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ずっとずっと、好き。  作者: るうあ
ずっとずっと、好き。本編以後の小話
18/38

玉響 -たまゆら-

 昼下がり、秋色が次第に濃くなってゆく庭に、明るい陽がさしこんでいた。

 カッカッと、そよぐ風をせかすかのように鳴る拍子木が、空に響く。

「もっと肘を伸ばして! 剣は水平に! 足はなだらかに移動させて、もたつかせない!」

 紅玉色の髪を風になびかせ、凛然と立っている女の口から、激しい叱咤の声が飛ぶ。

 女の厳しい目線の先には、王女と騎士がおり、剣をかざしていた。

 剣術の稽古であるが、演舞である。

 赤みをおびた金の髪を汗に湿らせているのは、王女リアネイラ。

「はい」と応えることもできないほど息を乱し、指示されるままに身体を動かしているリアネイラは、しかし苦しげな様子はなく、活力が琥珀の瞳に溢れ、生き生きと輝いている。

 そしていささかも顔色を変えず、憶えたとおりに身体を動かしているのは、騎士セオドアスだ。淡い柔らかな金の髪は風に乱れていたが、呼吸は乱れることがない。

 セオドアスは、神経を研ぎ澄まし、細心の注意をはらって、剣先を移動させている。指導者の言葉に忠実に従いながら、なおかつリアネイラの身体を気遣っていた。

 リアネイラが振りかざした細い剣の切っ先が、鋭い剣筋を日の光を反射させつつ、なだらかな弧を描いていく。

 セオドアスの振り落とした剣は地上すれすれの位置で風を制し、舞いに重みを与えている。

 ぎこちなかった二人の動きは、修練を積み重ねていくごとになめらかで淀みのない動きに変わっていった。やがてひとつの「舞い」として昇華してゆくだろう。

 リアネイラとセオドアスの動きを眺めながら、舞いの伝授者は満足げな笑みを浮かべた。






 リアネイラは、些細なことで悩みやすい。悩みといっても、他愛ないことがほとんどなのだが、本人はいたって真剣で、一途に解決を求めようとする。

 リアネイラの悩み相談(愚痴なども含まれるが)の相手は、もっぱら侍従のキィノだ。

 幼馴染みのキィノは、王女という身分あるリアネイラに、さほど畏まった態度はとらない。女官長である母のハンナには窘められるのだが、キィノは笑って、「今さら無理だよ」と軽く受け流してしまう。

 リアネイラは、現国王の息女である。庶子ではあるが、王族に連なる娘であることは国王自らが認め、保護下に置いている。

 だがリアネイラは、王女である以前に、年頃の、多感な娘なのだ。

 音楽を好み、また嗜むことの深いリアネイラは、その豊かな感性ゆえに、思い悩むことが多い。

「どうしたのさ、リィラ?」

 私室の隅、出窓に椅子を寄せて座り、リアネイラはぼんやりと外を眺めては、ため息をつく。どうやら長いことそうしていたらしい。キィノは苦笑し、それからいつもの朗らかな声音で、リアネイラに声をかけた。

「深々とため息ついちゃって。今度は何を悩んでるわけ?」

 キィノは決して深刻ぶらない。

 リアネイラの気分をさらに落ち込ませないための配慮でもあったが、元来、明朗闊達で、屈託のない性格のキィノだ。「どうしたのさ」と問う声は軽く、明るい茶の瞳には、少しばかりからかうような色がある。

「ん……悩みっていうか……」

 リアネイラはキィノが用意してくれた紅茶を受け取り、まずは一口飲んで、唇と喉に湿りを与えた。

「たいしたことじゃないんだけど、……どうしようかなぁって思ってることがあって」

 紅茶はまだ熱い。リアネイラは、カップを小窓の縁に置いた。

「どうしようって、何が、どうしようなわけ?」

 キィノはさらに訊いた。

「またセオさん関係?」

 リアネイラの悩み事といえば、今は婚約者になった、騎士セオドアスのことだろう。キィノはそう言って笑った。

 リアネイラの頬が、ほんのりと色づいた。

 いつもそうだ。

 片恋をしていた時と変わらない。……いや、変わらないどころか、恋が実ったことでさらに気恥ずかしさが増したのか、過敏な反応を示す。

 そんなリアネイラが可笑しくて、可愛らしいとキィノは思っている。それはたしかに男としての感情ではあるが、恋愛対象としてのそれではなく、まるで兄が妹を思うような感情だった。

