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第14話 〜アークぅぅぅぅ!?〜

「やっぱり君は強欲だ。まぁ、そんなところも君の魅力でもあるけどね」


目が霞む……景色が少ししか見えない。

たがこの世界が真っ白なのが分かる。そして、この世界がこうなった事に凄い後悔している。


「やっぱり、帰ってきたらこの世界が嫌になるよね。だけど、この世界にしたのは君なんだよ?」


否定しようがない言葉に涙が出てしまった。


「泣いているのか。それは涙ぐらい出るよね。でも、これからまたいっぱい涙を流す事になるよ。でも、今だけは君の涙を拭いてあげるよ」


誰かが俺が流した涙を優しく拭いてくれた。

その優しさにまた涙を流していると、眠気が襲ってきた。


「時間だ。僕は君が起きるまで待ってるよ。

君の寝顔を見るのも面白いからね。じゃあ……おやすみ」




「愛地! 起きてよ、愛地!」


誰かに手を強く握られてるのが分かる。その握力は強く手が凄い痛い。


「おい山月! そんなに強く手を握るな!」


「そ、そうだよ楓さん! ちょっとおお落ち着いて! そうだ! ポーションをポーションを飲ませれば! 愛地君もきっと元気になるよ!」


馬鹿みたいに不味いポーションが口の中に入ってきた。うん……吐きたい……。


「小豆先輩、そんなの飲ませたら愛地さんが死んじゃいますよ!?」


「そうですアズキ様。ポーションなんか飲ませたらそれこそ重症化してしまいますよ!? こういう時は頭を叩けば意識が戻りますよ……こんな風に」


賑やかな声が聞こえたと思ったら、今度は強く殴られてしまった。


「おいっ! メガネお前何をやっている!?

怪我人に殴るなんてお前は!? 火に包まれてろ! 」


バチン! と指を鳴らす音がした。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」


一気に部屋が暖かくなった。


「………………こんな状況だったら無理でも起きれるわぁぁぁ!」


俺は上半身を起こした。

皆の顔を見ると信じられという顔をしている。そんなに心配してくれたんだな、と感動した。

そして俺は周りを見てみると、窓から赤色の光が入ってきいる、もう夕方だろう。

ここは医療室だろう。薬の棚が並んでおりベットもいっぱい並んでいる。


「愛地が起きたーーー! 愛地ーーー!」


そんな中、俺の手を握っていた楓が勢いよく、俺に抱きついてきた。その抱き締めが強過ぎて息が出来ない……。


「楓さん? あの〜抱きつくのやめてくれません? そうじゃないと、俺の命かあぶ……」


俺は喋っていくにつれ、意識が遠ざかっていった。


「おい! 渡辺が死にかけてるぞ!? お前ら早く楓を渡辺から引き離せ!」


皆が慌てている姿を見て、少し笑ってしまった。そして、俺の意識はなくなった。




「うっ……! ここは……ってかもう夜か……」


辺りはもう暗くなっていた。部屋は明るいが窓を見ればもう夜だと分かる。

俺は上半身を起こして周りを見ると隣にザイザルおり、ザイザルの膝の上にミケランがいた。

ザイザルは座ったまま寝ており、ミケランは俺が意識が戻ったと分かり俺に飛んで抱きついてきた。そういえば、最近皆にミケランを触りまくられて俺が全然触ってい無いことに気づきミケランを、優しく撫でた。


「あ、アイチ様おはようございます」


ミケランが膝の上から居なくなった事に気づき、起きたのだろう。眠そうな声で挨拶してきた。


「ああ、お前もおはよ。で、俺はどれくらい寝てたんだ?」


体感だと魔物達と戦った日だと思うが、ドラマとかだったら3日や4日寝てるとかあるのでそんなに寝てない事を祈った。


「約9時間ぐらいでしょうか?」


ザイザルは首にかけてある時計を見てそう答えた。そんなに寝ていなくて安心した。

そういえば、楓達はどこに行ったのだろうか?


「楓は何処に行ったんだ?」


「食堂です。毎日冒険者たちは魔物との戦闘が終わったら食堂で宴をするんです。その宴に参加するだけで、人脈は増えますし気休め程度ですが、信頼も稼げます。今私達が1番欲しいのは信頼ですので、アイチ様をよりそっちの方が重要だと判断し皆様行かれました」


「それ聞くと、俺への信頼が低くねって思うんだが!?」


「はははは。嘘ですよ。皆様、アイチ様と離れたくないと言い駄々をこねていたんですよ? そこで魔物達と戦っていない私が留守番するという事で渋々了解を得ました」


それを聞いた俺はちょっと嬉しくてニヤついてしまった。S級美少女達が駄々をこねるって……嬉しすぎないか?


