第四話 属性魔法
私のお城はクリスタル城と命名しました。
オーウェンとクリスタルはクリスタル城に向かい、魔法・剣術の訓練をしている。創造神様から頂いた文献を参考にしながら魔法の訓練を始める。
「火属性魔法からはじめますか?」
「そうしようか!」
「はい、お兄様と一緒に成長していきたいです!」
「そうだな、僕たちならできるさ!」
「はい!」
「あの、お兄様のステイタスボード見せてもらっていいですか?」
「いいよ、オープン」
「お兄様創造神様の加護、創造神に期待されている者とあります! それに、称号は剣聖です!! お兄様は剣の道に置いて模範とされるべき人物ですよ。輝かしいですわ!」
「ありがとう。クリスタルにそう言ってもらえると自信がつくよ!」
「お兄様のステイタスボード見て思ったのですが、私も、物理攻撃耐性・魔法攻撃耐性・状態異常耐性は必要ですよね?」
「そうだね、やっぱり物理攻撃耐性・魔法攻撃耐性・状態異常耐性があるとなしでは安心感が違うから必要だよ」
「わかりました。早速、火・水・風・土属性魔法と物理攻撃耐性・魔法攻撃耐性・状態異常耐性を創ります」
「では、今日から一ヶ月は火属性魔法を習得していこう」
「はい!」
クリスタルはワクワクしていた。魔法を使うことができる喜びを抑えることができなかった。
(転生前にファンタジーアニメを見てきたクリスタルには魔法が使えるなど夢にも思わなかった。魔法が使える。魔法だよ!)
クリスタルは創造神様から授かったバリアを訓練場に展開した。
文献を見ながら、
「先ずは初級魔法のファイア。この魔法は極めると恐ろしい威力になるそうです。文献に載っています。これです。
魔力操作から始めますか?」
「ほんとだ。極めるとは濃密に圧縮された魔力か。魔力操作は訓練場でなくても出来るから、ファイア・ファイアボールを習得しよう」
「そうですね。わかりました」
私たちは初めての魔法ファイア・ファイアボールを魔力が尽きるギリギリまで放ち続けた。
「もう無理です。お兄様」
「僕も魔力量ギリだな。今日はここまでにして帰ろう」
初めての魔法は楽しくて張り切り過ぎました。少しふらつきながら馬車に乗り込んだ。
「クリスタル王子の友人枠で呼ばれているから、僕は宮廷に行ってくるよ。今日は一人で家庭教師と勉学、頑張るんだよ」
「はい、お兄様気を付けて」
クリスタルの寂しそうな顔を見て心が痛んだが、オーウェンは心を鬼にして宮廷に向かった。宮廷に到着したオーウェンはクリスチャン殿下とカールトン殿下と勉学に励む。
「オーウェン、クリスタルは来ないのか?」
「クリスチャン殿下、クリスタルは来ませんよ」
「カールトンも会いたいよな?」
「兄上そうですが、何か事情があるのではないでしょうか」
「カールトン殿下はわかっているなぁ。クリスチャン殿下もこのことは忘れて歴史を学びましょう」
(はぁ―、クリスチャン殿下はしつこいなぁ)
数日後、火属性魔法の中級魔法を習得します。
クリスタルは文献を見ながら、
「お兄様、中級魔法のファイアウォールは、炎の壁で閉じ込めてその壁を拡大・縮小することもできるイメージです」
「わかった。包み込んで燃やし尽くす魔法はないのか? ファイアウォールだと上に逃げられるから」
「そうですね…この文献には載っていません」
「そうか、後で調べてみるか。さぁ、始めよう」
二人でファイアウォールを放つと見事な壁が現れた。そのファイアウォールを拡大と縮小を繰り返しどこまでできるのか確かめた。
「お兄様、ファイアウォールは結構な高さもあって、拡大と縮小を早くできるようになるとかなりいい魔法だと思います」
「そうだな。拡大と縮小を自然にできるよう訓練しよう。…だがやはり心配だな……今考えても仕方ないか。クリスタル次の魔法は?」
「ファイアストームですね。ファイアストームは炎の嵐を呼び起こすイメージです」
炎の嵐を想像してファイアストームが成功したイメージをする。そして、ファイアストームを放った。炎の嵐が現われる。イメージは巧くいきました。二人はファイアウォール・ファイアストームを放ち続けた。くたくたになったオーウェンとクリスタルは転がるように馬車に乗り込んだ。
