表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

生贄システムと西瓜とあたし

「スイカを食べろ〜!!」

「嫌だァァ」

あたし、西村舞(にしむらまい)は村の人の誘いを断りながら走っている。

あたしの実家自体も田舎なんだけどたまの帰省だから普段と違う道で行ってみようと意気込んだ結果迷子になった。

まあそれでと"西爪村(せいそうむら)"にきてるんだけど、そこがまさかまさかの、因習村? ってやつにそっくりなんだよね。

つーかさ、スイカって西瓜だったよね漢字違くね?

なんかこの村では『スイカを食べると神の御使いになれる』とのことで毎年生贄に選ばれた人が食べるもの……みたい?

理由は五百年以上前、村の飢饉の時一つのスイカを植えたら飢饉が無くなりその上誰も飢えないほどスイカが出来たため神の救いと考えた村長が『天上の神々に我等からの使いを出そうぞ!!』となってからなんやかんやあって今まで生贄システムが残ってるっぽい

「まあそんなこんなで、あたしが今年の生贄に選ばれそうになってるんだよねぇぇぇ!!」

「贄じゃねえ、御使い様だ!! ありがたく思え特に美しい男女一組しか選ばれねえだ。ワシだって選ばれてぇが、スイカの種様はおまさんを選んだんだ。ええからとっととスイカを食べんか羨ましい!!」

「だったらおばあちゃんが食べれば良いじゃん!!」

あたしが言うとおばあちゃんは悔しそうに

「嫌味かアホンダラ!! 七十年前にワシは選ばれんかったようろうが!!」

あたしはおばあちゃんが選ばれなかったことが気になって正直に

「いやいやおばあちゃんなら選ばれたはずでしょ……おばあちゃんの七十年前の姿って、こんな感じでしょ」

スラスラスラッ

ここであたしの趣味の絵で想像っちゃ想像だけど、おばあちゃんの七十年前の姿をスマホに描いてみた。

挿絵(By みてみん)

「じゃじゃ〜ん、見てみておばあちゃんどう?」

「おっ、そっくりじゃな!! あの頃はよく『遥子(はるこ)はかわいいけどやっぱり二番目だよね』なんて言われて……ワシが二番じゃと!? 思い出すだけでも腹が立つ!!」

え?

七十年前の可愛さで二番って、そもそも今ですら可愛すぎるってのに

いや、それよりあたしが生贄ってことは一番なの!?

……あたし死ぬってこと?

一番を決めるなら

「あのさ、おばあちゃん村の人集められる?」

「それなら任せるんじゃ!!……というかスイカ食べるんじゃボケナス!!」

おばあちゃんは文句をいいながら村の人を集めた。

ザワザワ

「ねえこの娘スイカに選ばれた娘だよね。良いなぁ、私も選ばれたい」

あたしが村の人を集めた理由……それは!!

「んんん、み〜んなぁ、今から『西爪村ファッションショー〜目指せスイカみたいに外見と中身みたいな美しさ!!〜通称スイカ杯を開催したいと思います!! ちなみに一番になったとしても生贄システムは今回限りで廃止ってことでオケ?」

挿絵(By みてみん)

ブーブー

大多数のがブーイングをしているなか一人の女の子が

「わ、私やってみたいです!! それにスイカは美味しいらしいから実は食べてみたいです」

そういうと若い子たちは

「そうだよな、村の外の学校行ってたらスイカは美味しいとか夏には毎年食べるってやつら多いし」って反応しててちっとばかし嬉しい

おじいちゃんやおばあちゃんたちは反対している人が多いが最初にあたしを追いかけたおばあちゃん……確か遥子さんだったよね?

「ンンあんたらじゃかあしい!! スイカの種様が決めたお方が変えようとしちょるんじゃから……全員で一回やってそっからボロクソ文句を言うじゃぞぉぉぉ!!」

そしてあたしと村の人たちはファッションショーをやることになり結果的には生贄システムはなくなった。

そしてスイカ杯は西爪村での毎年の恒例行事となり、テレビ局まで来るレベルになって……いやぁここまでなるなんて想像すらしてなかったよ。

「さてさて、第六回スイカ杯を開催しま〜す!! 準備はいいかぁぁぁ!!」

一同「うおおおおおお!!」

案外迷子になるのもいいかもって思っちったえへへ


おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

因習村ってあまり見たことないので、こういうので合ってるのか分からなかったので分からないなりに書いてみました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