「何ニヤついてるんですか? 気持ち悪!」


「気持ち悪いって酷くね!? 」


「それより、早く食堂に行きますよ。今日の主役は貴方なんですから」


「えっ? 主役!?」



ーーダイン前線食堂ーー



俺とザイザルは、医療室を出て食堂に来た。

なんでも魔物達の戦いで1番功績を出した者は、その日の宴で主役になり、後で幸先生からご褒美を貰えるという事らしいが、そのご褒美は貰った者しか知らないし、他言もしたらダメらしい。エロい事でもしてるのかなと思った俺は心が汚れているのだろう。


「チャリンチャリンチャリン」


俺が食堂に入った瞬間、ベルみたいな音が食堂中に鳴り響いた。これは今日の主役が食堂に入った瞬間鳴るらしい。

そして、食堂にいる者たちはこう叫んだ。


「「「主役の登場だぁぁぁぁ」」」


「……なぁ、ザイザル。この世界の宴って皆で声合わせる習慣でもあるの?」


「何言ってるんですか? そんな事ある訳ないじゃないですか」


この光景を前に見たような気がしたが……気のせいだったか。


「「「おーーい! 主役さんよ黙ってどうしたんだぁぁぁ?!」」」


「これでも否定するか、ザイザル?」


「確かに……宴の時は皆声を合わせますが、全部たまたまですよ」


ザイザルがさも当然のように答えたが、これは普通じゃないよなと考えていると、遠くの方から手を振りながら人がこっちに走ってきている。

絶対に楓だ。


「おーい! 愛地ーーー!」


楓が俺の前までやってきた頭を下げ、謝ってきた。斬られた腕は治っており安心した。


「さっきはごめんなさい」


そう言い楓は頭を下げて謝ってきた。


「いや、いいんだ。それより、他の人と仲良くなったのか?」


「うん! ハインケルさんが色んな人を紹介してくれて、皆と仲良くなったよ!」


楓が満面の笑みで答えた。

楓が人間関係でこんなに笑顔を見せるのはいつぶりだろうか? ハインケルとやらには後で感謝しないとな。


「それとっ! アークさんとも仲良くなったし、さっきの事は水に流そうって話なったよー?」


「アーク……か、やっぱりトイレの奴だったか」


「その話は忘れろ。俺の過去最大の過ちだ」


俺がボソッと言った言葉にいつの間にか俺の後に勇者アークが反応した。その容姿は金髪の頭に紫の毛がちらほらある。目の色は茶色。白銀の装備を着ている。そしてドラゴンの模様や妖精の模様が、彫られているロングーソードを持っている。

