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友情の証3

ホームルームでも授業でも魔王はなにもしない。ただ椅子に座って時間が過ぎるのを待つのみだ。


この日のホームルームもそうだった。

出欠の確認などしない。長いこと空席が続いていることには気づいていたが、それが誰なのかすら知らなかった。


「先生、沢田くんはいつ登校するんですか?」


だから生徒のひとりからそんな質問が出たとき、魔王は「沢田とは誰だ」と聞いた。


「沢田蓮くんですよ。ほらそこの」


生徒が指差したのは窓側の一番後部にある席。魔王が担任になってからずっと空いていた席だ。


「どうして休んでいるのかずっと気になってるんですけど」

「気にしなければいい。そのうち登校するだろう」

「引きこもってるって噂があるんですけど」

「それも本人の自由だ。他人がとやかく言うことではない」

「でも、気にならないんですか」

「なにがだ」

「沢田くんは霊剣部のエースですよね」


それを聞いた魔王は昨日の霊剣部でのやりとりを思い出した。


「それはおかしいな。わたしは昨日、本多という別の人間をエースとして紹介されたのだが」

「沢田くんと本多くんは実力が同じくらいだからですよ」

「ふむ、二大エースというわけか」


そこまで言ったところで、魔王はひとつの矛盾に気づいた。


「いや、待て。それはおかしい。確か魔法の練習は三年になってからのはずだ。二年の沢田という生徒がエースになれるはずがない」

「下級生でも部活は入ることはできるんですよ。部活程度ならと容認されているんです」

「となると、その沢田という生徒は一年の時にすでに実力を認められていたということか。なぜそこまでの人間が休んでいる?」

「沢田くんはいじめられて引きこもってるって噂なんですけど」

「なんだと」


これには魔王も激しく反応せずにはいられなかった。魔王は卑怯なことは許せなかったからだ。


「誰にいじめられた。そいつをいますぐ殺してやろう」

「こ、殺す」


そのとき、ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴った。一時限目の教師がまもなく入ってきて、魔王は教室を出ることになった。

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