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1-5 異世界ショップ

ちょっと変えます。

side:ディーン・ファミネ



 瑠美嘉を入れて、また土壁で周りを囲った俺は彼女のことをみんなに説明していた。


「こいつは瑠美嘉……え? ルミがいい? 生まれ変わったんだから新しい名前がいい? わかった。というわけで、彼女はルミだ。こう見えて頭がいい」

「ルミです。よろしくお願いします」


 瑠美嘉あらためルミが丁寧にお辞儀して挨拶をする。相変わらずの大和撫子ぶりだ。

 三人もよろしくと返し、それぞれ自己紹介をした。


「それで、ルミ。何か聞きたいことはあるか?」

「えーと、まずはここがどこか聞きたいんですけど……」

「そうだな。ここはダンジョンって呼ばれる場所で――」


 ルミにここの説明をする。

 この世界のこととダンジョンのことだ。


「ふむふむ……ここはダンジョンで魔物も出る危険地帯。そして、クリアしない限り外には出られない、と。ところで魔法は?」

「あるけど」

「本当ですか!?」


 ルミの目が輝きだす。

 こいつは前世から魔法とかファンタジーが好きだったからな。


「え~じゃあ~、ステータスオープンです!」

「いや、ゲームじゃないんだからそれはな――」


 ない、と言い終わる前に、ルミの前にスマホが現れた。


「……スマホ?」

「ステータス……じゃないですね」

「異世界ショップ?」


 俺、ロゼ、ルミが画面をのぞき込む。

 スマホの画面には、日本語で異世界ショップとでかでかと書かれており、その下に【購入】【売却】という二項目があった。


「これって何語なの?」


 ジュリアが日本語を指して尋ねてくる。


「あー……まあ、教えてもいいか。これは日本語って言って、こことは別の世界で俺たちの前世の言語だ」


 アマノカとの契約には国民以外には口外するなとあったが、追放された今はもう関係ないだろう。


「べ、別の世界です?」

「前世?」

「まあ、信じる必要はない。ただし、このことは黙っておいてくれ。前世の記憶があるって知られたらマッドな人たちに脳を狙われるらしいからな」

「えぇ……どうして?」

「さあ? ただエメリヒのクソ野郎は狙われたらしいぞ」


 もうあいつを襲った奴とそいつを雇ってた組織はこの世にいないらしいけどな。


「エメリヒ……ってアマノカの国王?」


 ジュリアが聞いてきた。

 よくよく考えれば、俺がアマノカ王国の貴族だったという話はしてなかったな。後でしておこう。


「ああ。俺がいたアマノカ王国の王様も転生者だ」


◇◇◇


「つまり、ルミの異世界ショップは地球にあるものを購入するアイテムか。転生者はなぜか、一つだけアーティファクトを生まれ持ってるからな」

「アーティファクトですか?」

「ああ。今の人類では創れないアイテムを総称してアーティファクトと呼ぶ。普通はダンジョンにある。俺が死んだ後に、異世界で商品の売買をするスマホが開発されたってわけじゃないんだろ?」


 俺が死んだのは今と同じ一七歳だ。


「そういや、お前今何歳?」

「一七のまま変わらずですよ」

「てことは俺が死んでから一年もしないで死んだのか。お互い運が悪かったな」

「……いいえ。私は転生したというよりも転移したって言った方がいいです」

「え? お、おう」


 転生じゃなくて転移?

 まあ、今はいいか。


「そういえば、ディーンとロゼもアーティファクトを持ってるんですよね? どんなのですか?」

「あー……俺のは簡単に言うと魔力を治癒させるアイテムだ。もうないし、気にしないでくれ」


 本当にあれは自覚せずに使っちゃったからな。代わりに魔力が無限に近くなったけど。


「私のはこれだよ」


 そう言って、ロゼがかけていたネックレスを取り出す。

 彼女のアーティファクトは非常にきれいなネックレスだ。虹色の宝石みたいなのが付いている。


「まあ、どんなアイテムなのかわからないんだけどね」

「そうなんですか?」

「うん。アーティファクトってこの世に一つしかないから、使い方は探すしかないの」


 アーティファクトのめんどくさいところだ。

 俺のやつみたいなのならばいいが、自爆系のアーティファクトとかだと、わけもわからずドーン! だから、注意が必要だ。


「話を戻そう。売却はこの世界のものをポイント――ショップで使うお金に変える、か」

「そうですね。魔物の死体や薬草とかのアイテム。武器も売れるらしいです」


 ルミがスマホを見ながら言う。


「じゃあ、これはいけるか?」


 腰に掛けてたポーチを渡す。

 中には現在の全財産が入っている。


「これはこの世界のお金ですか?」

「ふわああ。金貨がいっぱいです」

「すごい量ね。これだけあれば五年は遊んで暮らせそうだけど……いいの?」


 ルミは不思議そうに硬貨を一枚手に取り、コラリーは目をちかちかさせ、ジュリアは心配そうに聞いてきた。


「まあ、どうせここを出られない限りはお金は使えないしな。それに、ダンジョン攻略で莫大な報酬が出るし」


 確か、ダンジョン攻略の報酬は水晶貨五〇枚だったな。それだけあれば贅沢三昧をしない限り一生働かずに済む。


 この世界の通貨は四種類。銅貨、銀貨、金貨、水晶貨で、右にいくほど価値が上がっていく。水晶貨はほとんど使うことはなく、屋敷を買うだとか大きい買い物をする時以外には使わない。


