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古の守護者と砂の牢獄 依頼

森で暮らしていたアンデッドのサン、ドラゴンスレイヤーと呼ばれる剣士のグレン、王女でありながら、暗殺騒動で城を追われたヘザーの三名は、それぞれの目標から、王都への帰還を目指して結託する。

ルワルナ国、王都の南方に位置するデザイー地方。

そこは巨大な砂漠が広がる渇いた大地。

砂に囲まれた土地の中心にはオアシスがいくつか存在しており、一際大きなオアシスを中心に発展する形で出来た小さな街バルカナ、人口は9万人。

この街は、周りに点在する火山の影響で温泉がいくつか湧き出ており、温泉街としても有名であった。


豊富な温泉という観光資源、近隣に点在する古代遺跡という魅力的な産業資源、それにこの地で採れる質の高い精霊石が主な産業である。


僅かな人口ながらも、活気に溢れる小さな街であるバルカナにサン、ヘザー、グレンの三名は滞在していた。


既に滞在して一週間になる。

あのホーンデッドの襲来により、ワラビー村は壊滅的な状況であり、とても滞在が出来る状態ではなかった。


村の救世主から一転、災厄を呼び込んだ張本人である。

ワラビー村の村人達としても、どう彼らに接していいか分からなくなっていた。


風に追われるように、村を後にした。


なんとか一命を取り留めた一向は、ある目的をもってこの街へとやったきたのだった。


「ふー、やっぱりバルカナの温泉は最高だなー。俺の言う通り来たかいがあっただろ?!なあ、サン!」


「はい!そうですね。温泉って初めて入りましたけど、気持ちいいものですね。こら、ルロロものぼせて頭の上で寝ないでよ」


野外に設置された露天風呂から立ち上る湯気から姿を現した、温泉から上半身を出した大柄な剣士のグレンが隣の少年、サンに声をかけた。


グレンの身体には無数の傷が刻まれており、その全てが、これまでの激しい戦いの経歴を物語っている。

右腕には痛々しいまでの傷が残っていた。

先日のホーンデッドとの戦いでついた傷である。


声をかけられたサンは、初めて入る温泉に感動していた。

その頭上には黒い謎の生物がでんと乗っかっており、その不可思議な生物に向かって声をかけた。


「さっきから気になってたんだが、そいつはなんなんだ?」と、堪らずグレンが尋ねた。


「ああ、この子は僕の友人のルロロです。

ガーネット クロウっていうカラスの精霊獣らしくて、可愛いでしょ?

僕が暮らしていた森の奥で出来たはじめての友達なんですよ。

いつの間にか家の前の木に止まるようになって、仲良くなったんです」


「精霊獣…使い魔ってやつか。よく分からんが可愛い…か?」


「ぐえぇっ!くえいっ!」


ルロロは目を瞑ったまま、反論するように鳴いた。


その姿は、まんまるいフォルムに小さな羽がちょこんと生えている。

一つの黒い球体に、嘴と羽が生えたかのようである。


鴉のようにも見えなくもないが、グレンの知るカラスとは異なり、全体的にずんぐりとしていて、グレンの目には巨大なおはぎのお化けにしか見えなかった。


全体的に赤黒い光沢のある羽で覆われており、その瞳はガーネットのように赤く妖艶な輝きを放っているが、今は気持ちよさそうに目を瞑り微睡まどろんでいる。


「リラックスしている時は、大抵こんな感じです。ご飯食べた後とか。でも、不思議なんですよね。いつから友達だったんだろう。気付いたら、そばにいてくれたんですよねぇ。」


「五十年間も、こんなのが唯一の話相手だったなんて…、お前も大変だったんだな…。」


グレンはサンを憐むように見つめた。


サンは苦笑いを浮かべ、頭上で寛ぐルロロを見る。


一行はこの街に滞在して、しばらくは目立たぬように潜伏していたのだが、まるで追っ手の気配もないため、折角だからとグレンの強い後押しもあり、今回の温泉へと繰り出したのだった。


「馬鹿な事言ってないで、そろそろ上がりなさいよ!

