00 プロローグ
プロローグだけ3人称で本編は1人称です。
処女作ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
場所は『リベリア王国』王都近郊の駐屯地。
リベリア王国にとってはここを抜ければ王都という最後の防衛線であるその場所で。
今、少年と『英雄』が互いの剣をぶつけ合い、一進一退の攻防を繰り広げていた。
「はぁっ!」
少年が鈍く光る鉄塊のような大剣を振り上げ、横薙ぎの一撃を英雄に向かって繰り出す。
人間一人を容易に砕きかねない大質量が竜巻のように振り回される中、英雄は冷静に安全圏まで跳び退くとお返しとばかりに剣を振りかぶり、バネのような勢いで少年の懐まで踏み込んだ。
「ふっ!」
踏み込む速度、剣を振る速度。
そのどれもが常人のそれではない英雄の一撃は、剣を振り切ってしまったばかりの少年に防ぐ手立てなどないはずだった。
しかし、現実は英雄の想定を軽々飛び越える。
少年は英雄が放った渾身の一撃を『剣の腹に籠手を打ち付ける』という人間離れした技で難なく防ぎ切ると、驚きで動きを止めた英雄に対して自身よりも大きな剣を片手で振り回しながら化け物染みた反撃を繰り出した。
その異常すぎる戦闘能力に、英雄は反射的に距離を取ろうとした。
しかし、少年は再度英雄の想定を飛び超えていく。
「ぐぅ!?」
完璧なタイミングで繰り出したはずの回避運動は次の瞬間、まるで時を戻されたかのように“無かったことにされてしまい”、気付けば避けたはずの大剣が真正面から叩きつけられていた。
咄嗟に防御したはずだというのに体は軋み、腕の感覚がなくなる程の衝撃。
その小柄な体躯から繰り出されたとは思えない凄まじい膂力や原理が不明な能力に対して「このままでは死ぬ」と英雄の直感が警告を告げるが、自分が逃げれば後ろは王都という状況で逃げることなどできるはずもない。
事態が徐々に英雄の劣勢へと傾き始める中――けれど、時間までもが彼を見放した。
援軍が来たのだ。
英雄ではなく、少年の方に。
『赤髪の剣士』
『金髪の魔法使い』
『水色髪のシスター』
その3人を従えて、少年は英雄を力強く見据える。
「絶対に負けないよ……世界を救って、僕は『勇者』になるんだから!」
これは英雄と対峙する少年――
窓香 縁が『勇者』になるまでの物語。
その始まりは、この戦いから半月程前まで遡る。
ヒロインは4人ほど登場する予定です。
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ついでに評価もくれたら、作者がすっごい喜びます。
ということで、次話からもよろしくです。




