第一話 街道で迷う魔王討伐隊【side:ヴァル】
いちおう舞台としては、『リビティウム皇国のブタクサ姫』とリンクしていますが、こっちはほとんど大陸の反対側です。あっちの登場人物は出てきません。
あくまで一般人目線なので、すごい魔法とかすごい魔物とかすごい身分の人とかは出てきません。
「王都を出て三日か。果たして姫様はご無事でいらっしゃるか……いや、私が希望を捨てては駄目だな。もっとしっかりしなければ!」
ぐっと胸元で拳を握ったシェリルが、遥か彼方、魔王が居城を構えるであろう地平線の先を青い瞳で見据えて、やや控え目な胸からこぼれんばかりの熱意でもって決意表明を口に出す。
「………」
この三日間、いい加減、耳にタコができるほど繰り返される発作を前に、ふたり分の荷物を載せた騎鳥(人間の一・五倍くらい背の高い鳥で、馬の代わりになる)の手綱を引いていた俺は、前を歩くシェリルの背中から視線を外して、ぽっかりと青空に浮かぶ雲を見上げてため息を付いた。
「――それはそれとして、案外、道中何もないものだと思わない、ヴァル?」
ひとり芝居を終えたシェリルが、くるりと振り返ってどことなく不満そうに眉をしかめて、同意を求めてきた。
リボンでポニーテールにしてある金髪に近い栗色の長い髪が揺れる。
黙って立っていれば深窓の令嬢めいた彼女の整った顔をじっと眺めて、言われた台詞の意味を吟味しながら俺は首をひねった。
「……そうか? こんなもんじゃないのか」
何もないのが一番だと思うんだけどなぁ。
「いえ、あまりにも順調過ぎると思うわ。普通、街を出て半日も歩けば魔物が襲ってくるものじゃないの? それか盗賊が行商人を襲撃している現場に遭遇すのが定番だと思うんだけど。それが猫の子一匹通りかからないというのは、あまりにも不自然だと思うわ。なんかもう平和過ぎて、逆に何者かの作為があるとしか私には思え……。 ――はっ! もしや魔王の手の者が罠を!?」
にわかに緊張した面持ちで、腰に下げた細剣に手をやり、キョロキョロと周囲を警戒するシェリル。
その場に立ち止まって、いらぬ殺気を振りまく彼女にあわせて歩みを止めた俺は、騎鳥の手綱を握ったまま、空いている手を額のあたりに当てて、思いっきり息を吸って――ため息をついた。
「………………はあ~~~っ。あのな、子供向けの英雄譚じゃあるまいし、そうホイホイ魔物やら盗賊やらと遭遇するわけないだろう。そもそも何の為に毎月毎月俺たち騎士団が街道の治安維持をしてると思ってるんだ? 街道沿いに人を襲うような魔物や盗賊がいたら、それは俺たちがロクに仕事をしてないってことでそっちの方が問題じゃねーか。あと、魔王を警戒してなるべく人の通らない裏道を行こうって言ったのは、シェリル小隊長、貴女様のご要望だったんですけどねぇ」
アホの子を相手するように言い含めてやると、流石に自分の不利を悟ったのか、シェリルは「うっ!」と呻いて視線を逸らし、自分の爪先を見詰めてしばし反論を考えていたようだけど、結局何も思いつかなかったらしく、足元の小石を蹴って無言のまま再び背中をこちらに向けて、とぼとぼと歩き出した。
二~三歩遅れてそれに続いて歩く出した俺は、微妙に煤けているシェリルの背中を見ながら、その実、内心がっつり胸を撫で下ろしていたのだった。
(あ、危ねーっ! 猪突猛進の単細胞バカかと思いきや、妙なところで勘が鋭いんでやんの。『作為』だとか『罠』だとか、危うくバレたのかと焦ったぜ)
なんかため息ばかりだなー、と思いながら、俺は聞こえないように安堵のため息を漏らした。
◆◇◆
さて、いま俺たちが歩いているのは王都ウーノから歩いて三日ほどの距離にある街道(と言っても土を踏み固めただけの安普請だが)のひとつで、この先にある宿場町を出ればすぐに隣国イリスとの国境を越えることができる。
ちなみにイリス国の一番近い村でも、国境から歩いてさらに十日はかかるので、否が応でもここで十分な旅支度をしなければいけない。
ま、要するに隣国から見てもこのあたりは僻地なわけで、ほとんど人の通らない街道と、そもそも王都から三日で国境線を越えられる時点で、我が祖国トリスティス王国の立場と規模はお察しというものであろう。控え目な表現をしても、他国から見れば吹けば飛ぶような弱小国もいいところである。
そんな辺鄙な田舎道を、元王国軍の騎士団員だった俺たちふたりが、なんで徒歩で歩いているかと言うと、大きな声では言えないが王妃様の密命を帯びた任務の途中だから……ということになる。
で、さらに原因を遡れば話は魔王が我が国の第二王女ティーナ様を側室にと望んだところまで行き着く。
魔王が王女様を要求?! なんだそりゃ、どこの御伽噺だ!?