上がったら作戦会議よ!ここには遊びに来たんじゃ無いんだからね」


仕切られた隣の浴場から、ヘザーが少し苛立った声をあげ、二人は肩をすくませ顔を見合わせて苦笑いした。


隣にお姫様が入浴をしている。

ただそれだけの事だが、意識せずにはいられず、サンは胸の高鳴りを抑えることが出来なかった。


「よし、少し覗くか?」などと言うグレンの冗談にさえ、まともに反応する事が出来ず顔を赤らめて硬直してしまった。


そう、この街に立ち寄ったのには訳があった。


前回、ホーンデッドに恐怖を植え付けられたサン、ヘザー、グレンの三名は、今後について悩んでいた。


あの日の凄惨な出来事を話題に出す者は、誰もいなかった。


思い出したくもない、ということもあるが…まだ、自分達の中で消化出来ていない事も、また事実であった。


命を失った村人は数知れない。


誰のせいでもない…。


誰のせいでもないのだが…誰もが、自信を責めずにはいられなかった。


これからの事を考える事にした。


王女であるヘザーを城まで無事に送り届けるためには、超えなくてはならないハードルが沢山ある。


まずは確かな情報と、王国に対抗するだけの戦力が必要だった。


敵方は王国竜騎士団ドラグナイトを動かせるのだ。


もはや王が王女暗殺騒動に加担しているのは疑いようもなく、その戦力も規模も未知数である。


下手をすれば王国軍全てを敵に回す事にもなりかねない。

そこで、ヘザーがある人物を探すことを提案する。


それが、アミス グランデなる人物だった。


竜騎士団の元副団長であり、確かな剣の腕はもちろんの事、魔法も使える万能型の戦士という事だった。


その上、竜の扱いも一流とくれば戦力としては申し分ない。


王都内部で一体何が起こっているのか、その確かな情報も握っていると思われたからだ。


先日、襲撃してきた蛇顔の下っ端騎士団員の話では、現在は姿をくらませているという。


王政側よりも先に探し出す必要があった。


グレンも傭兵時代に、何度かアミスの噂を聞いた事があったため異存はなかった。

容姿端麗な上、余程の腕なのか目立つ存在なのであろう。

“戦場の薔薇”などと呼ばれていた。


聞けば、ヘザーとアミスは旧知の仲だという。


アミスに初めに声をかけたのは、ヘザーからだった。

見目麗しく、竜騎士団でもかなり目立つ存在であったアミスに思わず声をかけた。

そんな裏表なく接してくる彼女に対して、アミスもまた心を許している節があり、打ち解けるのにそれほど時間はかからなかった。

お互いに様々な秘密を打ち明けあったものだった。

その秘密はへざーにとっても衝撃的なものも含まれたが、その秘密を聞いた後でも、お互いの態度は変わらなかった。

その中の一つに、アミスの故郷に関するものがあった。

生い立ちに深く関係しているため、誰にも打ち明けていないのだと、ヘザーは聞いた。

彼を探し出すため、故郷だと聞いた事のあるこのバルカナに滞在しているという訳だ。


決して温泉を満喫するためでは無い。

断じてない。


「今分かっている事について、話をまとめるわよ!」


サン、ヘザー 、グレン。

各々が経験し、見聞きした情報を総合すると、現在の状況はこうだった。


サンは50年前に高位の魔族である吸血姫、イザベラと契約を交わし、不死者アンデッドとなった。

その後、人間に戻るため、旅に出た。


ヘザーは、暗殺されそうになり、王宮を後にした。

王宮内は、既に魔族に支配されているかも知れず、王や側近達も洗脳されている可能性がある。

彼らはヘザーの命を狙っており、彼女の死を望むなんらかの理由がある。

ホーンデッドは、真龍の封印と言っていた。


グレンは、ヘザーの護衛と王宮への帰還を心に誓った。



「さて、私達は今、ある問題に直面しているわ。

それは…ズバリ生活費!お金よ!

