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あれから何日か経ち私と司もだいぶ打ち解けてきた、と思う
司は(さん付けすると嫌がるので呼び捨てすることにした)23歳で事故にあい亡くなったそうだ
それからは幽霊としてこの世をさまよっていた
なぜだかわからないが天国へは行くことが出来ないらしい
「未練があるから、とかよくいうけどさ。その未練が何なのかすらわからないんだよね」
そんな自分に初めて声をかけてくれたのが佳奈なんだ、と嬉しそうに言っていた
司と私は殆どの時間を私の部屋で過ごしている
誰かに見られたら、見えてしまったらよくない気がして一緒に外に出る勇気がないのだ
今日は学校でこんなことがあった、友達とこんな話をしたって一方的に私が話すだけで司は笑顔で聞いてくれるけど彼は本当に楽しいのかな…
「ねぇ司」
「ん~」
「今度の休み、どこかいこっか」
司の顔がパッと明るくなる
「行く!行く!絶対行く」
目がキラキラしてる、こんなに嬉しそうな顔をする司を初めて見て佳奈も嬉しくなった
さあ、司とどこへ行こう