「お兄様、属性魔法には相性があると書いています。少なくとも全属性の初級魔法・中級魔法・上級魔法は学院に入学するまでに習得したいです。それと、結界魔法も属性によって習得できますよ。文献を見てください」
創造神様から頂いた文献をオーウェンに渡すと、じっくりと考えながら目お通している。
「クリスタル、明日まで本を貸してくれないか? 全属性の魔法と結界魔法調べてみる! さっき話していた包み込む魔法はないのか図書室で調べてみるよ」
「わかりました」
「剣術の訓練をして帰ろうか?」
「はぁいっ? 剣術ですか? 今、馬車に乗っていますよね」
……屋敷に戻り、夕食まで横になった。
訓練の為オーウェンとクリスタルはクリスタル城にいた。剣術訓練の後は魔法訓練です。上級魔法を扱えるように濃密に圧縮した魔力を身体に張り巡らせる訓練してきた。訓練の成果を見せる日です。
「借りていた文献を見て、僕はブレイズとエクスプロージョン。クリスタルはブレイズとクリムゾンノート。結界魔法はブレイズサークルどうかな?」
クリスタルに文献を返したオーウェンは自分が選んだ魔法のページを開けてクリスタルに見せる。
「ブレイズは足元に火柱を発生させるイメージ。エクスプロージョンは大爆発を起こし吹き飛ばすイメージ。クリムゾンノートは蒼い炎で焼き払うイメージ。ブレイズサークルは炎の結界、炎で囲うイメージ」
「他にも興味深い魔法は沢山あるけれど、いったん保留にして学院に入学してから学ぶことにしたい。いいかな?」
「はい、まだ最上級魔法を学びたいですから!」
「じゃ、上級魔法の訓練始めよう」
まず、ブレイズを二人同時に放つ……うまくいった。オーウェンはエクスプロージョンをクリスタルはクリムゾンノートを放つ。どちらも、凄まじい魔法である。クリスタルは少し身震いを感じた。さすが上級魔法!
二人は数回上級魔法放って、ブレイズサークルの訓練を開始する。ブレイズサークルも難なく達成できた。クリスタルは折角の機会だからエクスプロージョンも習得した。
「火属性魔法の初級魔法・中級魔法・上級魔法を習得しました。お兄様、お疲れ様でした」
「クリスタルもお疲れ様。よく頑張ったね! 僕は光魔法扱えないからクリムゾンノートは任せたよ」
「はい!」
「今日はここまでにして、提案だがクリスタル数日休息しないか。身体を休めてから水属性魔法を習得しよう」
「はい、あの、お兄様休息の一日頂けませんか?」
「良いが、何かあるのか?」
「街に行ってみたいのです」
「そうしようか。気晴らしになるな!」
……二人は上機嫌で手を繋いでコールマン城に転移した。
その足でオーウェンはスタンリーの執務室を訪ねる。
「父上忙しいところすみません」
「どうした。オーウェン」
「はい、クリスタルのことですが……」
「クリスタルがどうした?」
「あの、クリスタルの魔法威力では学院の訓練施設を壊してしまうのではないかと危惧しています」
「それほどなのか?」
「はい、それに付け加えて元々の魔力量360000から成長し続けています。理由はわかりませんが、僕もクリスタルと訓練を始めてから魔力量が増えています」
「なに? あり得ないだろう? そのような現象あるわけが……創造神様から洗礼を受けると魔力量は変わることがない。我が国の定めだった。クリスタルは神に愛される者としてこの世に生まれた。その恩恵をオーウェンにも与えているのだろうか?」
「わかりません。もし本当ならばクリスチャン殿下とカールトン殿下もクリスタル城で訓練を始めると恩恵を与えられる可能性があります」
「ふむ、」
「父上、クリスタル城とコールマン城はクリスタルが創り出したバリアなので安心ですが・・・」
「そっ、そうだな。明日にでも陛下に全てを話すしかないか」
「そのようにお願いします。クリスタルが学院を壊したと傷つかぬよう配慮して頂ければ……後はどうにでも……」
「うむ、クリスタルにバリアを張ってもらえばよいという事か……わかった」
休息を取り終え、お兄様とコールマン領の街に出かけます。コールマン領は治安がよくスラムもない。町並みは王都とさほど変わらない。今日は、防具・防具服を見ることと、剣の購入を考えています。
「お兄様おはようございます!」
「おはよう! 朝食が終わったら街に行こうか?」