「セオさんと何かあった?」

「そんな……何もないよ。そうじゃなくて……けど、でも、ちょっと、そうかなぁ……」

「どっちなんだよ?」

「んー……実はね」

 話は、数日前に遡る。


 それはリアネイラの誕生日のことだった。

 国王陛下御自ら、ごく私的な水入らずの会食の場を設けてくれたのだ。まだその頃は婚約者ではなく護衛役でしかなかったセオドアスも、会食に加わった。

 その会食の場で、父王が何気に訊いた。

「セオドアスに剣術を習っているそうだな」と。そして、ぜひその腕前を披露してもらいたいものだと、さり気なく付け足した。

 国王にしてみれば、何気に訊き、ほんの少しリアネイラとセオドアスをからかった程度のことだったろう。

 が、リアネイラはそれを心にかけていた。

「あのセオが指南してくれた剣術なんだから、どれほどの腕前になったのか、興味あるよね」

 セオドアスの剣術は、騎士らの中でも抜きん出ている。国王主催の勝ち抜き戦の剣術の大会で優勝した過去もある程だ。

 そのセオドアスの手ほどきを受けているのだ。それなりの剣術使いになっているのではないかと国王が期待するのも無理はない。国王自身剣術を好み、その腕前も際立って優れている。

 それゆえ、剣術を習い始めたリアネイラをさらにく思った。もともとリアネイラが活発な娘であることを知っているからなおのことだ。

「だから父様にセオから教わった剣術を披露したいなって思うんだ。けど、どうやって喜んでもらえるのかなぁって……」

 なるほど、生真面目なリアネイラらしい悩みだ。

 練習しているところを見せればそれで済むんじゃないか、とは思わないようだ。

 それじゃぁ詰まらない。もっと見栄えのする、楽しい演出があった方がいいのではないかと考えるあたりは、旅楽団の一座に、亡き母ともども世話になっていた影響があるのかもしれない。芸を見せることに関し、リアネイラは多少なり気を遣う。

 つまり、それがリアネイラの悩み事だった。


 キィノは適度に口が軽い。

 口外するなと言われれば、口を噤んで沈黙を守る。だが、口止めされなければ、自己判断で話題に上げる。

 侍従という立場を弁えつつ、リアネイラの幼馴染みとしての心情から、セオドアスに対しては口が軽い。

「オレ、リィラには筒抜けですからね」と念を押すように言っているキィノだが、逆に、リアネイラのことも筒抜けにしているところがある。むろん、言葉は慎重に選んでいる。というよりも、贔屓目が入っている。キィノは常にリアネイラの応援者だ。

 リアネイラの相談役のキィノは、自分の力だけで解決できないことは、周りに助力を請う。この点で、キィノもリアネイラに劣らず生真面目な性格といっていい。ただ解決方法を見つけるのがリアネイラよりは早く、リアネイラのためであることを理由に、遠慮をしない。

 キィノはリアネイラの悩み事を、早速セオドアスに打ち明けた。

 ことを打ち明ける場所と時を、キィノは計っていた。

 キィノは、午後の明るい陽射しの下、屋敷の門前にいたセオドアスに話しかけた。最初はリアネイラとは関わりのないことを話し、その後からいかにもさり気ない風を装って、軽く、「ああ、そういえば」と、付け足した。

 セオドアスは忠義心の厚い騎士だ。国王陛下の名が挙がるだけで畏まってしまう。実直なセオドアスらしい、反射的な反応だ。

 しかし、そう大仰に考え込むようなことではないだろうとキィノは判じている。国王陛下の性格を理解してのことだ。リアネイラの気持ちを考慮してのことでもある。

 リアネイラは、「国王陛下」におもねろうとしているのではない。純粋に、「父親」に喜んでもらいたいと思っているのだ。しかし、国王という立場は看過できない。

 そういうことを、キィノは言葉の端々に入れて、セオドアスに相談を持ちかけた。

「そうか……――」

 セオドアスは、答えあぐね、しばし黙り込んでしまった。

 実のところ、キィノはさほど期待していなかった。セオドアスにも関わりのあることだから、一応訊いてみた、という程度に過ぎなかった。

 セオドアスは諧謔もそれなりには通じ、軽口をたたくことも稀にはある。物堅いところも多分にあるが、頑迷な性質ではない。が、いささか不器用で、羽目をはずすといったことはおよそしない。あるいは最初から、はずす「羽目」がないのかもしれない。

 が、うまくしたもので、リアネイラの悩みを解決してくれる人物が、セオドアスの傍にいたのだ。

 セオドアスの同僚である騎士が、

「それなら俺にうってつけのツテがあるぜ? こっちにも都合がいいことでもあるしな」

 と言い、話を持ちかけたきたのだ。

 セオドアスの大親友(セオドアスは認めたがらないが)である青年騎士は、名をカイヤと言った。紅玉色の赤毛が目を惹く、大熊のような体躯の青年だ。いかめしい顔をしているが、気さくで社交的な人柄で、セオドアスとは同年である。出身は、遠い西方の国だ。

