バトルロイヤル
今回の言い訳としては何時もよりも筆が乗ってしまいました……
二日連続で遅れてすいませんでした!
反省が足りませんね私は……
倒れていた体を起き上がらせている琴音に聞く
「お前もやられたのか琴音?」
「お前もって事はあんたもやられたの?」
「いや、俺じゃなくて楽の方だ」
「あんたがやったの?」
「真白だよ……あいつ、とんだダークホースだぜ?」
「楽ちゃんも真白ちゃんにやられたか……実は私も楽ちゃんにやられたのよね」
おいおいマジかよ……あいつ一人でもう二人も倒しやがったのかよ……
「真白ちゃん今回が初めてだったからって油断してたのもあるけど油断してなくても楽ちゃんに勝ったくらいなら負けてたかしら?」
「あーいや、楽は……」
いや……辞めておこう妹の名誉の為にも真実を言うのは……
どうせ後で露見することだが……
「とにかく真白ちゃんには注意しなさいよね?」
それはもう十分わかっているが
「そういえばお前、鈴音とは会ってないのか?」
「鈴音?会ってないわね……あの子の事だからまたどこかに隠れてるんじゃないかしら?」
それもそうか、誰かが射程圏内に入るのをじっと待っているなら会わない可能性も高いのか
「真白がどこに行ったのか分かるか?」
「それは教えられないわね」
「何でだよ?」
「いや、一応私って死んでる訳だし、それにあんただけに教えたら不公平でしょ?」
まぁその通りだ。流石に楽のように簡単には教えてくれないか。
「何でも教えて貰えると思ったら大間違いよ、ほらさっさと行き
なさい」
パッパッと手を振ってあっち行けとジェスチャーしてくる。
負けたくせに偉そうなやつだ。
「あーそうかい……じゃあもう行くわ」
「気張りなさい幸一!」
琴音は急にうってかわり応援してきた。なんだあいつ?
まあ応援されて悪い気はしないけれど。
とりあえず真白がどこに行ったかは分からないがまぁ誰もすれ違ってはいないはずだからこの進行方向のままでいいだろう。
遠くに行かないルールだ。この辺りにいる可能性も高い。
嫌でも今まで以上に慎重になる。
特に鈴音の遠距離射撃には注意しないと……
周りをキョロキョロと見渡しながら歩く。
……どこにいる?
周辺は大体見たはずなのだが……
もっと遠くの方か?ルールが曖昧だったから可能性がないこともないが、真白はともかく子供の時からよく一緒に遊んでいた鈴音が遠くに行くとは考えにくいのだが……
この辺りで見てないところ……
少し止まって考える。
そういえば海はまだしっかり見てなかったか……
海なんて隠れるところなんてないし、例え潜って隠れたとしてもいつまでも隠れていられる訳でもないから後回しにしていたのだが……
まぁ一応、見てみるか
………………。
……んー流石に誰もいないか……何かゴミみたいなのがプカプカ浮いているけど。
やっぱり遠くに行ったのだろうか?鈴音ももしかしたら誰もいないから遠くに行ってしまったか?
というか久しぶりにやったがこの遊びのルールお粗末過ぎるな。
まあ子供の時の遊びなんてそんなもんかもしれないが。
どうしようか?完全に行き詰まった感がある。
しばらく、海を見ながら考える。
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ザッパァ!!
「よく見破ったすね幸兄ぃ!」
「うぉおおおおおおおおおおぅぅ!?」
無言でどうしようか思考していたら急に鈴音が海から現れた。
「まさか、海の中で隠れてるのがバレるとは思わなかったすね。
竹で作ったこのシュノーケルで最後の一人になるまで隠れていようと思ってたんすけどね!いや~流石っすね!」
未だにドキドキしていたが鈴音の手をよく見るとさっきのプカプカ浮いていたゴミが握られていた。あのゴミこいつのシュノーケルだったのか……つうか竹で作ったって忍者みてえなやつだな。
「いや、あの、ごめん鈴音、全然気づかなかったわ」
「……マジで?」
口調とキャラ崩れてる。
「おう」
「ガーン!」
今度は体が崩れ落ちた。
「うぅ……見てるだけだったっすから、気づいてないのかと最初は思ったんすけど、幸兄ぃずっと見てくるっすから、隠れてるのバレたのにまだバレてないと思ってる私を見て笑ってるのかと思ったじゃないっすか!」
「俺ってどんなやつなんだよ……」
「いや、割と本気で幸兄ぃはやりそうっすけどね」
俺ってそんなに鈴音に酷い事しただろうか?まあ確かに大切なのは自分がどう思うかじゃなく相手がどう思うかだ。
そう、大したことしていないと自分が思っても相手が虐めだと思えばそれは虐めになるのだ。
つまり、俺は何の事かは分からないが、鈴音はずっと俺に酷い事をされてきたと思っているという事なのだ。
「気づいてやれなくて悪かった鈴音!」
「何で急に土下座してんすか……」
精一杯の誠意を込めた土下座だった。
「何の事かわかんないっすけど、別にいいっすよ。それより忘れてないっすか?いま勝負中っすよ」
