水族館へ
はい、予定は未定というのはよく言いますね。またもや一話でございます。
本当に申し訳ない。一応、大量に投稿しようと思ったのですが、少し都合のため来週にさせて頂きます。
来週は絶対に投稿出来るので大丈夫です。とは言ってもまあ信用ならないとは思いますが……
信用を取り戻すためにも反省していきます。
二枚が繋がった桜貝を見つけて少ししてからその日は解散となった。真白へのプレゼントのことは本人には秘密にするという話になった。
おっさんが車でそれぞれの家まで送ってくれた。それ程の距離ではないが、朝から遊んでいたためにくたくたになっていた。
先に琴音と鈴音を降ろしてから俺たちの家にむかった。
その途中におっさんが
「そうだ、坊主、水族館のチケットいるか?」
「水族館?」
「おうよ、飼ってる魚についてアドバイスをくれる友人が働いているんだけどな、この前チケットをくれたんだが、今日にでも行く予定だったんだが、俺が一人で行っても退屈なだけだから、お前、真白ちゃんでも連れて行ったらどうだ?真白ちゃんも魚好きだっただろ?」
そういえば、おっさんの店の水槽を眺めてたなこいつ
「水族館か……どうす……」
「行く」
食い気味に答える真白
「そ、そうか、楽はどうだ?」
「ちょー行きたいけど、あたしはしばらく部活あんだよなーその間に神代さんが帰らないといけないかもだから我慢するぜ」
楽はだめか……琴音と鈴音も明日から祭の準備で忙しくなるっていってたしな
「んーじゃあ二人でいくか」
頷く真白はやっぱり無表情だがきっとウキウキしているんだろうなと俺は少し微笑ましく思った。
このとき俺は真白が神様だということが自分の中でぼんやりとした事実になってしまっていた。
そして次の日の昼、真白がいつもの白いワンピースにお気に入りの麦藁帽子を被らせて家を出た。
楽が部活に行く前に「いいな、いいな」とうるさかったので、今日くらい休んだらどうだ?と提案してみたが、自分の中の悪魔と戦っているのか「うーうー」いいながら「いや、部活に行く」と言って部活に行ってしまった。真面目なやつだ。本当に俺の妹か怪しいくらいである。
まあ、楽の場合はそれほど陸上が好きだということもあるのだろうが。
俺はそこまで好きになれるものを見つけられなかったから羨ましくもあった。しかし、その好きなものを好きになるほど辛い時も多いとは思うのだが。
楽が試合でいい結果を残せない時はいうもの元気がどこにいったというくらい落ち込んで帰ってくることがよくある。そんな時に気持ちもわかってやれないような兄だが、それでも兄として支えなければいけないとは思う。ただでさえ普段は親がいないのだから。
とは言っても単純でバカな妹だ。おいしいものを食べさせたらまた元気になるようなやつだ。本当に誇らしい妹だよ。
正直、連れて行ってやりたかったのだが……真白が来た日から楽はいつもの倍くらいうるさくなったがそれでも嬉しそうにしている楽に真白との思い出を作ってやりたかった。
「まあ、仕方がないよな……」
「?」
楽を連れてこられなかった事をぼやくと真白が不思議そうにこっちを見てきた。
「いや、なんでもないよ」
そういうと、真白の視線は電車の窓の外へと戻った。大して変化のない景色を見て何が楽しいのだろうか。
ガタガタと揺れる電車の中で俺と真白はゆったりと水族館の最寄り駅に着くのを待っていた。真白と続かない会話にも慣れてきていた。というか、続けることを諦めていた。
俺の町から少し遠い離れた町にあるその水族館は何本か電車を乗り継がなければいけない距離にある。
何度かおっさんや両親に連れて行ってもらったことはあるが最近はさっぱり来ていなかった。
来ない内に何やらジンベイザメが見られるようになったとかで一時期話題になっていたが、世界最大の魚がどれ程のものなのかは気になる。あと期間限定で何かやっているらしいのでそれも楽しみだった。
何だかんだ少しワクワクしていた。
「次は××駅~××駅」
次か。
「真白、次の駅で降りるぞ」
窓から目を離し頷く真白。
徐々にスピードを落ちていき電車がとまる。
「××駅~××駅、お降りの……」
「よし、降りるぞ」
立ち上がり開いたドアから出る。真白もそれに続いて立ち上がろうとしたがふらつき倒れそうになる所を受け止める。
「おい!大丈夫か真白?」
受け止めた真白の顔は明らかに体調が優れていない。
「……酔った」
「……そ、そうか」
拍子抜けはしたが安心はした。また何か異変があったのかと思ってしまった。
「本当に酔っただけか?」
念のために聞くが神様は頷く。
『扉が閉まります』
「あ、やばっ!出るぞ真白!」
ぎりぎり出ることが出来たが、ベテランっぽい車掌さんに睨まれてしまった。本当にすいません。謝罪の意味を込めて頭を下げておく。
すると車掌さんが親指を上に突き立てて電車を発射させた。許してくれたのだろうか?気のいいおじさんさんだったな。
それよりだ。
「真白、本当に体調が悪いなら帰っても……」
「大丈夫」
俺の言葉をさえぎって答える真白。
正直、不安ではある。初めて会った時に急に倒れた前科があるからだ。
まあ、慣れない長時間の電車に酔ったのもわからなくもない。真白が楽しみにしていたのは伝わっていた。それが、本当に酔っただけで中止になるのも可哀想な話だろう。
「本当に体調が悪くなったら言うんだぞ。これは絶対だからな!」
保護者のような事を言う俺だったが、真白は頷いて承諾した。
「ん、じゃあ行くか水族館」
真白と約束をし、二人並んで水族館へ向かった。
「おぶるか?」
「いい」
読んでくださいありがとうございます
感想、誤字脱字がありましたらよろしくお願いします。