決戦前
ついに22時を過ぎるという失態。
これで3日連続ですね。でも私は3日坊主なので明日からまた21時に投稿しようと思います。
はい……多分……
今回も本当にすいませんでした!
「うー悔しいっす……」
鈴音は苦虫を噛み潰した顔をしている。
「今度こそ1対1で勝てると思ったんすけどね……」
「いい勝負だったと思うぜ」
「上からなのがムカつくっす」
勝ったのだからそれくらい許して欲しい。
「後は誰が残ってるんすか?」
「俺と真白だけ」
「お姉と楽ちゃんやられたんすか?」
「真白にな」
「真白さん……意外とやるっすね」
やっぱり意外だよな。あんなに大人しそうな見た目のくせに俺よりも多く相手を倒してるから驚きだ。
「そういや、この辺に真白が来なかったか?」
「真白さんっすか?……いや、今のところ私が見たのは幸兄ぃだけっすけど」
つまり真白はここまで来ていない?
ここに来ていないって事は琴音を倒した後また俺と逆方向に向かったってことか……
何であいつそんなにウロウロしているんだ?
というか、また俺は真白すれ違ったってたのか。それだけすれ違ってお互いに気づかない事があるのか?
………………。
まぁこれだけフィールドが広ければそんなこともあるか。絶対にまたやるならば広さの制限をかける必要がある。
「んーこの広いなか真白さんを探すの大変そうっすからいっそ大声で呼び掛けてみたらどうっすか?」
鈴音がそんな提案をしてきた。そんなの位置がバレるだけで何のメリットもない。まぁもう既に負けた鈴音は今回の勝負はもうどうでもいいのだろう。
メリットはないが確かにこのまま探しても時間が無駄にかかるだけだ。わざわざ遊びに来てもらって何も出来ない時間が長いのは申し訳なくはある。
「ま、それでいいか」
鈴音の時と同じようにまともな1対1の勝負をしてくれる事を祈っていよう。
流石にそこまで真白が卑怯ではないと思うが……
まぁ楽を騙して勝っているのだが、まぁあれは軽い嘘に騙された楽が悪い。これを機にもう少し賢くなって欲しい。
「じゃあ私も一緒に声出して探すっす」
「じゃあ頼むわ……あ、そうだお前にもうひとつ頼みたい事があったんだった」
「ん?なんすか?」
俺は鈴音に真白に勝つための頼み事を言った。
「よし、じゃあこれで準備は出来た」
「幸兄い……ずるいっすね」
じと~とした目でこっちを見るな。
「ずるくねえよ、それにそれはあっちも同じだろ?」
「でもそれ確証はないんすよね?」
「まぁないけど……でも、ほとんど間違いないと思う。それにこれは本当に保険だから、結局は普通に勝負して負けたら意味がないからな」
「まぁそれもそうっすね」
琴音にも勝負して勝っている。弱くはないだろう。
それに武器は全く同じものだ。
完全な実力勝負だ。
もしその勝負が互角だった場合のための保険だ。
「そろそろ真白を探すか。鈴音も一緒に頼む」
「うっす」
「なんかですね名前を呼んで探すのってなんだか迷子を探すみたいだよな」
「くだらない事を言ってないで探すっすよ」
「あ、はい……」
年下の幼馴染に呆れられてしまった。
「じゃあ探すっすよ」
「おう」
声を合わせて叫ぶ
「真白ー!」
名前を呼んだ瞬間
遠くの方に人影が見えた。
それは白いワンピースと黒く長い髪を風で揺らめかせながらゆっくりと近づいて来た。
言うまでもない
真白だ。
何だそのカッコいい登場の仕方と突っ込みたくなるくらいカッコいい登場だった。
真白の表情が見えるくらいの距離まで近づいたところで真白は足をとめた。見えるいつもの無表情が今日は二人も顔色ひとつ代えずに倒した冷酷な戦闘狂の顔のように思えてくる。
対峙して分かる
こいつは……できる!
わざわざ真っ正面から出向いた事からも読み取れる圧倒的な自信。負けるわけがないという自信。
言葉はもう必要なかった。というか、この距離は真白の小さな声は届かないだろう。
だから俺は言葉の変わりに小さく頷いた。真白がするように。
そして真白も頷き返してきた。
それを見て俺は一歩踏み出し走り出す。真白も同時に走り出していた。
勝負だ真白、これで勝った方が優勝だ!
この戦いの最終決戦が始まった。
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