たわよ」
あいつはもう寝たのか。まあ、さすがに疲れたんだろう。
「そうか。お前はまだ寝なくていいのか?」
「ええ。もうちょっと起きてるわ」
「わかった。紅茶でも注ごうか?」
寝る前ならコクマティーだな。
「べつにいらないわ」
「そうか。じゃあおやすみ」
「ええ。おやすみなさい」
「おやすみ~」
「おやすみ!」
ジュリアと挨拶を交わして、俺は自分の部屋に向かった。
◇◇◇
「これはまた……ずいぶん改造されてるな」
着替え以外、何もなかった部屋には大きなベッドとYESとプリントされたハート型の枕が二つあった。
「えへへ~。どう~?」
「エッチですよね?」
とりあえず言いたいことは一つ。
「俺さ。俺の分の枕は買わないお前らの身勝手さ好きよ」
わりといい性格してると思う。
「もー。これは寝るためのベッドじゃないよっ」
「はい。これは夜伽専用のベッドです」
「それだと、俺の寝床ねえじゃねえか」
びっくりだ。
「「あ……」」
「え? 本当にないの?」
呆然とする二人に素で尋ねる。いや、俺が呆然としたいんだけど。
「まあいい。わかったからベッドに横になれ」
さすがに怒った。二人にはベッドの上で反省してもらおう。
「「あん♥♥」」
ネグリジェの上から大きな胸を揉みながらベッドに誘導する。
「おバカな私たちにぃ♥♥」
「お仕置きしてくださぃ♥♥」
その言葉に従い、俺は二人に覆いかぶさった。
◇◇◇
ロゼとルミと楽しんだ後、俺はリビングに足を運んだ。
「まだ起きてたのか?」
「まあね」
さっき――といっても何時間も前――おやすみの挨拶をしたジュリアがソファーに座っていた。
「ロゼとルミは?」
「気絶してる」
「そ、そう……」
引き気味に返事をするジュリアを放っておいて、ティーカップに紅茶を注ぐ。
「飲むか?」
「お願いしようかしら」
「おけ」
もう一つのティーカップに同じ種類の紅茶を注ぐ。
「ほら。ケセドティーだ。疲労治癒に最適だぞ」
「ありがとう」
紅茶を飲むためにソファーから食卓に移動した彼女の前にティーカップを置く。
「窓がないからわかりにくいがもう朝になるぞ。寝なくていいのか?」
本当に日光問題はどうにかしないと。
「それはこっちのセリフなんだけれど。あなたが一番疲れてるのではなくて?」
「俺は治癒魔法で疲労をとれるからな。あんまり使いたくない手だけど」
治癒魔法で一生徹夜できるように思えるかもしれないが、あれは精神までは治せない。徹夜による疲労を治せても、眠気や睡眠欲が消えるわけじゃないのだ。
「朝になったら探索を始めるんだ。備えるにこしたことはないぞ」
「私が行っても戦力にならないわよ。というか、あなた一人の方がやりやすいんじゃないの?」
「そういうわけにはいかない。この家を壊せる魔物がいるかもしれねえだろ。厄介だが純粋な力がない魔物が主な夜はともかく、純粋に破壊力の高い魔物が出歩く昼は危険だ」
強い魔物は夜は寝てるからな。冒険者も、夜眼がきくようになる闇属性や辺りを照らせる光属性を持つ仲間がいるなら、夜に動くことを推奨してるし。まあ、寝起きの魔物は通常よりも狂暴なので、すぐに倒せる実力がある者だけにだが。
「つか、お前のあの魔法は大きな戦力だぞ」
「魔法?」
「俺の右足や、ここの木を破裂させた魔法だよ。属性は破壊とかか?」
俺がそう言うと、突如、ジュリアの顔が悲しみと怒りに染まった。
「…………わよ」
「え?」
「違うわよ! 私の属性はこんなのじゃない!!」
「うおっ!」
バンッ! とテーブルを叩いて、ジュリアが立ち上がった。
あまりの勢いに思わず体がのけぞる。
び、びっくりした~……。
「ち、違うって?」
「私の本来の属性は祝福! 作物を育てやすくしたり、干ばつした地域に雨を降らせたりっていう魔法だったの!」
「じゃ、じゃあ、なんであんな魔法に……」
俺が質問すると、彼女は気持ちを落ち着かせるために椅子に座り直し、静かに答えた。
「……変わってたの」
「変わってた?」
「ええ。知らないうちに真逆の属性にね」
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