 身上については、「話せば長いことながら」と、カイヤは面倒くさいのか、話を濁すことが多い。しかし詳しく聞きたがれば、おそらく長々と昔話をしてくれるだろう。

 カイヤは、今でこそ国仕えの騎士になっているが、複雑な(と、これも本人曰くだが)事情があり、家族ともども各地を放浪していた前歴がある。

 カイヤには、姉がいる。

「姉のリーファは、剣舞の舞い手なんだよ。で、その継承者をほしがってる」

 その「剣舞」というのは、カイヤの一族に伝わってきた芸能であるらしい。実技的な剣術ではなく、祭事的な剣舞なのだという。

「先祖伝来の剣舞を廃らせてしまうのはいかにも惜しいって、リーファは伝授できる者を探してるんだよ。俺もリーファも血統にはさほど拘らない性質でね。それにもともと一子相伝の秘術ってわけでもないし。だから、一族の人間ではなくとも、剣舞を伝授するに相応しい人間なら、伝えたいと思ってる」

 カイヤは、リアネイラなら舞いを伝授するに相応しい者だと判じていた。二度三度、セオドアスとの練習風景を見ただけに過ぎないが、リアネイラの音感、反射神経、身のこなしの軽やかさは、目を瞠るものがあった。

 話をまとめにかかろうとするカイヤに対し、セオドアスは困惑顔をし、一度はとめた。遠慮もあった。その遠慮はリアネイラにもあり、

「ありがたい申し出だけど、本当にいいんですか?」

 と、心配げな顔をして、繰り返しカイヤに尋ねた。

「もちろん。姉は既に承諾しております。あとはリアネイラ姫とセオドアス次第です。ただし、…………」

 カイヤはニッと口の端をあげて笑った。いかつい顔が、いたずら小僧のような表情になる。

「受けるのであれば、それなりに覚悟はなさってくださいよ? 姉は芸に厳しい人ですからね」

 リアネイラとセオドアスは目を合わせた。

 ここでまたセオドアスは戸惑った。覚悟を決めねばならぬほど厳しいのなら、自分はさておき、リアネイラには無理なのではないか。無理なのではないか、というより、無理をさせたくない、というのがセオドアスの心情だった。

 が、リアネイラは決断した。迷ったのはほんの一瞬だった。

「ぜひお願いします!」

 琥珀色の瞳をキラキラと輝かせ、嬉々とした声をあげたリアネイラを見、セオドアスは苦笑した。




 こうして、リアネイラとセオドアスは、二人してカイヤの姉リーファから剣舞を習うことになった。

 なるほど、カイヤが言ったように、剣舞の修練はなかなかに厳しかった。

 カイヤの姉リーファは、リアネイラが王族の娘だからといって、必要以上に畏まったり、へりくだったりはしなかった。初対面の時は慇懃な態度をとったが、剣舞の練習時には、芸の伝授者たる矜持を持ち、剣舞の「師」として相対した。カイヤが言うところの「姐御気質」らしいリーファは、年若く素直な王女に好感を抱いたようである。

「セオドアス殿のおかげだね。基礎がしっかりしているから、教えやすい。呑み込みが早いのは彼女のもともとの性質のようだけど」

 リーファは腕を組み、満足げに言って、隣にいる弟に話しかけた。弟と同じ紅玉色の髪は後頭部でひとつに束ねられている。こげ茶色の瞳は、拍子木に合わせて剣を振り、流している二人の「弟子」を見つめ続けている。

「新年には間に合うかな?」

 カイヤに問われ、リーファは口角を上げた。「大丈夫だろう」と答え、一瞬だけ考え込んだ。

 剣舞いの名は、『瑞鳥の舞い』という。『瑞鳥の舞い』は瑞祥を招く剣舞と言われ、新しき年を祝い、讃える二人舞いだ。

 現国王の治世を言祝ぐのに適う剣舞であることが、リアネイラを奮起させていた。



 リアネイラとセオドアスがリーファの指導を受けるようになって、ひと月が経つ。

 たったひと月の間で、これほどまで上達したのは、リーファにとっても意外なことだった。セオドアスの剣術の腕前は知っていたが、リアネイラの上達ぶりは、予想外だった。むろん、まだまだ完璧とはいえない。だが、新年の祝賀には、完璧に近いところまではゆくだろう。

「僥倖というべきだろうね。私にとっても、この剣舞にとっても。この舞いは、天地へ捧げる祈り。祈りの本質を知るリアネイラ姫であればこそ、『瑞鳥の舞い』は意味を持ち、昇華させることができる」

 リーファのこの言をカイヤから聞いたリアネイラは、頬を赤らめて、恐縮した。

「わたし、まだまだそんな……。リーファさんにそんな風に言ってもらえるほど、全然上手く舞えなくて」

「そんなことはありませんよ、リアネイラ姫。第一リーファは世辞なんて言いませんよ? 芸事には厳しいですからね。そのリーファが認めている以上、舞い手としての資質は十分にあるってことです。それに」

