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第5話 不安【SIDE:リヴァン】

後半です!お待たせしました^^

おいおいおいおいおいっ!

ちょっと待てって今コイツ何言いやがった!?

国の周りが全て森に!?嘘だろ?

そんなクエスト今まであったか?

いやいやっ、ソレよりも国民だっ!

俺が手間暇かけて増やして来た国民達はっ?

全滅とかしてたら俺泣くぞ!・・いやマジでっ!!


『グウェラ・・・国の外に出ていた

 狩りをしている民はどうなっている?』


今ソレが一番聞きたい!一番重要だよ!!


「国外へと出ている民は

 城壁の傍で倒れていたため

 保護しました。全員の生存が確認されています」


『では、国の外の湖や川の傍で

 生活していた奴らは無事か?』


「はい、国内の様々な場所で

 倒れていましたが守護団が保護しております」


『・・・そうか・・無事か・・』


その言葉に俺は、肩の力をふっと抜いた

俺の努力の結晶(国民)が無事ならいいんだ

国民増やすのってすっごい大変なんだからな~

住人をたった数人増やすのに一週間掛かる事もあるし

その一週間の間に戦争やら病気やらでどんどん人口が減るから

全然増えずに減る一方だしな


ふと俺は、考え事を止めて

俺の目の前で跪いている7人を見る・・・すると


・・・えっ?何そのちょっと潤んだ目

イケメンがやってても可愛くないんだけど

何ともキラキラした目で此方を見てくるイケメンな奴らに

驚いて俺はついつい席を立ち上がってしまう

するとその瞬間に何か期待をした目に切り替わる目の前の奴ら・・


・・コレ、俺が何か言わなきゃいけないの?

俺は、如何しようか数秒悩んだ後

周り森になってるしこの変な夢が終わるまでは

こいつ等の為に動いてやらないとな~位の軽い気持ちで言ってしまった。


『守護団団長全員に命じる

 今、この国は不可解な出来事に巻き込まれている

 そして、民はこの状況に混乱し苦しんでいる

 このような現状を見逃してはならない

 直ちにこの混乱を収めるために

 各守護団が全力を尽くせ』


ちょっとカッコつけた言い方がコツですよと

俺は、内心でつぶやいておく

まぁ、コレぐらい言っておけば王様らしく見えるんじゃないかな?

俺はやりきりました感を醸し出し守護団長達を見た・・だが

目の前の守護団長達は突如立ち上がると俺の玉座を見据え


「「「はっ!リヴァン陛下の仰せのままに!!」」」


体育系の男子たちも真っ青な素晴らしい大音量で叫び敬礼をする

・・・・あれ?何その言葉?

俺別にそんな言葉は設定してはない筈だけど


内心おろおろする俺に守護団長達は

何か決意を新たにするような目つきで見てくる

・・・えっ?俺何かしないといけないの?

一先ず頷いておこう、言葉掛けるより何か

そのほうが王様らしいもんな、そんな浅はかな考えで

俺は、コクンと軽く頷いておいた。


守護団長達がどこか満足そうだったので

どうやらその行動で正解のようである。


その後、報告が終わり守護団長達と別れ

ワープという便利機能で簡単に部屋へと転送された俺

一先ず落ち着こうと俺は、豪華な宝石がコレでもかと装飾された椅子に腰掛け

娯楽メニューから“コーヒー”の選択をする

すると、目の前の机にはホカホカと湯気が上がる美味しそうな

コーヒーが、存在していた。


この機能は使えるのか・・夢だから使えないと思った

この便利機能にある娯楽メニューといのは、プレイヤーを飽きさせない

運営のちょっとした対策の一つだった。


この〔クリエイトワールド〕では、国作りゲームの癖に

仮想現実による味覚の再現が他のゲームよりも数段上手であった。

この味覚の再現によってこのゲームでは、他のゲームよりも

より味の繊細さが再現する事が出来るため

“美味しいモノが食べられて仮想現実だから太らない!!”

そんな運営の甘い言葉につられて多くの女性が参加した時期もあった。

・・あまりのゲームの大変さに疲れて辞めていったモノも多かったのだが・・


まぁ、言ってしまえば国が大きくなり国で栽培できる農作物により

様々な食べ物がメニューから制作できるという事である。

しかし、ただ栽培するだけではないその栽培された農作物のレベルにより

自然とメニューで制作できる料理の味も変わってくるのだ

Lv1とLv100の料理では生ゴミと宮廷料理ぐらいの差が出る

俺の国である〔セルドリア王国〕は、Lv100コーヒー豆を作ってもいるため

コーヒーの味はとてもよい、絶賛出来るレベルである


俺は、静かにコーヒーを飲み始める、するとそこには普段感じる事のない

複雑な旨みというのだろうか?何処か普段は感じない美味しさが口一杯に広がった。


・・・うん何時も通り美味しい・・だけど何処か違う・・


コーヒーを口から離しよく観察してみるものの

その色も匂いもゲームで見るものと全く変わらない


・・よく出来た夢だな


俺は、コーヒーを飲みながらふと思う

しかし、俺は何処か理解し始めていた。

此処が、決して夢ではない事を・・・・でも


『一体如何したらいいんだよ』


夢だと思わなければ俺は耐えられない

目を閉じて俺は小さく呟いた。



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