全然不足しているわ。

ここの宿賃だってそう。あなたが今飲んでいるそのエールだってそう!

ここは観光街だから食費だって物価だって高い。これは死活問題よ」


お風呂から上がり、件の作戦会議とやらを始めたヘザーの第一声がまずこれであった。


「仮にも一国のお姫様がお金、お金って。そういう庶民的な金銭感覚はあったんだな。」と、風呂上がりのペールエールを右手に持ち、飲み干しながらグレンが茶化す。


左手にはデザイーの名物として有名な、酒のつまみの定番であるサンドワームの串焼き。



「私もびっくりしてるわ。これは、ずっとお城で暮らしてたら気づかなかった事ね。生きているだけで、毎日こんなにお金が必要だなんて。それに貴方たちにそういった普通の感性を期待しても無駄みたいだし」


ヘザーは、悟ったような遠い目をした。


グレンは長い冒険者生活から、普段から野宿や狩で生きていく事も多いため、普通の生活を送るという感覚が欠如している。


サンもまた同様であった。


森の中で隠遁生活を送っていたため、そもそも常識というものがまるでない。


初めて見る野草や生き物をとりあえず食べてみる、といった奇行が目立つ。


しかしながら彼は料理が得意なため、日々の食事には不満はなかった。


だが、王族として何不自由なく暮らしてきたヘザーにとっては、ふかふかのベッドも大きなお風呂もない今の生活は、かなりの苦痛であった。


せめて野宿ではなく、毎日の定宿に泊まる事は最低限、死守したかった。


サンが以前貰ったペンダントをお金に換えたらどうかと提案したが、グレンに即刻却下された。


あれ程の宝石はそう市場に出回るものでは無いため、買い取る場所も限られる上に、出所を探られる恐れがある。


兎にも角にも金がいる。

金策のため、サンは冒険者ギルドへ寄る事にした。


道中、バルカナの繁華街を歩く。


王都から距離のあるこの街には純人族ピュリスムだけでなく、亜人種も数多くいる。


この街の人間は、布を全身に巻き付けたような服装をしていた。

蒸し暑い気候でも快適に過ごすための文化なのだろう。

確かに通気性には優れていると思う。


この街であれば、同様に全身が外套と呪包帯塗れのサンも違和感なく溶け込む事が出来た。


周囲に点在する火山からとれる鉱石の影響から鍛治が盛んであり、鍛治や武具製作に携わるドワーフ族やノーム族が多い。


すれ違う人々の中には、見たこともない種族もいて、サンはついつい好奇の目で追ってしまう。


そうこうしているうちにギルドに到着した。


冒険者ギルドは街の外れ、スラム街の手前に位置しており、この辺りは治安があまり良さそうとは言えない。


会館自体は立派な建物ではあるが、観光業で潤うバルカナの中では地位はあまり高くないのであろうか。


ギルド内は喧騒で溢れ、壁には沢山の依頼書と賞金首の手配書が貼ってあり、中にはグレンの手配書もあった。


これがまた、なんとも凶悪そうな人相書きであるが、割と本人の特徴を捉えていて、なるほど似ている、とサンは妙に感心した。


前述のようにグレンはお尋ね者として手配書が出回っているし、王都では、ヘザーは既に死んだ事になっているらしかった。


手配書によると、グレンが王女を殺害した事になっていた。

念のため、まだ顔が割れていないであろう、サンが一人で行動する事になったのである。


念のために、ガーネットクロウというカラスの精霊獣であるモリグを置いてきた。

二人に何かあれば、彼が連絡係になってくれるはずだ。


まずは冒険者カードを更新する。

しかし、50年前の冒険者カードである。

ギルド受付のドワーフ娘は、カードを見て少し驚いている様子ではあったが、大事にはならずに済んだようだ。


エルフや龍人のような、100年以上生きる長寿の種族もいるのだ、もしかしたらそこまで珍しい事ではないのかもしれない。