「防具・防具服を見てみたいです。どの素材がいいのか? どんな付与がされているのか見てみたいです」
「ドラゴンの素材がいいんじゃないかな」
「ドラゴンですか? ドラゴンって本当にいるのですか? 竜とは言わないのですか?」
「火竜・水竜・風竜・土竜・白竜・黒竜・海竜がいるよ」
「水竜・海竜とはどう違うのですか?」
「水竜は湖や川に生息。海竜は海で生息。住処が違うだけで姿が違ったから分けたようだ。そのすべての竜をさしてドラゴンって呼んでいるかな」
「どの竜の素材が良いのかわからなくなりそうです。身体の成長が落ち着いたらお兄様とお揃いの素材で防具服作ります。付与魔法も使いたいと思います」
「楽しみに待っているよ! 練習に学院に入ったら制服に付与するといいよ」
スタンリーの紹介状を持って行くことにしました。お店の方に素材の説明を受け多種多様な魔法の杖、防具、防具服、ローブ、マントに付与されている魔法も教えてもらい、付与魔法の大切さを強く感じた。クリスタルは、店主と店内を見て回り、オーウェンとお揃いの防具服にはどの素材がいいかと聞いていた。オーウェンは楽しそうに話すクリスタルを見て(叶えてあげたい)と思っていた。暫くすると、クリスタルは剣が陳列されている場所に移動している。
「クリスタル、参考になったか?」
「はい、魔法の杖は使わないとダメなのでしょうか?」
「いや、魔法の杖がないと発動しにくい学生は使っているかな。僕たちには必要ない」
「そうですね」
「クリスタル剣はどうする? 僕は魔法と相性のいいミスリルにしようと思う」
「私もミスリルにします。先程、店主から「付与を考えているならミスリルをお勧めする」と、アドバイスをしていただきました」
「そうか、店主ミスリルを!」
「只今、ご用意させていただきます」
クリスタルの耳元に小さい声で、
「クリスタルが付与魔法創ってくれるだろう」
「はい、もちろんです!」
「よい剣ができそうだ!」
オーウェンは楽しそうに笑って言った。
「剣と鞘にオリハルコンも入れて、装飾してもらいませんか?」
「いいね! 瞳色の魔石も入れよう」
デザインは大公家の紋章に! オーウェンとクリスタルは自分たちの望みの剣と鞘が出来上がるのを楽しみにして帰った。
オーウェンの話を聞いたスタンリーは、陛下に会いに王城を訪ねた。
「陛下、お時間をすみません」
「構わん。弟に会えるのだ。お互い忙しくゆっくりと話も出来ぬ。昔はよく二人で話をしたな」
「つい先日のように思い出します」
「それで?」
「実はクリスタルのことです。教会に知られないように隠していましたが、クリスタルは転生者。称号に創造神様に愛される者として加護があります。洗礼で頂いたLv.60魔力量は360000今も増え続けています。魔法は創造魔法・空間魔法・光魔法、スキルにアイテムボックス腕輪です。創造魔法は何でも創れる魔法、限度はあるそうです。空間魔法はアイテムボックス・飛行魔法・転移魔法・時間魔法、光魔法は治癒魔法・浄化魔法・結界魔法・光攻撃魔法、これらはクリスタルの努力次第で特級や神級まで獲得できると創造神様と話したそうです。それから、クリスタルと訓練をしていたオーウェンですが、クリスタルから恩恵を受けているのかわかりませんが、魔力量が増えています。我の国の定説では洗礼から魔力量が増えた話など聞いたことがありません」
「…………」陛下は考え込んでいる。
「陛下……陛下! ……兄上」
「すまない。…スタンリーよ、教会に知られては聖女、聖女と騒ぎ立てるに決まっておる。だが、クリスタルは聖女として称号は持っておらぬ。安心してよい。しかし、おいそれと他国には嫁がせることはできなくなったなスタンリー」
「クリスタルはクリスタル城で一生過ごすと言っていますよ。創造神様の祭壇を創っていましたし、創造神様のお部屋は必要かと我に尋ねていました」
「創造神様と暮らすのか?」
「さあどうでしょう。創造神様だけが知っている……ですかね」
「ふむ、クリスチャンかカールトンと結婚してくれるとよいがの」