 カイヤは朗らかな口調で先を続けた。

「リーファが、こうも言っていました。あの二人組みの舞いは、相方との相性が舞いの全てに影響する。つまり、その相方と息が合っていなければ完成しない舞いだと。あの舞いは、信頼し合い、絆の深い関係でいてこそ、舞える。道理でしょう? 互いに剣を持ち、背中合わせに立ち、つかずはなれず、舞いという形を紡いでゆくわけですから」

「…………」

 リアネイラは真摯な顔をし、こくりと小さく頷いた。

「で、セオドアスとの心の繋がりにも、リーファは感嘆していました。私の故国では、そうした絆を持つ二人、とくに男女をさして、『比翼の鳥』と言うんです」

「比翼の……鳥?」

「そう。雌雄が常に一体となって、互いにその翼を重ねあって飛ぶ鳥の、仲睦まじい様を譬喩ひゆした言葉です。あの舞いも、そうでなくてはなりません」

「はい」

 リアネイラは頬を紅潮させ、力強く応えた。

 カイヤは目を細め、真剣な眼差しを向けている王女を見やった。

 セオドアスが、王女という身分にある娘に心を揺り動かされ、恋に落ちてしまったのは、正直なところ、カイヤには意外だった。しかも、リアネイラ姫はセオドアスより、十も年下だ。

「身分の差もある上に、年の差もありまくりか」

 呆れた……というより、感心したくらいだ。

 セオドアスは、情動的な男ではない。むろんあくまで表面上は、であるが。

 セオドアスは忠実で義気があり、王女を娶り政界に躍り出ようとする野心はいささかも持たなかった。

 そのセオドアスが、まさか「王女」と婚姻を結ぶことになるとは。カイヤが驚いたのも、無理からぬことだ。カイヤだけではない。セオドアスと親しく付き合っている騎士達は一様に驚いた。むろんその反応は冷ややかなものではない。僻みや妬みのこもった視線をセオドアスに向ける者もいないではなかったが。

 リアネイラの住む屋敷を警護する衛兵等から、リアネイラが長年セオドアスに片恋をしていたことは、聞いた。だがそれでも、カイヤが知るセオドアスであれば、拒み続け、あるいは気づかぬふりをし続けただろう。

 しかし、二人の舞いを見ているうちに、カイヤは得心がいった。

 なるほど、この王女ならば、と。

 ――この王女の純真無垢な、そしてひたむきな眼差しを向けられたとあっては、セオドアスも心に打っていた楔を、はずさざるをえないだろう。いや、気づかぬうちに、楔はゆるゆるとはずされていった、というのが正しいのかもしれない。

「セオドアスは果報者だ」

 カイヤの揶揄に、リアネイラは「え?」と、小首を傾げた。なんとも愛らしい琥珀色の瞳を瞬かせて。






 そして……――


 新春の真白き光が、初々しげな二人の舞い手を照らし出している。

 リンと、鈴の音が軽やかに響く。剣が空を切るごとに、銀鈴が鳴る。

 躍動的な鼓の音と艶麗な笛の音が、異国の旋律を奏でていた。舞いの調子を整える拍子木が踏み鳴らす足音に重なり、衣擦れの音が上がる呼気をさらりと流し、気を高揚させてゆく。

 二人の舞い手は、かざした剣を触れ合わせることなく、喨々とした楽曲にあわせ、ひたむきに舞っている。清雅な剣舞は浚い風のように、鋭く鮮烈なものだった。

 白を基調とした衣装の「天の瑞鳥」の舞い手は、王女リアネイラ。

 青と黒を基調とした衣装の「地の瑞鳥」の舞い手は、騎士セオドアス。

 国王陛下の御前で祝賀の舞い、『瑞鳥の舞い』を披露する二人は、息を呑むほどに美しい。

 国王陛下をはじめとして、祝賀の会に招かれた宮廷貴族ら全員が、陶然とし、圧倒される思いで二人の織り成す剣舞を見つめていた。

 それはまるで、リアネイラとセオドアスの絆そのものだった。

 天と地、そして生ける者すべてへの愛重と礼賛を描き出すように、剣をかざし、流しては、とめる。

 二人は無心に舞い続け、想いを紡ぎ合わせてゆく。ふと視線が重なれば、微笑を交し合う。心を灯す温かな想いを、信じ、慈しみ、溶けあわせてゆく。光と音が弾け、清々しく、朗らかに、空へ響いていた。

 リアネイラとセオドアスの剣舞は、二人の「愛」の形をも、象らせていった。

 そして、その二人を引き合わせ結びつかせた、リアネイラの父であり、国の父でもある国王は、「天の瑞鳥」と「地の瑞鳥」の舞いを、満足げに見やっていた。

 

 君達に幸多かれと、祈りながら。


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