無事に更新を終えると、かなりの数のスキルと称号が追加表示されているが、人目もあるため、後でゆっくりと見る事にした。


壁には無数の依頼書が並ぶ。


その中でもサンが手にしたのは、

「一緒にティオカン遺跡の最奥まで踏破して欲しい。ランクは不問、但しソロに限る。要面接」

というものだった。


成功報酬は100万クラン相当の精霊石という破格の報酬で、依頼人は鍛治師アラミスと記載されていた。


ティオカン遺跡は未踏破の遺跡の一つで、魔物や古代文明の張り巡らされた罠があちこちにあり、探索を行うとなると国の軍隊一個大隊、もしくはランクサファイア10名以上の大規模パーティーで行うほど大規模なクエストとなってくる。


一見無謀にも思われたが、太陽の下で思うように活動出来ないサンにとっては、野外で行う魔物の討伐依頼よりも、遺跡ダンジョンのような屋内での活動の方が都合が良かったのだ。


それに、遺跡にはアンデッドが多数存在しているため、おそらくアンデッドにとっては心地いい環境になっている筈だとグレンから聞いていた。

アンデッドの力を存分に発揮し、自らの限界値を探る良い機会だと思ったのだ。


早速、アラミスという人物に会いに行く事にした。


改めて街を観察すると、街行く人々は頭にターバンを巻き、女性は全身を覆うローブを身につけ、顔まで隠す者も多くいるようだ。

石造りで色とりどりの、高さのある建物が所狭しと並び、高い人口密度を物語っている。

全身を包帯まみれのサンが歩いていても、街に溶け込んでいて、なんら違和感はなく思えた。

姿を隠したい一行にとって、都合のよい街といえる。


依頼人は、町外れの一角に工房を構えていた。

大通りから一本奥へ外れると、人通りも極端に少なくなり、店舗もまばらだ。


店に入ると、いくつかの武具や防具が壁に掛かっている。

どれも丁寧に手入れが行き届いており、店内に差し込む光を反射させてキラキラと輝き、上質な品だと感じさせた。

奥の壁には、一際大きな槍斧ハルバードが飾られている。


「いらっしゃい」


奥から出てきたのは、化粧っ気はないが、健康的で美しい女性。

皮の前掛けに皮の手袋、手には小槌を持っており、どうやら奥の工房で作業中だったようだ。


「すいません、作業中に。冒険者のサンと言います。ギルドから依頼を受けに来ました」

うわあ綺麗な人だなぁ。と、どぎまぎしながら声をかける。


女性は、店主のアラミスだと名乗った。

遠目には線が細く、華奢な印象を与える。

常に笑みを浮かべた柔和な表情と、ウェーブのかかった長い黒髪が凛とした印象を振りまいている。


簡単に自己紹介を交わし、依頼の詳細を聞く事にした。


「今回、依頼したいのは、砂漠の北に存在すると言われるティオカン遺跡。ここを最奥エリアまで踏破したいので、一緒に行って欲しい。この遺跡には古代の大精霊が封印されているっていう伝説があるんだ。その古代精霊に用がある。私の相棒のために…」


そう言って、豊満な胸元から小さな宝玉を取り出した。

片手で収まる程度の宝玉の中には、小さなドラゴンが、ぐったりと眠っているのが見える。


赤く小さなドラゴンが丸くうずくまっている。

尻尾の先はゆらゆらと揺れて、まるで炎のようだが、今にも消えてしまいそうなほど弱々しい炎である。


どういう仕組みなのかは分からないが、この宝玉はドラゴンにとってのベッドのようなものだと、彼女は説明した。

ぐったりして見えるドラゴンを、思い詰めたように真っ直ぐに見つめる眼差しは真剣そのものだった。


「このドラゴンは、私を助けるために命をかけてくれたんだ。次は私が恩を返す番なんだ。精霊の加護なら、何とか助けられるかもしれない、いや、絶対に助けなきゃ行けない!何としてでも…。私なんかの為に、犠牲になってしまったあの人の為にも……」



