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早起きは人生のトク! ~爺さんを助けたら、資産4兆円の男の養子になって嫁候補まで出来ました~  作者: 猫又ノ猫助


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第41話 依頼内容と協力者

 会長から話を聞き終えた俺たちは一回その場で解散した後、夕食時に改めて寮の食堂で集まっていた。


「なんか俺のせいで巻き込む様な形になって、ゴメン」


 全員が席に着いたのを確認したところで、真司が珍しく真剣な顔で頭を下げた。


 それに対し由香里と詩音は一瞬キョトンとした後、クスリと笑う。


「まぁ浅野君のやった事は褒められたことじゃ無いかも知れないけど、今回の会長さんからの頼み事は他人事じゃないから気にしないで!」


「私も由香里さんと同意見です。本来なら、もっと早くにこの問題は是正されるべき物でしたから、お気になさらないでください」


 2人がそんな風に真司を慰めるのを見て、思わず苦笑する。


 真司がイベントでやった事の良し悪しは置いておくとして、会長からの頼まれごとは由香里の言ったように、俺たち外部入学組からしたら他人事ではない。


 何せ会長からの頼み事は、外部入学組と内部進学組の軋轢あつれきについて調査してほしいという物だったのだから。


「まぁ、俺も今回の会長からの頼まれごとは乗り気だから良いんだけど……そもそも会長の言っていた様な学園裏サイトなんて、本当にあるのか?」


 スマホを高校入学まで持って無かったことも有り、アプリやサイトの閲覧などは必要最低限しかしてこなかったから、俺にはその辺の事がよく分からない。


「裏サイトに関しては俺も良くわかんねぇけど、SNSなんかで誹謗中傷してんのは割と有るって聞いたことあるな」


「そうなんだ……私も海人君と同じで、殆どスマホ使わないからよく分かってなかった」


 食事をとりながらそんな風に、それぞれの持っている情報を開示していた所、詩音が少し俯きながら呟いた。


「残念ながら、学園の裏サイトは間違いなく有ります……」


 確信を持って放たれたその言葉に、俺たちは一様に目を見張った。


「詩音さんは、そのサイトを見た事があるの?」


 そう俺が尋ねると、詩音は首を横に振るが「ただ……」と言葉を続ける。


「中学で生徒会活動をしていた時に、その存在だけは聞き及んでいました。私にわかるのはソレが招待制のサイトで、殆どの学生には見ることも出来ないと言うくらいでしょうか」


「招待制のサイトか……ってなると、俺たちは正攻法では望み薄そうだな」


 そんな風に真司が言ったのを受けて、由香里が首を傾げた。


「そうなの? 外部入学組の私達が誘われないのは分かるけど、浅野君達は可能性あるんじゃないかな?」


 そう言って由香里が詩音と真司を見るが、それはどうだろうか……。


「多分詩音さんも真司も難しいだろ。詩音さんはそう言うサイトを許せない人だろうし……真司はむしろサイトで叩かれてる側だろうしな」


 そう言って真司に笑いかけると、「おいっ失礼な! ……まぁ、間違ってねぇだろうけど」と苦笑された。


「そうするとやはり、浅野さんの知り合いの協力者の方に頼るしか無いかと思いますが……お力添えは頂けそうですか?」


 少し不安げに詩音が真司に問いかけると、満面の笑顔で真司が頷いた。


「アイツは根っからの会長のファンだからな、会長からの依頼だって言ったら一も二もなく頷いてくれたよ」


「そいつは良かった……けど、一体その協力者って誰なんだ? 俺、寮でもお前といる事多いけど、そんなに頻繁に話してるやつ居ないよな?」


「いやいや、人を友達いない奴みたいに言うなよ! アイツとは、ほぼ毎日コイツで話してるっての」


 そう言って真司が突き出して来たのは、銃を手にした油ぎったオッサン達が表示された、スマホのゲーム画面だった。


 加えて言うなら、そのゲーム画面内のチャット欄に「はじめまして、皆さん」と書かれているのが見て取れた。


 ユーザー名は――タコ助?


「えっと……要するに、協力者の人は浅野君のゲーム友達ってことかな?」


 戸惑いながらも由香里がそう尋ねると、真司が頷く。


「ああ。加えて言うならこの学園の1年生で、俺達のクラスメイトだ」


 そう言われて、俺たちは皆目を見開いた。


「うちのクラスに、そんな凄いハッカーが居たのか……一応男子とは全員話したけど、そんな話聞いた事なかったな」


 思わず俺がそう呟くと、詩音と由香里も頷くが……それに対して真司が笑った。


「あー、確かにこんなゲームやってると勘違いするかも知れないけど――そいつ女だぞ」


 そう言って笑顔になった真司の顔は、まるで悪戯が成功した悪ガキの様だった。

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