序章「願い-母の願い2」
この母の願いで序章は終わりですが、、、難しいなー。表現が。頑張って書いていますが、分かりづらくなりそうです。
高田 恵未はおとなしい子だった。奉仕作業に来るときも、他の子達がはしゃぐ姿を、後ろから見て楽しんでいるような子だった。
何故かイザナをお気に入りのようで、何度か一人で会おうとして社まで来ようとしていた。しかし、イザナに会うだけのために参道は通れず、参道前で困った顔をして立ち尽くしていたものだ。
その度にイザナが参道前に様子を見に行っていた。
イザナは子供達には受けが悪い。ぶっきらぼうなのだ。3人の巫女の中でも一番若く、育った環境からか、面倒を見てもらうことには抵抗がないが、面倒を見ることに対して苦手意識を持っている。なので、自分より子供の相手をどうしていいか分からないのだ。子供達が奉仕作業に来ているときは何時も黙々と自分の持ち場を清掃し、極力子供達には関わらないようにしていた。
そんな中で、恵未はイザナに着いてまわっていた。
「私ね、巫女さんのなかでは狐巫女さんが一番好き。だって何かピーンとした空気を持っててカッコいいし、3人の中で一番可愛いもん。」
「え?・・・あ、、ありがと」
ふとした会話のなかで言われた言葉に顔を赤くした。
人間の子供に対して『ありがとう』なんて、と動揺したが、大人しい性格の恵未との会話は苦痛ではなく、会話を重ねるごとに楽しみにもなった。
奉仕作業は小学生の間だけの仕事だ。中学生以上の年になると、そうそう会うことはなくなる。小学6年の冬に最後の奉仕作業に来た恵未は、帰り際に名残惜しそうにイザナと話していた。
イザナも「えっちゃん、えっちゃん」と楽しそうに話していたものだ。
イザナは必死に思い出す。
『たしか、えっちゃんが大学から帰ってすぐ、10年くらい前にお嫁に行くので村を出ますと参道まで挨拶に来ていた。『えっちゃん、キレイになったな~』って思ってた。7、8年くらい前には、えっちゃんの母親がお参りに来たはずだ。えっちゃんが子供を産むから産湯に使う水を汲みに来て、御手水の水を汲んでいったはず。だから『ああ、えっちゃんは幸せになってるんだな』って思ってた。・・・思ってた!!』
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社の縁側から迷い人を見下ろす。、、そこにいるのはボロボロの魂。
「主様、、ほんとに、、、、えっちゃんなの?」
「うむ、、間違いない。」
「いつ、、、死んじゃたの?」
「2年ほど前のようだ。」
迷い人は、ふらふらと立ち上がると、来た道を帰り始めた。
「主様!どっかにいっちゃうよ?」
「先ほど、願いを叶えると伝えた。これからまた、未練のある場所に戻るのだろう。ナギ、着いて行って場所を教えてくれないか?」
「・・はいにゃ」
ナギはタタタっと社から降りると、迷い人についていく。暗い顔をしながら。
「ウネビ、恵未の実家に行って、恵未について聞いて来てくれ。恵未の子供のこともな。」
「へえ、、聞いてきます。」
ウネビはスルリと虚空に消えていったが、消える間際に見えたウネビの目にはやるせなさが映っていた。
「さて、イザナ、お前は私と一緒に恵未の未練の源まで来てくれ。よいな?」
「はい、、行きます。」
それから3時間程たち、辺りが真っ暗になった頃、ナギからの思念が届いた。
「参ろうか」
ナルタの言葉にイザナは頷く。
ナルタとイザナの姿が虚空に消えていった。
迷い人の未練の元に乗り込みます。