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魔法と剣のダリア球  作者: 澪
第一章 ダリア球で生きて行く為の礎
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第十三話 カメラの映像


 クリスチャン殿下、オーウェン、カールトン殿下、クリスタルの四人はなるべく一緒に行動することにした。四人で居られなくてもクリスチャン殿下とクリスチャン殿下の護衛二人とオーウェン、カールトン殿下とカールトン殿下の護衛二人とクリスタルで行動した。そして、学生たちが支配薬の影響を受けていないか観察することにした。


 入学して四か月半が立ち長期休暇になる前にカメラのチェックをします。クリスチャン殿下、オーウェンは魔法科二年Sクラスを担当、カールトン殿下、クリスタルは魔法科一年Sクラス担当、一斉に学院内の監視カメラの映像を確認している。私達は魔法科一年と二年の映像を調べます。最初に魔法科一年の映像が流れてきました。

「Sクラス、Aクラス、Bクラス、映像を見る限り不安はなさそうですね。最も人数の多いCクラスはどうでしょう?」

 Cクラスの映像がながれる…………

 一人の女子学生を庇うように数人の男子学生が盾になっているように見える。対面には多数の女子学生がいる。男子学生が対面の女子学生達に少し荒っぽく叫んでいるようです。対して女子学生達は一人の女子学生に何か言っている。


(録音機能が欲しいですね。録音機を創ってCクラスに仕込みたい)


 四人で顔を見合わせクリスチャン殿下は、

「一人の女子学生が誰なのか調べよう。学院長にも報告を! 数十人の男子学生は薬の効果が現れてないか? どうだ?」

「クリスチャン殿下、カールトン殿下、お兄様見てください。一人の女子学生と男子学生の目を…」

 カールトン殿下が、

「虚ろな感じに見えるね」

 オーウェンは、

「あの女子学生も操られているように見えないか? ……自分は学院長に報告し女子学生を調べてもらおう」


 カールトン殿下は、

「学生たちを鑑定しようか」

 クリスタルも、

「私も協力します」

 クリスチャン殿下は、

「それはいい考えだな。映像に映っている学生を鑑定しよう。カールトン、クリスタル頼めるか? ルーカス、ルーク男子学生と女子学生はどんな理由で揉めていたのか聞き込みを頼む。僕は魔法科二年のSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスの映像確認は僕がしよう」

「「ハッ」」

「それにしても、もう侵食されていたか…」

「兄上クリスタルと鑑定に行ってきます」

「無茶はするなよ」

「「はい」」


 クリスタルたちは軽く考えていたのかもしれない。数十人もの被害者が既に出ていた。学院を守ると誓ったのに、言いようのない、悔しさが込み上げる。


 カールトン殿下とクリスタルはCクラスに向かう。

「離れた所でも鑑定できるから心配ないね」

「そうですね」

「CクラスはSクラスからかなり離れています。あれっ、カールトン殿下、騎士科・政治科・貴族科・商業科・薬師科・外交科のCクラスもあります。こちらの校舎はCクラス専用なのでしょうか?」

