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魔法と剣のダリア球  作者: 澪
第一章 ダリア球で生きて行く為の礎
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第八話 陛下たちと夕食


 国王の使者が屋敷に来て手紙を渡された。

 手紙を空けてみるとオーウェンとクリスタル宛に〚学院の監視カメラについて話がある。明日王城に来てほしい〛と書かれていた。


 王城の応接室で陛下とクリスチャン殿下、カールトン殿下、オーウェン、クリスタルは互いに軽く挨拶をして陛下の話に耳を傾けた。

「クリスタル城で見た、監視カメラの使用目的の優位性を見た。アラバスター学院に監視カメラ設置許可を出そう。今回の精神操作薬は危険と判断した。クリスタルの要請も学院長に話してある。クリスチャン、カールトン、オーウェン協力を惜しまぬように!」

「はい、ありがとうございます!」 「「「わかりました!」」」


「夕食を食べて行ってくれ。夕食までの時間親睦を深めておくとよい」

「はい」

 そう言うと陛下は笑いながら応接室を出て行った。

 クリスチャン殿下はカールトン殿下の耳元で何かささやき、

「庭園でも散歩しようか?」

「見てみたいです。クリスタル城の参考にします」


 ミスティーナ国は神聖の花としてダリアを大切にしている。王城では様々なダリアが咲いている。

 前世ではナポレオン時代に怖い意味を持つ裏切りや気まぐれなどの花言葉ができたようだが、システィーナ国には良い意味の花言葉だけ残っている。

 様々な色があるダリア、ダリア全般の花言葉は気品・優雅、白は感謝、黄は優美・栄華、澄んだピンクは国王のダリア、花言葉は乙女の純潔・乙女の真心、先王がとても大切にされていました。そのため、国王のダリアは王族でなければ栽培できません。

「国王のダリアは大きいですね。二階の窓からも楽しめそうです」

 クリスタルはクリスタル城のダリアが咲き誇っている様子を想像していた。

「庭師も大変だと思うよ。五~六メートルあるから」

「ほんときれい!」

「毎日見ているからなぁ、そうだろカールトン」

「僕は毎日美しいと思うよ」

「カールトンらしいな」

「そろそろ、夕食にいこうか」

 四人は庭園を堪能しダリアを後にした。



 夕食の席につく。

 最初に出てきたのは、ブルーテにウニとキャビアに似たもの、蟹とチーズを詰めたフリットに似たもの、スープ、海老と野菜のグリエに似たもの、グラニテ、フィレ肉のパイ包みに似たもの。

(グラニテがあるなんて冷凍庫あるのかな?)

「「クリスタル首席おめでとう!」」

「ありがとうございます。お兄様も首席でしたのに…未だ未だです」

「そう謙遜するな、我の息子たちを見ろ!」

 クリスチャン殿下とカールトン殿下は気にせず食事をしている。

「二位だからいいの! なっ、カールトン」

「父上も二位だと聞いていますよ。叔父上は首席、血筋ですよ」

 陛下とクリスチャン殿下とカールトン殿下は、仲良く笑い合っていた。(とても素敵な親子だな)と、見ていた。

 王位継承権一位のクリスチャン殿下

 王位継承権二位のカールトン殿下

 王位継承権三位のオーウェン

 こちらも揉めることなく仲良しである。


「食事はどうだ? 首席と二位の祝いをしたかったのでな! 特別に作らせた料理ばかりだ」

「とても美味しく頂いています。グラニテが出てきたので、氷を作れる物があるのですか?」

「グラニテ? それは何だ?」

「氷を削った料理です」

「シャーベットのことか」

「猛暑の年、魔法騎士団は、魔法で創り出した氷を魔道具で削り、飲み物や風呂に入れ涼んでいた。その報告が上がり、魔道具を献上させたということだ」

「魔道具でしたか。選択科目に魔道具科もいいですね、お兄様」

「必要ないじゃないか。創造魔法で創れるだろう」

「そうでした…」

「オーウェン、学ぶことは良いことだぞ」

 クリスチャン殿下はクリスタルが傷つかないよう配慮してくれた。

「クリスチャン殿下、カールトン殿下クリスタル城に遊びに来ませんか?」

「行く行く、行かせてほしい。見てみたかった」

「僕も兄上といつも話していたよ。どんな城か、オーウェン兄さんに聞くと「訓練場です」そればかりだ」

「素晴らしい城だった。余も次は仕事ではなく招待してくれよ」

「はい!」


 夕食会は穏やかな時間が過ぎた。フルーツを食べ終えると紅茶とお菓子を用意された。

「陛下、今からクリスチャン殿下、カールトン殿下の紋章をお借りして監視カメラを取り付けていいでしょうか? 学院の制服に紋章を付ける義務があるので入学前に付けたいのです」

「そうだな…頼むか…僅かな間、席を外すがよいか? スタンリー騎士試験のことで話がある」

「はい」

「クリスチャン殿下、カールトン殿下紋章持っていますか?」

 クリスチャン殿下は、

「部屋に置いてあるから取ってくるよ。カールトンも行こうか」

 カールトン殿下は頷いて、クリスチャン殿下の後を追った。


「お兄様疲れていませんか?」

「疲れてないよ。僕は幼い頃から友人枠で通っていた慣れかな。皆クリスタルと話したいと思って、静かに見守っていただけだよ」

「友人枠ではご迷惑をお掛けしました」

「良いよ、今は一緒に通っているじゃないか。それに、今は本当の友人だから」

「そうですね」

「話は変わるけど、僕が学院に通っている間、魔法習得はできたのかな?」

「はい! 光魔法―初級魔法、中級魔法、上級魔法、浄化魔法―初級魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法、を習得しました。週末に見てください」

「もうそんなに習得したのか! これは、負けていられないな」


 クリスチャン殿下とカールトン殿下が戻ってきました。

 クリスタルはクリスチャン殿下、カールトン殿下から王家の紋章を預かり、監視カメラを付けその裏に金属で出来た小さい板も付けた。金属で出来た小さい板は保存用である。



 場所を変えた陛下から、

「スタンリーよ。大概だな。大公家の人気は!」

「どういうことですか?」

「今回の騎士試験、ロイヤル騎士団・第一近衛騎士団・第二騎士団からも応募があったぞ」

「なぜです」

「ある者はスタンリー見たさに、ある者は姉や妹を嫁がせたいとオーウェン狙い、ある者はクリスタルを間近で見たい、嫁に来てくれないかと騎士試験に参加しているようだ」

「クリスタルは駄目ですよ。創造神様から許可を受けていませんから結婚できるかもわからないのですよ。絶対近づけないようにお願いします陛下」

「クリスチャンとカールトンは何しているのか。クリスタルを射止めることも出来ていないようだな」

「これからクリスタル城で訓練も始まり学院にも通い始めます。急がなくても心配ないでしょう。ですが陛下、クリスチャンとカールトンはクリスタルの事を妹と思っているのではないですか?」

「そうかのう? 余の前ではクリスチャンとカールトンはクリスタルの話を楽しそうに頬を染めているように思うが…」

「まぁ、見守っていきましょう。陛下」

「うむ」

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