第四章 察し(高次編)
「ったく、なんなんだよここわ…」
俺は考えこんでいた。
白い髪の毛をわしゃわしゃと掻く。
墓の前にいた俺に女がなんかしやがった。
そこからの記憶が曖昧だ。
俺は今公園のベンチに座っていた。辺りはすっかり真っ暗である。
俺が目を覚ましたのは今から30分ほど前のことだ。目が覚めたら俺はこの公園から少し外れたところにいた。公園の時計を見ると19:20である。
高次はここ、この世界がどこが異様な臭いがすることを感じ取っていた。なにか様子がおかしい・・・気がする・・・。
とりあえず周りを探索しようと俺は立ち上がった。公園からでる。
公園からでたところに地図があったので俺はそこへ目を向けた。
「・・・なんだこれは」
字がおかしい。日本語じゃない。
「あの女俺に何をしやがったんだ糞が。眠らせて海外に拉致でもしやがったのかぁ?それにしては雰囲気が日本の感じなようなそうでもないような・・・。お?」
高次は目を細めた。一箇所、いや一文字だけ地図で読める文字がある。
「C・・・?」
確かにそこには「C」と書いてあった。
書いてある場所的に地区かなんかを表すのか?
っていうかここは外国かやっぱり?
「あーいみわからんなこりゃ。」
少し歩いて行くと少し大きな通りにでた。
人も普通に歩いている。高次は少し安心した。
車やバスも普通に走っていた。
歩いている人は顔的には普通に日本人のように思える。
タクシーが走っていたので俺は手を挙げてタクシーを捕まえた。
中に乗り込み運転手に尋ねる。
「ここは日本のどこだ。」
運転手は怪訝そうな顔をしたが、
「東京C地区南西部ですよ。どちらまで?」
C地区・・・さっきのCってこのことか?しかしさっきの文字はいったい・・・。
日本語は通じてるから日本なのは間違いない。しかもここは一応東京らしい。
「1番近い駅まで乗せてってくれ。」
「じゃあシャクト駅まで行きますね。」
「・・・そこでいいよ。」
変な駅の名前だな、と思いつつ俺はそこまで連れてってもらうことにした。
車のドアを閉め席に座る。車が発車した。
俺は外の景色を眺めていた。
やっぱり何か様子がおかしい気がする。
建物の雰囲気、通行人が着ている服、車のデザイン、俺の知っている物と少しどこがが違う。
俺は外を眺めるのをやめ前を向いた。
ふと車のバックミラーに目を向けると運転手と目が合った。
運転手はすぐに目を逸らした。
こちらからは運転手の表情がよく見えない。
「お客さんは」
運転手がいきなり話しかけてきた。
「どちらにお住まいで?」
「・・・」
俺は正直に答えては行けない気がした。もしホントのことを言ってしまったら大変なことになる、そう高次の直感が言っていた。
「シャクト駅の近くに住んでる。」
俺はそっけなくそう返事をする。
「・・・そうですか。」
運転手もどこかそっけない。やはり顔はこちらからは見れない。
「そういえば」
また運転手が話しかけてくる。
「最近またスピカが暴れているようですね。」
「・・・マジか。」
適当の話を合わせる。
「ええ。次元センターの支部がまた一つやられたとか。」
「ふーん。」
次元センター・・・・ねえ・・・
俺はまた外を眺めていた。空は真っ暗である。
少しずつ大きな建物も増えてきた。空は真っ暗なのに建物の光はとても明るい。
人も仕事帰りのような人が多くなってきた。
「どうやら奴らの狙いはタイムマシンっていう噂ですよ。」
もう俺は返事をしない。
嫌な予感しかしない。
どいつもこいつもタイムマシンタイムマシンうるせえんだよ。
流行ってるのかやっぱり?
俺は前席シートの後ろに入ってる新聞を取り出した。
日付けを確認する。
・・・・・・
ふーん
・・・ふーん
・・・・・・・・ふーん
「マジか。」
高次はそこで・・・
ニヤリとした。
焦りがあるのは否定できない。
しかし俺はどこか心の底でこの状況を楽しんでいた。
なんなんだよこれは。
しかしなんとなく状況はわかってきたぞ。
あの墓場で会った女のせいかやっぱり?
前を向く。運転手とまた目が合った。
「どうしました?」
運転手がまた話しかけてくる。
「調子でも悪いですか?」
今度はばっくみらーに写った運転手の顔がハッキリと見えた。
運転手は目を細めていた。
目がこえーよおっさん。
「いや、そんなことはない。」
俺は何も動じていないよう振舞った。
やばいこれは面白いことになりそうだぞ。
「はやく駅まで連れてってくれ。」
運転手は何も返事をしない。
それにしてもさっきまでのことが全て繋がってきたぞ。
変な文字、変な街並み、服装、雰囲気・・・・
数年たつとここまで変わるものなのだろうか。
しかしここは日本なのは間違いないようだ。
しばらく乗っているとさっきよりもさらに人で賑わってきた。
駅が近いのだろうか。
「もう少しで着きますよ。」
俺はこれからのことを考えた。
とりあえず家に帰りたいが・・・
この夜の中.。
俺の家は果たしてあるのだろうか。
「着きましたよ。」
大きな建物の前にタクシーは止まった。
俺は駅の建物をもう一度見た。
明らかに俺の知っている駅のそれとは違う。
「金は」
「5600円です。」
たけーな、と思いつつ俺はポケットから財布をだす。
持ってきていてよかった。
俺は1000円札を6枚だし、タクシーの運転手に渡す。
タクシーの運転手が言った。
「このお金はなんですか?」