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ソフィアの生存戦略~気弱な僕だって出来る事~  作者: あきのそら
妖精と踊ろう
5/6

初めての戦闘②

倒すんだって意気込んだはいいけれどとりあえず、状況の把握が先だよな⋯自分のターンでまだカードを使用してないから落ち着こう、煽ってきてるけど逆にそれしかできないってことだからな、うん。


--------------------------ーーー--------

【[R]嫉妬の華炎・ナク】

所属:エレメントイモーション



 HP:45 力:4 装甲 【近接:5】 【射撃:3】 【魔法:1】


 特殊 【任意】 自分の装備カードを3枚まで捨て札にすることで、そのターン捨てた枚数×2【力】を+する。

 【常時】 相手よりHPが多い場合全ての装甲-2(0以下にはならない)相手よりHPが少ない場合全ての装甲+2

 【常時】使用したカードのコストの半分の数値をダメージとして受ける


--------------------------ーーー--------


…うわぁ、名前見てあの行動の原因が解ったわ⋯てか、ソフィアよりレアリティ高いな⋯まぁレアリティなんか当てにならないってみんな言うのだけどさ、ホントだよ?とか考えていると横から突き刺すような視線を感じて振り向くと、眼光だけで何人か殺しています。って言うレベルの視線が自分のキャラから向けられていました。


「あんた⋯私に文句でもあるわけ?」


「ソフィアさん、滅相もございません。私あなたが最初の相棒でとてもとても嬉しく思っています。本当に、だからそんな目で見ないで⋯くださ⋯これだぁ!」


頼れる自分の味方から殺意むき出しの視線を浴びせられてひるんでいると一枚自分の手札のカードが目に留まった。

思わず大声を出してしまったからかソフィアの肩がビクッ!と跳ねていたものの俺の様子を見て、任せてくれようとしているのか相手の方に向き直っていた。


「まずはこれ!コストを2支払ってサポートカード!【インスタントキッチン】を発動!これで山札の上一枚をソフィアに装備してソフィアのHPを5追加!」


カードの発動を宣言すると使用したカードが光る粒子になってソフィアの目の前にアウトドアでよく見る調理器具が現れた。ソフィアのステータスを確認しなおすと【32/35】とちゃんと反映されておりソフィアも調理器具を片手に持って構えを取っていた。


「たかがHPの回復で何が、これだ!よ あたしを倒せるものなら倒してみなさいよ!」


「まだまだやることあるんだから黙ってなさい!このヒス放火魔!」


「その通り! 次に【効率アップ】2枚使って…ソフィアが回復した分の数値をちゃんと受けてもらうよ!」


ソフィアが回復した数値と同じダメージを2回与えると相手のナクも流石に少しは効いたのか少し汗を垂らしてはいるがまだまだ余裕だといった表情で両腕の炎を激しく燃え上がらせている。


「じゃあ後はコマンドを伏せて終わり⋯だけどコスト無いからこれでターンは終了⋯でいいのかな?」


キャラクターにはコマンドカードがない時でも一応力のみで攻撃はできるのだが…力が低いソフィアに無理はさせられないのでターンの終了を宣言。

すると端末に着けたデッキケースから2枚が手札へと補充された。


「え?なんでこのタイミングで⋯?」


「それがあんたの専用スキルってことなんじゃない?ユーザースキル?とかいうやつよ、わかんないなら後で確認しなさい。⋯それより来るわよ、あのヒステリーの攻撃が!」


慌てて端末を確認してみると確かに自分自身にもスキルが付いている扱いになっていた。


[通知]マスタースキル【臆病者の準備】を獲得しました。マスタースキル【?????】を獲得しました。


多分さっき発動したのは【臆病者の準備】って方のスキルなんだろうな…うん、効果も[ターン終了時に使用したカード-1枚を手札に入れる]って書いてあるし、でもスキル名違うのがよかったな、もうちょっとかっこいいやつ…なんて考えていると怒りを堪えるかのように両拳を震わせながら叫ぶ。


「だから⋯ヒステリーだ、なんだって私を侮辱するなぁぁ!」


そんなナクの様子に小さな悲鳴を上げながら、補充された手札から何か防ぐものがないかと考えるも見つからず、相手は燃え上がる両腕を振り上げて地面に叩きつけると床から何本もの火柱が立ち上がりその柱の一本がソフィアの体を包みこんでいた。ナクの後ろには一枚のカード開いており、そこには【怒りの渦】というカードがオープンされていた。


「ああああああああっ!⋯効くわね、これ⋯ でもこんな火で怯んでいる様じゃ料理人なんて続けてられないのよ!」


激しく燃える炎の中で、ソフィアは組んだ両手を崩さずに立ってはいるものの、炎に閉じ込められただけではなく、足にも青い炎の蛇のようなものが巻き付いており、その蛇がまるで「絶対に逃がさない。」とでも言うかのように雁字搦めに蠢いている。

そんな様子を見てナクはとても澄んだ音で、狂気を孕んだ高笑いをしていた。

「さっさと焼けて、無様に吹き飛ばされる灰になってしまえ!あっははははは!!」


ソフィアのHPを確認すると【20/35】…一撃で12も持っていかれてる。こんだけ火力が出せるキャラってことはまぁアタッカーなんだろうな…なんて考えながらもデッキから1枚出されていることで相手のターンの終わりであることを理解した。



「よし、まずはソフィアの回復から⋯したかったけど無いや…」


「ならそんなことを口走る前にさっさと反撃に移る!相手を倒せばあたしがズタボロになろうとなんだろうといいんだから!」


傷付く相棒を見たくない一心で進めようとしている自分と、逆に傷ついても勝ちにこだわるソフィア。

相手との価値観の違いに悩みながらも出来る事をして、家を守らなければと思い手札から反撃するためのカードを切る。


「相手が高コストのカードを使ったからこっちのコストも追加されているな、まずは近寄りたいけど、足元の蛇に移動の妨害されてしまっているから⋯コスト2払って【食材投網】使用、これでナクを自分の目の前に!」


このゲームでは1ターンにカードのコストを上限+2まで使用できる。ただし上限を超えた分は次の相手のターンに超えた分の上限がそのまま追加されるデメリットもあるのだが、怒りで我を忘れている相手が大技を使ってきたことで先ほどより2多い状態を維持できているようだ。


(初期コストが5、最初のスキップされたターン数で+3、相手のコストオーバーで+2 されているから…コストは10、そこからナクを引き寄せるのに2使ったし残り8で相手の体力は35…これはできれば避けたいけど…。)


なんて考えているとソフィアがこっちを見つめてきていた。その目は鋭く睨む様な目ではあったが、自分を気にせず倒せと訴えてくるような、力強い意思が籠っていた。

(そんな目で見られたらこっちだって覚悟を決めなきゃ。⋯後でソフィアにはちゃんと謝ろう。)


「コストを5使用!【亜人のフォーク】をつかってナクに攻撃!」


使用したカードが粒子になり、ソフィアのもとに飛んでいくとその粒子の塊に腕を入れて、引き抜くとその手には禍々しく歪み、先端が異様なほど捻じれてなお鋭く、光を全て吸い込む様な黒色のフォークをその手に持っていた。


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