そして、アークの存在にびっくりしたが、それ以上にトイレの事が過去最大の過ちと言ったことにカチンときた。

過去最大の過ちは楓の事だろうと。


「愛地君、意識が戻ったのかい? 安心したよ」


また、いつの間にか楓の後に居た小豆先輩が声をかけてくれた。多分俺がアークに怒るとしって遠回しに止めてくれたのだろう。

その優しさに感動し、それと同時にこの2人がいつの間にか俺の近くに居る事に気が付かなかった自分は、やはり弱いのだと確信した。

その事を悔しいと初めて思った。俺はスキルが無かったらただの弱者だ。こんな気持ちになるのは楓の事があったからだろう。

その感情を表に出さず必死に隠した。


「心配してくれてありがとな。小豆先輩のポーションが無ければもうちょっと早く意識が覚醒したかもな」


「やっぱりそうかな?」


シュンと顔を俯かせ落ち込む小豆先輩が可愛いくて心の中でグッドをした。


「それより、今日は愛地が主役なんだからね! 桃ちゃんとか、幸先生もあっちで待ってるよ! 早く皆の所に行こー!」


笑顔の楓に手を引っ張られた。


「アイチ、0時に屋上で待っている。必ず来てく」


楓に引っ張られたアークと離れる瞬間アークから小言でそう言われた。それを言ったアークは歩いて行ってしまった。

行きたくないが、アークは勇者なので、人々から信頼が厚そうだから行かなかったらアーク次第で俺たちの評判はガタ落ちだ。仕方なく行くことに決めた。

俺と楓と小豆先輩が歩き始めた時、ザイザルが一緒に付いて来なかった。それに気づき俺はザイザルの方へ振り向いた。


「おいザイザル。お前も早く来いよ」


「いえいえ、私は皆様の邪魔になりそうなので1人で楽しんできますよ」


ザイザルが笑いながそう言った。だが、俺には寂しい感じがした。俺と楓達は全員知り合いだ。それを察しているザイザルは俺達に気を使っているのだろう。

俺が無理やり連れて行っても嫌がるだろう。

何故ならば俺以外、楓達はザイザルにそんなに接していないからだ。

しかも、草原での出来事が大きくし関係しているだろう。幸先生からは火炙りにされ、そんなザイザルを誰も心配せず、無視したからだ。そんな事がありザイザルは、楓達から嫌われていると勘違い……いやザイザルを楓達が嫌っているかどうかは俺は分からない。

ここは楓達に何か言ってもらわないと、解決しないだろう。

俺が言うように急かすか、どうするかどうか迷っていると、幸先生と桃さんが俺達の方へ来た。

俺達が幸先生達の方へ行くのが遅くなっているから様子を見に来たのだろう。


「どうしたんだぁー。遅いから様子を見に来たぞぉー?」


「それがねザイザルくんが私達と一緒にご飯食べたくないって言うの!」


食べたくはないとは言っていないが、これで皆の意見が聞けるだろう。皆はザイザルを嫌っているか嫌っていないか、それが知れるチャンスだ。


「本当ですか? ザイザルさん何で私達と一緒にご飯食べるのが嫌なんですか?

もしかして……昨日の件で私達が嫌いになったんですか……? その件はすみませんでした。ザイザルさんをからかうのが面白くて……つい」


楓の話を聞いて、桃さんが申し訳なさそうに謝った。たが、最後に昨日の事を思い出したのだろう、ふふふと笑っている。


「そういう事だったのかい? 私も面白くてついやってしまってて申し訳ない。そのせいで私達を嫌いにならないでくれ、私は君を好きでいたい」


小豆先輩が頭を深々と下げて謝った。

友達感覚で好きと言ってるが、こんなに可愛い人に言われたら普通の男性だったら、勘違いし恋に落ちるだろう。


「私もごめん! 本当はザイザルくんの事心配だったけどザイザルくんの反応が面白くて……傷ついてら本当にごめんなさい。

でも! 私ザイザルくんの事もっと知りたいの! だから……一緒にご飯食べよ?」


楓がザイザルの手を握って謝った。


「私もすまなかった。お前見たいにリアクションの良い奴は中々居ないからなお詫びとして……いいや、同じパーティの仲間として一緒にご飯を食べないか? 」


幸先生が幼女の姿から元の姿に戻り、頭を下げて謝った。俺の心配はいらなかったか。


「ほら、どうするんだザイザル? こんなS級美少女達にお願いされる事なんてもう一生ないぞ?」


「そんな事言われたら断る理由がないじゃないですか。私も皆さんの事をもっと知りたいので……一緒に食べさせてもらいます」


ザイザルは少し恥ずかしそうに言った。


「じゃあ皆で食べよう!」


楓がザイザルと俺の手を取り俺とザイザルを引っ張った。


「ちょっと楓引っ張る力強過ぎ!」


「本当です! カエデ様力強過ぎです!」


それでも引っ張る力を弱めない楓。


「「あっ……!」」


そして、俺とザイザルは仲良く転んでしまった。


「ガハハハハ! 今回の主役が転んでるぞ!」


スキンヘッドの人のせいで俺達が転んでいる事がバレ、周りにいる者たちから笑われてしまった。

もちろん楓達も笑っている。恥ずかしくて死にそうだが、この幸せの時間がずっと続いて欲しいそう思う気持ちで心がいっぱいだ。たが、その心の中の片隅にアークの言葉が忘れられない。今夜0時屋上で待っている……か。

何があるか分からない恐怖……それが今唯一の悩みだ。



ーー23時50分ーー



宴は楽しく盛り上がり、楓が普通の人間と変わらい対応で接している事から少しは皆から信頼を得た。

だが、まだ楓を信用していない人は多く今後の活躍で信頼得ようと作戦会議で決まった。

そして、ザイザルは宴の途中酒豪のお姉さん達に絡まれどこかに連れて行かれてしまった。そして、俺はアークとの密会をするために楓達にトイレに行くと言い本当にトイレに行き、その帰りに屋上に行く事にした。