「ほんとだ! 知らなかった。Cクラスの学生たちの映像を見ても見覚えがないと思ったよ」

「私もそう思っていました。交流がなかったのですね」

「カールトン殿下! いましたよ! あの男子学生、映像に映っていました」

「映っていたな! 鑑定してみよう」

『鑑定……………支配薬に侵された体』

「私も!」 

『鑑定……………支配薬に侵された体・記憶障害』

 カールトン殿下は支配薬に侵された体クリスタルの鑑定は支配薬に侵された体・記憶障害だった。早速クリスチャン殿下のもとに向かう。


 王族室に入るとクリスチャン殿下から、

「話を聞こうか」

 カールトン殿下とクリスタルは目を合わせ頷くと話し始める。

「兄上鑑定の結果、支配薬に侵された体と鑑定しました」

「私の鑑定は支配薬に侵された体・記憶障害」

 クリスチャン殿下は、

「本来の薬名は支配薬であったか。しかし、記憶障害とはどういうことだ」

 クリスタルは、

「支配薬を解くと記憶障害になるという事でしょうか?」

 カールトン殿下、

「そうだと思う。飲み続けた者は支配薬を解いても廃人になる」

 クリスチャン殿下から、

「侵された体は元には戻れないほど身体に害があるのだろう。後遺症として………」


 その時オーウェンが王族室に入ってきた。

「オーウェン何かわかったか?」

「名簿で確認したところ、平民ステラ、ベリサリオ領出身で登録されていました」

 クリスチャン殿下は、

「早速、平民ステラとアタニル商会について調べようか。カールトンとクリスタルは学院長に鑑定結果の報告を!」

「はい、兄上」

「行って来ます」

 クリスチャン殿下とオーウェンは魔法科二年のSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスの映像を確認して問題がない事に安堵した。

 カールトン殿下、クリスタルが王族室に戻ってきた。

 クリスチャン殿下から魔法科二年の全クラスは問題が無いと報告された。

「明日からは、支配薬に侵された学生達をどう救うか会議をする」

 とクリスチャンが宣言した。



 学院長が監視カメラを持って入ってきた。

「クリスチャン殿下、騎士科・政治科・貴族科・商業科・薬師科・外交科の全Cクラスに虚ろな学生が多数見つかりました」

「なんだとー! 魔法科Cクラスだけではなかったのか?」

「全Cクラスに蔓延しています。最初教師たちはただの反抗期だと思って軽く考えていました。最近になって虚ろになっていく学生を見て支配薬を飲まされていると思ったようです」

「なぜ、早く言わなかったのです」

「今日検査することが解っていたので、そのままにしていたようです」

「馬鹿な! 何度も飲み続けるとどうなるか説明してくれましたよね? 廃人になるのですよ!」

「えっ、えー、操り人形のようになることは説明しました」

「学院長、軽く考えてましたね」

「申し訳ありません」


「とにかく映像を確認しましょう」

 騎士科の映像から確認する。定期的にステラが騎士科に現れお茶会を開いていた。クッキーをお茶菓子として皆に与えている。他の政治科・貴族科・商業科・薬師科・外交科・貴族科・商業科・薬師科・外交科も同じようにお茶会を開いていた。

「お茶とクッキーに支配薬が入っていると思っていいだろう」

 とクリスチャン殿下は言った。

 学院長も、

「そう思います」


「騎士科の映像を見ているが、行動も徐々におかしくなって、支配薬を求めてステラに会いに来ています。ほら、ほぼ毎日映像にお茶を飲む姿が映っている。……ステラは壺を持って使用人のところに行っているな。あれは壺を交換しているのか? ……お湯か。茶葉を入れている。あの大きな壺も撤去してくれ」

 とクリスチャン殿下が言うと、メイソンが直ぐ行動した。


「政治科もです」とクリスタルが、

「貴族科も同じく」とオーウェンが

「商業科もです」とカールトン殿下が

「薬師科も」と学院長が

「外交科もです」と副学院長が

「魔法科の女子学生は警戒して飲んでいませんね」と担任が言った。

「しかし、殆どの学生が飲まされているな」


 映像を確認して王族室で会議を始める。メンバーはクリスチャン殿下、カールトン殿下、学院長、オーウェン、クリスタルである。クリスチャン殿下が進行する。

「ステラがC校舎の学生に支配薬を飲ませていることはわかった。そして、ステラの近くにいた魔法科の男子学生はクリスタルの鑑定結果では『支配薬に侵された体と記憶障害』と鑑定された。

 学院長アタニル商会とステラを調べてくれましたか?」

「はい、アタニル商会の会長はサロス、会長のサロスがステラを引き取ったのは三年前、三年間でアラバスター学院に入学させろと家庭教師を頼まれた者がいました」

「サウルとアタニル商会の繋がりは掴めぬか。ステラとサウルの繋がりは皆目か。学院長、引き続き頼む」

「はい、それから実は、アタニル商会はアラバスター学院に出入りしています。他の商会より品質の良いものを納品し信用していました」

 クリスチャン殿下が、

「なにぃー!? アタニル商会はアラバスター学院に入り込んでいたのか! なるほど……アタニル商会についてはこちらでも調べることにしよう」

「今は、支配薬に侵された学生を薬から解放してやることだ。クリスタル頼めるか?」

「はい!」


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