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何故か気付いたら、神でした‼  作者: 紅 花蓮
第一章:魔王令嬢、旅に出る。
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第3話  魔王令嬢、スライムと契約する。

これからも、宜しくお願いします!!

あれから二日。

私は森の中を歩きながら、襲ってきた魔物を倒していた。

幸いにも、私を襲ってくるのはDランクまでの魔物で、苦労することなく倒すことができた。

そして今日、とうとう大問題が起きてしまった。

そう、道に迷ったのだ。

よくよく考えなくても、知らない森を歩くだけで 街につける理由はないのに。・・・・・・・・・・・・・・・

そして今、私の目の前には一匹のスライム。

皆さん、 今私が何をしようとしているか分かりますか?


道を聞いてみようとしているのです。


たまたま、敵意のない魔物でしたので。

私には魔物と意思疎通できる能力がありますから。

ではなぜ早く話しかけないのか。

理由は、単純明快。

箱入りだったため緊張しすぎて、 なんて話しかければいいのか分からないのです。

それ以前に、 スライムに話せるのかも分かりませんし…。

(えぇい。頑張れ私‼

こんな事で戸惑っている場合ではありません。

道に迷ってしまったのだから、 聞くしかないでしょう。)

と、自問自答を繰り返した。

そして、


『スライムさん。

聞こえますか?』


まずは、そう念話を飛ばした。

すると、


『聞こえるよ〜。

さっきから僕のこと、ずっと見てたけど、どうしたの〜?』


と、念話が帰ってきた。

まともであり、優しい感じの喋り方をするスライムに安心しながら、私は道を聞くことにした。


『私は、旅をしていていまして、町を目指しているのです。ですから、もし知っていれば町への道を教えていただきたいの。』


スライムは小刻みに何回か揺れた後、


『何となくでいいなら分かるよ〜。

ぼく、町の麓の所から来たし仲間があちこちにいて聞けるし〜。

よければ、案内してあげよっか〜?』


と、聞いてきた。

なんとも嬉しい提案である。

正直、教えられても無事にたどり着ける気がしなかった。そのため、案内してくれるというのは、とても助かることだった。

しかし、


『いいのですか?

さっきの話からすると、あなたはわざわざ町の麓のからこちらに来た模様ですし。

案内するということは、また町の方まで行くことになるのですよ。』


そう、ここが問題なのだ。

町の方まで行ったあとに、森の奥まで帰してなんて言われたら、何の意味もなくなってしまう。

それに、せっかく危険が多い町からこちらまで逃げて来たのだとしたら、それはとても申し訳ないと思ったのだ。

だが、そんな私の心配は次の言葉でいらなくなる。


『大丈夫だよ〜。暇で歩いていたら、ここまで来ていただけだし〜。ただね、他の魔物や人間から守ってほしいんだ〜。

ぼく弱いから、敵に見つかるとすぐやられちゃうんだ。何か、お姉ちゃん強そうだし、お姉ちゃんのそばにいる方が安全な気がするんだ。

だから、守ってくれるなら、案内するの〜。』


と、言って(念話)くれたのだ。

確かに、スライムは最低ランクのFランクの魔物。

敵に見つかれば、すぐにやられてしまうだろう。

しかし、私もさすがにスライムよりは強いが、とても強いという訳ではないので、ちゃんと守れるのがが怪しい。

だが、案内はしてほしい。

自分の中で、メリットやデメリット、守り切れる確率やこの森であった魔物の強さなど様々なことを踏まえ考えに考えた結果、


『分かったわ。

私もできる範囲であなたを守るから、町に案内してもらえる?

でも、さすがにAランクの魔物とかからは守れないからね。』


と、出来る範囲で案内してもらうことにした。


『分かった〜。

じゃあね、契約テイムしてほしいな。

そうすると、色々なことがしやすくなるし、契約された魔物だと分かれば、人間に襲われることも少なくなるから。』


契約・・・。聞いたことはある。

調教師テイマーと呼ばれる人間は、様々な目的から(目的に応じて)魔物と契約する。

契約された魔物は、主人の力に応じてその分強化され、また、攻撃転送や 意思疎通。

視覚聴覚共有など、様々なことが可能になる。

しかし、魔物は主に逆らえなくなるため、

自分から進んでしてほしいという魔物は普通はいない。

それをこんな簡単にしてもいいのだろうか。

いや、 私としては何の問題もないのだが、このスライムさんにとっては大丈夫なのだろうか。


『いいのですか?

契約とはそんな簡単にするものではないと思うのですが。』

『いいよ。

なんだかわからないけどね、お姉ちゃんといると安心するんだ。 お姉ちゃんのこと気に入ったから だから契約するの。』


なんて可愛い子なのだろう。

ここまで言われて契約しないなんて言う、そんな愚かな選択肢はもはや存在しない。

これはもうするしかないでしょう。


『では、いきますよ?』

『うん!!』


「我が名、マリアンヌ・フローレンスの名において命ずる。世界の法則に従い、我に従え。契約テイム!!!」


初めて行なったが、やはりこの言葉は何だか恥ずかしい。

少しだけ、魔力を消費した気がするが、まぁ問題ない範囲だ。

一方、スライムはというと、

嬉しそうにピョンピョンはねていた。

いや、表情は分からないというか、ないのだが、契約したことによりできた魂の繋がりから、喜びの感情が感じられるのだ。


『ありがとうお姉ちゃん‼

さっきより全然、力が湧いてくる感じがするんだ。

やっぱりお姉ちゃんは、すごい人だったんだね。

これから宜しくね。』


やはり、なんて良い子で可愛い子なのだろう。

確かに、雰囲気と魔力の感じからD+ぐらいのランクになっていそうだ。

凄い成長だ。

私にそこまでの実力はないと思うので、魔力の質がいいのだろうか。

やはり、魔王の娘は伊達じゃなかった。

今なら、出発前にお父様が言っていた事が、少しだけ納得できた。

良かった。

そう心から思えた。


『えぇ、宜しくね。

そうね。スライムさんって呼ぶのも変だから、名前をつけてもいいかしら?』

『えっ!いいの?わ〜い❣

可愛いのがいいな〜。楽しみだな〜。』


ふむ、確かに可愛い名前がこの子には合いそうだ。

何がいいだろうか。

小さい頃に聞かされたおとぎ話の主人公の名なんて似合いそうだ。


『あなたの名前は、「ララ」よ。

宜しくね、ララ。じゃあ、早速町に行きましょうか。』


そうして、スライムのララが仲間になり、

私は今度こそ町に向かって歩き始めた。

やっぱり定番はスライムですよね!

自分の語彙力の少なさが悲しい。

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