全力で謝ったのに軽くあしらわれた。まあいいか、それより試合か、というか
「俺が土下座している時に撃っちゃえばよかったのに」
「いや、流石にそんな卑怯な事はしないっすよ……」
んーそうなのか?最後の一人になるまで隠れようとしていたくらいのやつだからな……
「でも、よかったのか鈴音?お前、自分の1対1の弱さわかってるのか?」
「ふふっ、甘いっす、甘いっすよ、梅干しのハチミツ漬けくらい甘いっす!」
多分それは甘いより酸っぱいと思う。
「今回は水丸改あらため水丸改2を私は今日のために昨日の晩に作っといたんすよ!」
「水丸改2だと!」
自信たっぷりの鈴音に乗ってあげる俺だった。しかし、竹のシュノーケルや水丸達といい相変わらず工作が得意なやつだ。
「そうっす!今までの水丸改は直線的な攻撃しかできず、避けられやすかったっすけど、水丸改2はその弱点をカバーした性能を持ってるっすよ!」
「何だと!」
それが本当だったら相当手強い。
「ふっふっふ、これっす!」
謎の笑いの後に鈴音はその水丸改2とやらを取り出した。
「どうっすか!」
「…………お、おう」
微妙だ……何が微妙かって、水丸改2はただ水丸改を3つ横に並べただけだったからだ。
「これで3方向に水が飛んでいくっすから避けにくくなるっすよ!」
んーまぁ確かに銃口が右斜め、真っ直ぐ、左斜めに向いているが……
「まぁじゃあ勝負するか……」
「お、やる気っすね幸兄ぃ!」
いや、何だろう?この鈴音のいたたまれなさを早くどうにかして
やりたかった。
「待ったなしっすよ!」
「わかってるよ!」
見映えは悪いが確かに3方向に水が発射されるのは手強い、しかも鈴音がいるのは海の近く、リロードも早い。
海に陣取っていたのはこれも理由だったか。
しかし、所詮は3方向に撃たれても、直線的なのは変わってない、少し避けづらいだけだ。
俺は前の試合と同じく鈴音に向かって走って行く。一発一発を避けて鈴音に一発食らわせてやる!
「突っ込んで来るなんて、飛んで火に入る夏の虫っすよ!幸兄ぃ!」
鈴音は水丸改2を構えた。
くる!
発射された水は綺麗に3方向に別れて向かってくる。俺はその間をすり抜ける。
「どんどん避けにくくなるっすよ!」
リロードが一瞬で終わりまた構えてくる。避けづらくなる?
2発目が発射され、また俺はその間をすり抜けようするが
「!?」
さっきよりもギリギリに間一髪避けた。さっきよりも幅が狭くなっている!?
警戒して一度足を止める
「気づいたっすね」
鈴音が話し掛けてくる。
「そうっす。近づけば近づくほど水と水の間は狭くなって行くっす!考えればすぐに分かるようなことっすけどね」
そうか、発射された水は遠くにいけばその角度と距離の分だけ左右の水は真ん中の水と離れていくのか……それはつまり逆に言えば近づけば近づくほど間が狭くなっていくと言うことだ。
「だから幸兄ぃ!あんたはそこで当たるまで一生避け続けてくださいっす!」
言葉が終わるか終わらないかのうちに鈴音はもう一発撃ってきた。
距離を取って、広がっていく水と水の間を通り抜ける。
「逃げるんすか幸兄ぃ!男らしくないっすよ!」
言いたい放題だな……
でも確かに鈴音の言う通りか……
よし……腹はくくった、覚悟を決めろ!
「わかったよ鈴音!全部避けてお前を倒してやるよ!」
「それでこそ幸兄ぃっす!」
鈴音に向けて俺は走り出す。
距離とリロードの時間を考えて、射程距離に入るまで残り……3発くらいか!
1発目が飛んでくるがこれは楽に避ける事ができた。
よし!次だ!
すぐに2発目が飛んでくる。すでにかなり狭い!
「くっ!」
何とか避ける。くそっ!残り1発か!すでにギリギリなのに避けられるのか?しかも、近づけば当たり前だが水との距離も縮まって俺まで到達する時間も早くなる。
本当に近づけば近づくほど避けずらい厄介な代物だよ!
「やるっすね!でもこれはもう無理っすね!」
3発目が放たれる
その瞬間世界が
ゆっくりになった。
水がゆっくりと近づいて来るようだった。
ゾーンだ。スポーツ選手達が極限の集中力を発揮した時に出ると言うやつだ。何で水鉄砲の遊びごときで発動するのか突っ込みたかった。
ゆっくり近づいてくる水を針の糸を通すように避ける。
瞬間、世界は通常のスピードへと戻った。
3発目を避けた!
「マジで!?」
「口調が崩れてるぞ!鈴音!」
射程圏内の鈴音に向けてハイドロガン5号を放つ。
「ぐはっ……」
そう言いながら鈴音は海の上に倒れた。
だから、負けても倒れるというルールはないんだか……
まぁなんにせよ
「俺の勝ちだ!鈴音!」
勝ちどきをあげた。
そしてついに残りは俺と真白だけとなった。
今回も遅れたことを本当に申し訳なく思います。
実力不足ですかね……あと管理能力ですね。
今回も読んでくれてありがとうございました。
感想、誤字脱字がありましたらよろしくお願いします!