「そうですね。……そんなことより、クリスタルの魔法威力では学院が吹っ飛んでしまいます。何とかしてクリスタルにバリアを張らせないと莫大な費用がかかりますよ! ……あー、それは良いとして、クリスタルは直せますが、心が傷つくでしょう。……陛下クリスタルは転生前に何があったのかわかりませんが心に傷があるようです」
「傷がなぁ」
「はい、先の事を考えて、生きて行く為に商会を創り、コールマン城とクリスタル城の防衛に関しては王城よりも優れていると言えます。クリスタルの行動には、転生前の何か心の奥から出てきたものではないかと思います」
「そうか。では、傷つける訳にはいかないな! そうだな? ……王城の訓練施設で試してみるのはどうだ? 「老朽化が酷いようなら訓練場を創り直して欲しい」と頼むのはどうだ? 学院と王城の訓練施設は魔法騎士団がバリアを張っておるから強度は同じだ」
「その手で行きましょう。訓練場はクリスタルに任せていいのですね」
「よい、今よりもよくなるのだ。感謝しかないぞ。明後日オーウェンとクリスタルを連れて試してくれ」
「では、明後日」
スタンリーに頼まれごとをされ、顔に嬉しさを隠し切れないクリスタルは弾んだ気持ちになっていた。スタンリーとオーウェンはクリスタルが嬉しそうな顔をしている様子を見て、ほっと救われた気持ちになった。
「訓練場はここだよ。クリスタル」
「はい」
「クリスタル、オーウェンと魔法攻撃してくれないか?」
「その前に建物の外側にバリア張ります。瓦礫が飛ばないように」
「頼んだぞ」
結界魔法『バリア』
「お兄様、上級魔法で試しますか?」
「学院と同じ強度なら上級魔法で試してみよう」
「お兄様お先にどうぞ」
「エクスプロージョンで行くよ」
「私はクリムゾンノートにします」
火属性魔法『エクスプロージョン』大爆発を起こし中にあった訓練道具を吹き飛ばすと、訓練場に亀裂が走った。
「僕の魔法でも亀裂が入るね」
「そうですね。だいぶ老朽化しています」
「オーウェンお前まで魔法威力すごいじゃないか」スタンリーは驚いていた。
「では、私も行きます。その前にお父様とお兄様にバリアを」
結界魔法『バリア』
火属性魔法『クリムゾンノート』蒼い炎がでてきて奥に向かって放った。建物すべてを焼き払いクリムゾンノートを放った地面は液状化していた。
「お兄様の後に攻撃するとすべてなくなりました」
「うっ、えっ、え――、えっ」どこからか声が聞こえた。
振り返ると陛下が立っていた。
「おー、クリスタル流石に建て直すしかないな」
「そうですね陛下。かなり老朽化していたと思われます。この分では学院も建て直す必要があると思います」
「学院も頼めるか?」
「もちろんです。これでは入学試験で壊してしまいそうです」
「そ、そう見えるな」
「陛下ここの訓練場を創ってから学院に行って直しましょうか?」
「そうしてもらうか」
「はい」
創造魔法『訓練場』
結界魔法『バリア』
「陛下、付与魔法を扱えるようになったらバリアに強化を付与するために訓練場に来ても良いですか?」
「よいぞ」
入学試験までにどうにか訓練場を創り直すことができた。陛下とスタンリーとオーウェンは安堵したのだった。
数年たち、オーウェンは一足先にアラバスター学院に首席で合格した。オーウェンとクリスタルは、全属性魔法の初級魔法・中級魔法・上級魔法と属性の結界魔法を習得したのである。クリスタルはオーウェンと毎日訓練できなくなったことに、寂しくもあったが、陛下に全て話したことで王子達のお友達枠として王城に通う事になった。オーウェンとクリスタルの、これからの魔法習得は国と家族と仲間にとって必要な魔法を選択して学んでいくようになります。
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その頃、サウルはサロスと名前を変え王都にもアタニル商会を立ち上げた。サロスの商会は人当たりがよい人材を採用し、顧客を徐々に増やしていた。そして、念願のアラバスター学院に遂に商品を卸す許可が下りたのである。
(三年かかったがやっとステラを学院に入学させられる。ステラには働いてもらうぞ………王子を傀儡してくれよ……ケッ、ケッ、ケッ)サロスは人間味のない不快な表情で笑っていた。
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