表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生活モニュメント[10]

薄皮一枚

作者: 袋小路 めいろ

薄皮一枚剥いだとて

聖人でいられる人である事

体の中から心を

取り出したなら

見た事の無い

美しい輝きである事

今の世の中が求める事は

つまりこういう事なのだが

あなたに

その自信はあるだろうか

有るならば

その綺麗な命を

誰かの為に使用しているのか

白という事はつまり

そういう事だ



薄皮一枚剥いだら

制御不能の獣だとしても

体の中から心を

取り出したら

見た事の無い

歪な輝きだったとしても

今の世の中に

存在する事ができる

というより

誰にもそれを

反対する権利は無い

そのまま隠し持って

生きる事が

世の中で一番

楽しい事なんだ

黒というのは

つまりそういう事だ



笑い声が

笹の葉を揺らすから

海の上を歩いた

鯨の口に

閉じ込められる人を見た

陸の方は

火に包まれていて

震えながら歩いている

落雷のロープに助けられた

雲の上を歩き出した

上を見ても星は無い

全部

海に落ちたみたいだ

ひたすら

踏みしめた雲からは

何の手ごたえも無く

太陽だけが均等に

光と熱を運んできた

月は何もせず

酒を飲んでは

彗星にくだをまいて

そんな

煩い毎日を

笑えない方がおかしかった



湖の色が紫で

黄色の木々が

白い実をつけて

青い草花が

甘い匂いを飛ばし

金の鳥が

鳴いている

朱色の柱がココにあるなら

燃やしてしまえば

それで良い

無機質を糧に

銀の花が枯れるなら

可憐な黒蝶が

空を飛び回る事が

とても美しく思える

狐の目が緑でも

不思議じゃ無いなら

橙の狸との間に

子をもうけても

楽しい事だと思う



一心不乱に事にあたる

そんな事は

もうできない

可燃ゴミと不燃ゴミの

違い以上に

次々違う事が訪れる

事は動いてしまうから

あなたにそれが訪れたなら

あなたは何も変えずに

受け入れる事ができるだろうか

できない事には何も言わないが

それができて

人として赤い花丸が

貰えるらしい






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