ひかる、キレる
「このあいだはごめんね」
登校中、ひかるがみかに謝る
「ほんと、ごめん・・・的場さんも、ほら、ちゃんと謝って!」
と言ってひかるがてんをにらむ
・・・てんがぺこりとおじぎをして
「ごめんですぅ~」
と、とても反省してないように謝る
「・・・あ・・ま・・とにかくホント悪かったって思ってる・・だから・・・」
と言いかけたとき、みかが言った
「もう、やめてくれるかなー、こういうこと」
「え?」
「あなたたちがどう思ってるか知らないけど、わたしはあなたたちのこと友達と思ってないから、
だからもうやめて、もう二度と家にこないで!もう話かけないで!」
と言うと二人を置いてすたすた歩きだした
そのうしろすがたにひかるが叫んだ
「なんでそうな態度しかできないの!」
みかが立ち止まる、しかし、ふりかえりはしなかった
その背にひかるが続ける
「あなたはそう思ってるかもしれないけど・・わたしはみかのことよく知ってる、一年の時は勉強も
すごくできたよね、わたしより成績がよかった、友達もたくさんいたし、みんなともよく話す明るい子
だったよね」
「・・・・・」
「なにがあったの?なんで?教えてくれてもいいじゃない!なにもできないかもしれないけど、チカラに
なりたいのよ、ほっとけないの!」
「・・・・・」
みかは立ち止まったまま・・・なにも言わない・・・が
二人を置いて歩き出した
・・・・しばらくだまっていた二人だが・・・てんがぼそっと言った
「原因は・・・あのお母さんよね・・」
「うん」とひかるがうなずく
そして小さな声で言った
「絶対、このままにはしない・・・」