〜プロロロロロrrrrrrrグ〜
「…魔王、貴様、何をしている。」
どうも皆さん、魔王です。
ええ、悪の化身、諸悪の根源、魔王様です。
俺は今、勇者に追い詰められています。
「見てわかりませんか?土下座ですよ、DO GE ZA。」
そう、何を隠そう、私は人間の勇者に対して土下座をしています。
「…。」
勇者の仲間たちが、ゴミを見るような目で見てくる。
そんな目で見ないでほしい。
「魔王よ、何を企んでいる。」
「何も企んでいません、ただ地面に頭を擦り付けて謝罪しているだけです。ごめんなさい。」
「謝ったところで、お前に殺された他数多くの冒険者や苦しめられた多くの人達はお前を許さないぞ。それに私もお前を許さない。」
ごもっともな意見でございます。
「許さなくて結構なので、見逃してください。」
「こんな奴さっさと倒して帰ろうよ。」
勇者の仲間の女の1人がそう言った。
黙っていてほしいものだ。
てゆかまずこの勇者なんなの、いきなり人の家乗り込んできて、暴れまわって、失礼極まりない行為だ。
それに顔がイケメンだからかなんなのか、周りに女の仲間ばっか、なんか腹立ってきた。早く帰ってくんねーかな。
「スミマセン勇者さん、そのお仲間さん黙らせて貰っても構いませんか?あと、それと何を悩んでるのか知りませんが、もう謝ったので帰って頂けませんか?」
俺は顔を上げながら勇者にそう言った。
「もう魔王引退しますので、その手続きしなければいけませんのでお引き取り願います。」
俺は立ち上がり、勇者達の方へ歩き出した。
そして、勇者達が戦闘の構えを取ったところで俺は窓に向かって走り出した
「ふははははは!馬鹿め!戦闘なんてするわけないだろー!勇者のバーカ!窓から逃げればお前達は追ってこれまい!お前なんか死んでしまえ!」
だが、日頃の行いが悪かったのか、俺が普段着ない鎧を着たせいなのか、窓に辿り着く前に、転んだ。
「…。」
勇者達がくすくすと笑いながら俺を見ていた。
俺は何事も無かったかのように立ち上がり窓に手を掛けた。
「ふははははは!さらばまた会おう愚かな人間達よ!次会った時は
「しね、魔王」
俺は言葉の途中で勇者に背中から切られた。
勇者の癖に、背後から攻撃とは卑怯な。
俺は死にました。