そして、俺は上昇下降(じょうしょうかこう)(ぐも)に乗り屋上に行った。

そして、上昇下降雲を降り少し遠くの方にアークが居ることを確認し、そこまで歩いて行った。


「0時丁度か……流石だな」


俺がアークの目の前に着いた瞬間ダイン前線にゴーン、ゴーン、と大きな鐘の音がした。

これは6時間毎に鳴るチャムの様なものだ。


「で、俺に何の用だ? 早く帰らないと楓達が心配するから、早く戻りたいんだが?」


俺はアークの元に行く途中で自分の周りを少し確認した。今立っているこの場所は道、周りには何もなくただただ、広い場所だ。

そして、アークはその真ん中にロングソードを地面に刺す様な形で立っている。まるで今から俺と戦う様な……。


「君に決闘を申し込みたい。腕試し……いいや、君の実力を知っておきたい。君達ともし共闘する時がくるのであれば、君の強さをを知っておきたい。これを知っておかなくては君達との共闘はありえない」


断りたい。だが、ここで断ったら後々困るだろう。アークの強さは本物だとさっき誰かが言っていたような気がする。

本当に強いなら今後の魔王討伐に関しての、重要人物になるだろう。


「いいが、俺は弱いから本当に手加減してくれ」


「そんなに謙遜しなくていい。君の実力はあの魔法で知っている」


いや、本当に弱いんだよ! と心の中でツッコミつつ、このまま戦ったら勢いで殺されかねないと思い、頭を悩ませているとアークが口を開いた。


「決闘の前に、君の職業を知りたい。僕の推察だが、あの魔法の威力なら君の職業は全能魔法使い(マスターウィザード)だと思うんだが……違うか?」


「いや、違う俺の職業はリトルだ」


「リトル? あの最弱職業の? ……そうか君の職業は『特殊職業(ユニークジョブ)』か。

だから嘘をついたんだな? 嘘をつくならもっと適当な職業言う事だな」


勘違いが激しいよ!こいつ凄いドヤ顔で言ってるけど間違ってるから!

もう、アークの勘違いは楓達が正してくれないとどうしようもならないな。


「黙っているということは正解と思っていいのだな? なら、僕もちょっと本気を出して戦おうじゃないか!」


久しぶりに本気を出せる! みたいな感じの顔をしないで!? 俺死んじゃうから!?


「じゃあ、行くぞ?」


勇者がジャンプをしながらそう言った。

いや……もう後に引き返せない。俺が瀕死になったら幸先生にまた回復させてもらうか。


「僕の二つ名は《運命の勇者》!」


「俺の二つ名は無い!」



勇者がロングソードを手に取り俺と睨みあった。もう……戦うしか道はないか……。

俺も自分の剣を手に取り勇者に向けた。

そんな中俺はこの状況に酷似している場面を思い出した。地球で見たアニメだ。勇者は大抵強い。そして、勇者に対して俺はモブキャラ。俺があの時見たアニメでは、勇者がモンスターの懐にはいり一気に胴体を真っ二つにする。それを見た記憶が頭の中をかけめぐった。

そして、俺は一か八か後に飛び跳ねれば助かるんじゃないかと思ったので後に飛んでみた。そして、飛んだ次の瞬間……。


「移動速度低下魔法を掛けないので不思議に思いましたが……まさか魔法無しで私の剣を避けきるとは流石だ」


俺が居たところに一瞬で移動したアーク。そして、剣を俺が見えないぐらいの速さで横に振った。俺とアークとの距離は1m弱。

アークが剣を振ったからだろう、さっきまで風が全く吹いてなかったのにいきなり猛風が吹いた。俺は冷や汗が止まらず、足がガタガタしている。やはり死ぬ……という恐怖は本当に恐ろしい。

だが、俺は震える足を気合で止めた。

俺が足の震えを止めている間に、アークは後に飛び俺との距離をとった。


「…………」


2人に静寂訪れる。そんな中、愛地は頭をフル回転させた。今この状況をどうすれば切り抜けられるかを。そんな中、愛地の視界に1つの髪の毛が落ちてきた。これを見た瞬間、愛地は思い出した、チャラ神の言葉を。