あの人って誰だろう。と、サンは思ったが、気軽に聞いてはいけない気がして、黙って聞いていた。


「危険な遺跡なんだろ。事情があるんだろうが、無理はしちゃいけねえよ」


工房の奥から白い髭をたくわえた老人が声をかけながら出てきた。

身長が低く、筋肉質でずんぐりとした体型から、一目でドワーフだとわかった。


ドワーフは手先が器用で、性格は真面目な事から、職人に多く見られる種族だ。


「お爺ちゃん。寝てなくて大丈夫なの?」


「なんて事はない。ぎっくり腰だなんて情けないったらない。そもそも、ろくに修行もさせてねえ半人前のお前に店を任せる訳にはいかねえ。」


お爺ちゃんと呼ばれたドワーフは、キッパリと言い放った。


どう見ても、彼女と血の繋がった祖父には見えなかったが、そんな疑問を感じ取ったのか。


「あぁ、こちらはお爺ちゃんのレフ。

似てないって思ったんでしょ?

私のお母さんが人間で、お父さんがドワーフ族のハーフドワーフなんだ」と、説明してくれた。


「見た目が似てる似てないなんて、小さな問題だ。

中身はそっくりだ。お前は儂に似て頑固だしな。

騎士になるなんて言って家を飛び出した時はびっくりしたもんだが…」


「お爺ちゃん!」


言葉を遮るようにアラミスが呼びかける。


レフは、「しまった。」という顔をして頭をかいて苦笑いを浮かべた。


どうやら嘘のつけない人物のようだ。


話をしていて、サンは気付いた事があった。


彼女と、目が合わないのだ。合わないというよりは、彼女がどこを向いていても、焦点が合っていないような気がする。


「あの…もしかして、目が…?」


不躾だとは思ったが、おそるおそる尋ねた。


「ああ、気付いたようだね。

この目はね、つい先日、光を失ってしまったんだ。

ハッキリとは目は見えないけど、魔力感知でなんとなくわかるから、日常生活でそんなに不自由はしていないよ。

…それに、ずっと見ていたくなるような笑顔の人も、もういないのだから…。

この世界は、見たくもないもので溢れている」


「アラミスさん…」


やはり、彼女には辛い過去があるようだ。

なんて声をかけていいか分からず、サンは自分の迂闊さを悔いた。


サンは街に到着するなり、既に遺跡にはついては調べていた。

この土地には、嘘か真か、かつて高度な技術を誇り、精霊王が創ったとされる古代文明が栄えていたという伝説がいくつも残っており、人を寄せ付けない特殊な環境からか、その文明の名残とされる遺跡が当時のまま、いくつか現存している。


遺跡は、正確な六角形に成形された巨石を積み上げる奇妙な構造をしており、地下に向かって複雑に入り組んだ構造であるのに加え、強力な魔物が蔓延っており、未だ全容は解き明かされていない。

それでも幾人もの勇敢な学者が足を踏み入れ、調べたが、遺跡の用途も年代も不明なままであった。


遺跡から発掘された道具の品々が、街では売買されており、中には現代では再現不可能な、オーバーテクノロジーの魔道具といった掘り出し物も存在する。

有名な英雄や勇者の、不思議な力を持つ武器などは、遺跡で発掘された伝説級の品である事も多い。


サンは、ワクワクしていた。

美しいお姫様と旅をして、綺麗な女性を助けるクエストを受け、ドラゴンに古代遺跡と。

童話で読んだ物語のようだと思った。


単純に浮かれていたのだ。

この世は美しいほど残酷で、狂おしいほど無慈悲なものだと忘れていたのだ。

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