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第6話 動揺

俺は、コーヒーを飲みながら考える

この夢は本当に何だろうか・・・と


先ほどから頬を抓ってみたりと

何とも王道なやり方で目を覚まそうと

何度も試みてみたのだが、さっぱりと効果がない


『はぁ・・・一体如何したものかな』


俺は途方に暮れてしまう・・

だが、今考えても解決策など

浮かぶわけもなく・・・


『あぁーっ!!もう止めだ止めだっ!!

 考えても何にも浮かばんっ!!』


頭をガシガシと掻き毟った後

俺はふと、とある疑問にたどり着く


『そういえば周りが森になっていたって言ってたけど

 今この国って何処に位置しているんだ?

 知っている場所なら安心なんだがな・・』


何故、今までこの疑問に至らなかったのかはサッパリと分からないが

一度疑問に思ってしまうとまるで噴水のように疑問が湧き出してくる

しかし、この俺の疑問に答えてくれる人物は今此処にはいない


『・・まぁ、今出来る事をするしかないか』


ぱしっと軽く頬を叩いて気合を入れなおした俺は

執務室という普段ゲームの中では使う事がなかった・・否

使う必要が無かった部屋へとワープで移動する。

元々ゲームでは、執務室は完全な飾りの部屋のようなモノで

玉座の間で今まで執務も報告も全てを済ませていた俺は

この日、初めて執務室へと足を踏み入れたのだった。


『ほー、コレが執務室か・・・何だか無駄に豪華だな』


初めて踏み入った執務室に対する感想がソレだ

こんな所に使う必要があるのか?という場所にも贅沢に宝石や金が散りばめられ

何ともチカチカと光るソレの輝きは目に全く優しくない


『目が・・・疲れる』


いっそこの宝石や金を引っぺがした方がいいのでは?

何て俺は一瞬考えてしまったものの、それはさすがに駄目だ

執務室だけ質素という統一性に欠けるのも如何なものか


『さて、アイツに仕事してもらうかな』


無駄に豪華で座り心地は最高な椅子に腰掛けた俺は

便利機能から呼び出しコールを選択する

この呼び出しコールというものは、守護団長達のような

国の要となる特定のキャラクターを呼び出すためのものである


俺は、呼び出しコールから“ケオルガ”と表示されたコマンドをタッチする

“ケオルガ”とは、第6守護団の団長であるいつも眠そうな

ぼけぇとした表情の青年の事である


『あっ、そうかさっき第6守護団には別れた時に

 国民への食料の配布を命じたっけ?すっかり忘れてたな~』


うっかりしてたと頭を掻くものの俺は、少し考えて


『まぁ、食料の配布なら他の守護団にも出来るし

 第6守護団を此方の仕事の方を優先させるかな』


もともと第6守護団は、密偵や探索を中心とさせた守護団なのだ

俺だって意味もなく守護団を作った訳ではない

それぞれの守護団にはしっかりとした存在理由があるのだ

そして、俺が何を第6守護団にさせたいのか・・それは

“国の外の状況と他国の存在の確認”である。


このセルドリア王国のすぐ傍に知らない他のプレイヤーの王国があったりすると

それは、厄介極まりないことである。何故ならその状況は

不可侵条約も結んでない為、いつ攻め込んできても可笑しくはないのだ

国や国民を守る為には何よりも優先して調べなければ成らない事であった。


呼び出しコールを鳴らし数秒たつと


「はい 陛下 俺 ケオルガ 用件 何 ?」


何とも眠そうな声が聞こえてくる

しかし、この区切り区切りの単語だけの

言葉遣いは如何にか成らないのかな?

すっごく聞きづらくてならない


『あぁ、ケオルガすまないが、執務室まで来てくれ

 少々話したい用件があるんだ』


「了解 陛下 俺 直 行く」


簡単にそれだけ言うとピッと会話を切られる

・・・・・何だかアッサリ過ぎてつまらないな~


『さて、ケオルガが来るまでコーヒーでも飲むかな』



まぁ、のんびりしてる奴だし

来るまで時間が掛かるだろうと思っていた俺は

娯楽メニューからコーヒーを選択しようとする・・・と同時に

  コンコン ・・・ドアがノックされたのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・

〔リヴァンからコールが来たときのケオルガ〕


「・・・ん ? 誰 ?」


先ほど陛下に国の現状報告をする為に呼び出しされたばかりだと言うのにまた

ケオルガの前には、呼び出しを現す表示が目の前に浮かび上がった。


「俺 めんど 無視 する」


めんどくさいという理由から見てみぬフリを

しようとするケオルガだが、ふと目線だけちらりと見た

自分にコールして来た人物の名を見て文字通り飛び上がる

ソコには、見間違う事などある筈もなく


〔リヴァン陛下〕


その名もケオルガには大切な至上のお方からのコールであったのだ

その名を見た瞬間、ケオルガは常人には指先すら見えないであろう速さで

コールが映し出されている画面をタッチする。


「はい 陛下 俺 ケオルガ 用件 何 ?」


リヴァンには、ただ眠たそうとしか聞こえなかった声が

実は、ケオルガにとって喜びに満ち溢れたものであることを

リヴァンは知らない・・いや、知る由もないのであった。


その後、リヴァンからの用件を聞き

ケオルガが普段の眠そうな姿からは想像もつかない程

凄まじい勢いで走り出した事はいうまでもない。



もう少ししたら守護団に関する

この国の重大な秘密?が出てくる

予定ではありますw

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