確か……髪に力を込めると凄い事が起きると言っていたな。俺はそれを信じ落ちてきた髪の毛を瞬時に取って力を込めた。

そうすると髪の毛がピン! と立った。

……絶望。そして、俺は思わず髪の毛を空へ投げ捨てた。そして、それは真っ直ぐと空に飛んでいき……


「……えっ!?」


パリンと気持ちいい音がした。空に投げた髪の毛は、いつの間にか空に移動していたアークのロングソードに当たり、ロングソード真っ二つにした。

アークが予想していなかった事が起こったため、アークはストンと、音を鳴らし地面に着地した。そして、アークは絶望した顔をした。


「僕の……聖剣がぁぁぁぁぁぁ!?」


そう言いながらアークは膝を地面に付き、顔を上に向けて叫んだ。だが、その行動は運命を狂わせる物だった。


「アーク! 避けろ!」


愛地が思わず言った事。アークはその言葉の意図が分からず、顔を空に向けたまま横目で愛地の方へ見た。

そして……次の瞬間。


「グチャッ!」


トマトが潰れた様な音がした。愛地は顔を真っ青にした。

吹き飛んだ聖剣の剣先が勇者の額にに刺さったのだ。そして、アークは地面に倒れた。


「アーク! 大丈夫か!?」


愛地は走って倒れているアークの元に行って体を揺らした。


「大丈夫……だ……。俺のスキルで……一命は取り留めてい……る。だけど。石ころの一つでも当たったら死ぬけどね……」


弱々しい声だった。


「分かった! だからもう喋るな! 今すぐ幸先生を呼んでくる! 絶対に死ぬなよ!」


勇者の額からは今もまだ、剣先が刺さっていてそこから血がドバドバ出ている。

剣先を取った方がいいのか、取っちゃダメなのか分からない。だが、先に幸先生を呼ぶ事の方が大事だ。


「何で助けてくれなかったんだよぉぉ!?」


俺がアークから立ち去ろうとした瞬間、上昇下降雲がある方面から奇声が聞こえた。

そしてビー玉ぐらいなにかが飛んできて、アークの頭にぶつかった。


「グオファッ!」


そして、それに当たったアークは血を口からありえない程の血を吐き出した!

そして、アークは死んだように意識を無くした。


「アーーークゥゥゥゥゥゥ! 死ぬなぁぁぁ!」


俺がアークの体を揺らしているなと、こちらに走って来る者がいた。


「アイチさん、どうしたんですか!」


月の光に照らされて出てきた者はザイザルだった。暗くても顔が赤いのが分かる。

お酒をいっぱい飲んだのだろう。

そして、あの奇声そしてあの声はザイザルだ。そして、叫んだ後石が飛んできた。

これを繋げると……。

いや、今はそんな事を追求している暇はない。アークの事が第1だ。


「色々あって、アークが瀕死なんでどうすれば助かる!?」


「いやこれはもう、死んでますよ!? 何で剣先が頭に刺さってるんですか!? 早く応急処置をするので手伝ってください!?」


ザイザルが慌てる様に言ってきた。


「分かった!俺は何をすればいい?」


「まず、剣先を取らないと魔法も掛けられません! 剣先を勢いよく取ってください!」


「分かった!」


そして、俺は額に刺さっている剣先を勢いよく抜いた。

そして、ザイザルは手のひらをアークの体に向けて魔法を放った。


「『五分間(ファイブミニッツ)の命(ゾンビ)』これで5分間だけ人間のままで仮死状態になってますが。5分過ぎるとゾンビになります。

だからその間にこの人を生き返させないと、勇者のゾンビとなります。

テレポートをしてサチ様の所に行きたいんですが、もう魔力がないので後は任せます……」


そう言いザイザルは倒れてしまった。魔力が無くなったからだろう。

猶予は5分……上昇下降雲を使って幸先生の所に行くのにも5分以上はかかる。

さぁ……どうするか。

後、3万文字で合計10万文字いくのですが本当に10万文字まで長すぎる。この小説を書き始めて早半年以上。まだ10万文字いってないのに恋愛小説が書きたくて思わず設定を考えちゃう。

そして考えたもの全てドロドロ系のお話。私はドロドロ系のお話が好きなんですよね。あれ? この小説ってドロドロ系じゃないですよね……しかも今回の話、愛地達凄い幸せそうですね。その関係を壊したい、もっともっと主人公を不幸にさせたい。そして幸せになってもらいたい。私の思考回路って変だなとつくづく思う。


長話しすぎました。アークと、ハルの容姿を今後書く事がないのでここで書かせてもらいます。


アーク︰金髪の頭に紫の毛がちらほらある。目の色は茶色。白銀の装備を着ている。そしてドラゴンの模様や妖精の模様が、彫られている聖剣を持っている。

イケメン。


ハル︰髪は腰まであり、髪の色は黒色。

目の色も黒色。

真っ黒な刀を持っており、刀身も真っ黒、微かに龍の模様が刀身に彫ってある。鞘も真っ黒で刀を抜かない時は常に包帯みたいな物を巻いている。

おっぱいは無いに等しいがちょっとある。

美人系

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