「あ、売れますよお金。でも、これ売っちゃっていいんですか? お金が消えるのはよくないと思うんですけど?」

「いや。この世界のお金は神様が調整しているから大丈夫だ」

「神様ですか? 確かに異世界にはつきものですけど」

「ああ。神が創るから硬貨の偽造はできないし、多すぎ少なすぎの大混乱もない。といっても、世界全体の話であって国単位なら話は変わってくるが」


 この世界は様々なものが世界共通だ。通貨もだし言語も、あとは季節とかな。場所によって熱い寒いはあっても、春夏秋冬はどこにいっても同じだ。


「経済の神マニファ。言語の神ドーワ。季節の神シィン。この世界で神と確認されているのはこの三柱だ。あとは宗教によってまちまち」


 どんな宗教の経典にもこの三柱は絶対に登場する。


「ま。というわけで通貨に関しての心配はいらない。そもそも、ダンジョンとか未開の地で死んだ人のお金は見つからないんだ。それと変わらん」

「嫌な例えですね」


 ちょっと嫌そうな顔をしながらもルミは硬貨の売却額を調べた。


「銅貨は一ポイント、銀貨は五、金貨は二〇、水晶貨は三〇〇〇で交換できるって」


 さすがは水晶貨。一つだけえぐい数値だ。


「全部交換してくれ」

「わかりまし。えーと、一、十、百、千……全部で7962Pになりました」


 結構あったな。

 もう、水晶貨が二枚あったことくらいしか覚えてない。


「ああ……金貨が」


 コラリーが残念がっているが、今回は許してほしい。


「安心しろ、コラリー。ここを出たら金貨のお風呂に入れるレベルでお金もらえるから」

「いえ、お肌に悪そうなのでやめとくです」


 コラリーも乙女だったらしい。


「それで何買えるんだ?」

「えーと、いっぱいあってどれから見たらいいか……」

「とりあえず、ご飯と服だけでいいぞ」

「ちょっと待ってくださいね……あ、ありました。牛肉一〇〇g二ポイントで、お野菜セットは一つで三ポイントです。服は一番安くて三ポイント。デザインが凝ったりしてるとお高くなってます」

「じゃあ、当面は衣と食に困ることはなさそうだな」


 じゃあ、今俺たちがすべきことは……住を造ることだな。

 親睦も含めてみんなで建てよう。

 よし。外に出て、土を隆起させてステージみたいにしてっと。あとはそれぞれの役割を考えて……。


◇◇◇


「これより、家を建てようと思う!!」


 俺の言葉に、おー! と四人が返事をする。


「人が生きるうえで大切なのは衣食住を整えることだ! 衣と食はルミのおかげで当分は困らない! つまり、俺たちがすることは家を作ること!!」

「はい!」

「どうしたルミ!」

「材料はどれにしますか!?」

「この島の木を使う!! これを見ろ!」


 俺は腰に掛けていた剣で隣にある木に振る。

 剣は勢いよく木に当たったが切断は叶わなかった。


「俺は剣術は苦手だが、鋼鉄を切るだけの腕力はある! だが、ここの木はそんな俺でも切れない! つまり、この木は鋼鉄よりも硬いということだ!!」


 さすがはダンジョン。木一本とってみても特別だ。

 というか、そんな木を木端微塵にさせたジュリアの魔法が強すぎだろ。


「というわけで、ルミはチェンソーを頼む!」

「わかりました! はい、チェンソーとホッケーマスクです!」

「無駄遣いをするな!」


 ルミからチェンソーとホッケーマスクを受け取り、マスクを被ってまた話し始める。


「でも、チェンソーで鉄よりも硬い木をどうやって切るんですか?」

「それはロゼの魔法で強化する! ロゼの保有属性は強化! 支援属性とは違って人にバフをかけれるわけではないが、物の性能を上げることができる!!」

「どやあ」


 ロゼの魔法は、剣に使えば切れ味がよくなり耐久度が上がるといった感じだ。元々ある性能を強化するだけなので、新しい機能を付け加えることはできない。

 ロゼの魔力の量を考えたら、鉄すらもバターみたいに切れるチェンソーにしてくれるだろう。


「でも、その木をどうやって木材に変えるの? ていうか、なんなのこのノリ」


 ジュリアの疑問も解決済みだ。ノリはなんとなく。


「コラリーの魔法だ! 彼女の属性は加工! 動物や植物の死骸を加工できるらしい!!」


 死骸であることが前提条件のため戦いにはいかせないが、ものづくりにおいては非常に便利な属性だ。


「頼んだぞ!!」

「は、はいです!」


 コラリーのいい返事を聞いた俺は、今度はジュリアの方を向く。


「そして、家を建てるところの整地はジュリアに頼む。あの木を破裂させた魔法を使ってくれ!」

「……えと……」

「安心しろ。お前の魔法は視界に入れない限り、勝手に発動しない」

「……本当なの?」

「ああ! 最悪、俺にだったら当てても問題ない! 治癒魔法で戻すからな」

「……わかったわ。私も頑張る!」


 ジュリアの了承も得たことで、俺たちは早速家づくりを始めた。

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