第1話 遭遇と想い
2047年-6月5日 SHION_SIDE
少年....紫音が気が付く、直ぐに自分が居る場所を理解していた
研究室。とても暗く、手探りで出口を探して廊下に出ると明りを手に持った研究員がいた。
「気がついたか、なら一緒に出口へ向かうぞ」
袖が千切れて少し下へ伸びた左腕を紫音は痛みに耐えながら強く抑え、研究員に付いていき出口を目指した。数分が経過し、建物の外に出ると空が見えなく只黒く塗りつぶされた天上と化していた。
広場には複数の人々がいる。焚き火をしている所へ向かい、紫音は座り込む。
救急箱を手に持った人が寄ってきて、紫音も手当される。
袖をまくった時、紫音と付近の人々が気づく。
左手の甲に痣のような物が付いていた。
怪我と痣を隠すように包帯を巻かれ、怪我人の列に並ばされる。
「(オメガみたいな形の痣だったな)」
紫音は心の中で呟き、助けが来るのを待っていた。
そこへ、武器のような物を持った少女と男性が現れた。
2047年-6月4日 SHIAN_SIDE
黒いドーム状の物が出来て1日が経過した。
紫杏は両親と共に、紫音に言われていたコインロッカーのある場所へと向かう途中。
検問が行われていた。警備の人が護衛というめいもくの下、向かう事になった。
危険が伴うかもしれないからと。2時間でその場所へたどり着く。
コインロッカーから直ぐそばに黒いドーム状の物が見える距離ある。
紫杏は鍵に付いている番号のロッカーを開けると、そこにはハートの柄が付いた箱が置いてあった。
取り出して開封してみると、紫杏が欲しがっていたヒコガエルのキーホルダーと手紙が入っていた。
手紙には『血は繋がっていないとしても、僕は君の事が好きだ』の文字だけ。
ここで、紫杏は両思いは続いているのだと確信した。