と思うだろう。俺も最初に聞いたときにはそう思った。
いや、いちおう一般常識としてこの広い大陸には亜人国家や魔人の国があることは知ってはいた。けれど、ここは世界の果てのド田舎もいいところ。そりゃガキの頃は魔物や魔王と戦う勇者ごっこをして遊んだりはしたものの、物心つくようになれば自然と現実は理解できるようになる。
物語と現実とは違う。俺のような一般ピープルは、堅実で食いっぱぐれのない人生を謳歌するのが一番だ。
魔王? 勇者? 聖女? 遠い遠い物語の話だねぇ……と、割り切って地道に努力して苦節十九年。多少、起伏はあったものの無難な人生を歩んできたと思っていた。
そこへ降って湧いた魔王だの、王妃からの密命だのだ。
いや、ちょっとマテ、それ俺のキャパでは納まりきれませんわ、そーいうことは、どこかにいるであろう伝説の勇者とか、天命を帯びた姫巫女だとかに任せませんか? と主張したにも関わらず、何でかしらないけれど『魔王討伐』という命を受けて旅立つことになってしまった。
なんでこうなった?
そもそも魔人国ドルミートとトリスティス王国とはこれまで何ら関係はなかったし、位置的にもほとんど大陸を横断するほど離れていた。
そのため国交はおろか国王同士でも面識はなかった筈なのだが、巷間伝え聞くところでは、それがひょんな縁で……確か大陸の覇者とも謳われる超大国グラウィオール帝国の皇帝が食中りで崩御したとかで、周辺国との兼ね合いとご機嫌伺いを兼ねて国王一行が弔問に行った(ちなみに魔導帆船を利用しての旅で、これだけで国庫が空になり周辺国に向こう五年の借り入れを申し出たらしい)のが運の付きらしい。
その際にたまたま随行していったティーア王女様を、同じく弔問で訪れていた先方が見初めたとのことだ。
ちなみにティーア王女様芳紀十五歳。魔王フェリックス御年百二十二歳。
まあ当然、青天の霹靂もいいところだったけれど、魔王の要求を突っぱねることなどできようはずもなく――というか城の広間に積まれた、魔王からの支度金として贈られた国の予算三十年分にも及ぶ黄金の山を前にして、王様と大臣たちが歓喜のあまり腕組みしてカンカンを踊ったとも噂されている(※カンカンノウではなくて、フレンチカンカンの方。『♪カス○ラ一番、電話は二番、三時のおやつは文○堂♪』でお馴染みのあれ)――王女様は泣く泣く魔王の元へと嫁いでいった。
これが一巡週前のこと。
この報せを聞いて激怒したのが、母親であり王妃であるテレサ様と、姫様の護衛役として公私ともに親しくしていた我らが騎士団団長殿の娘で、小隊を預かっているシェリル嬢十六歳。
愛しい王女をどこの馬の骨……どころか、魔王に(あくまで主観として)無理やり拐らわれた彼女たちは、一致団結して王女様を救うべく魔王の討伐隊を編成することにした。
迷惑な話である。
本心はどうあれ建前としては国同士が納得して嫁いでいったものを、魔族とはいえ国土と国民を持ってきちんと認められている他国の王を、勝手な思い込みで討伐――ぶっちゃけテロと暗殺だ――しようなどと、常識のある人間なら考えないだろう。
というか、そもそも魔王フェリックスが統治する魔人国ドルミートは、我が国に比べて国土面積で七十倍、兵力や国力、経済力では巨人族と小妖精ほども差がある。
だいたいもともと王族なんて政略結婚が当然なわけで、うちみたいな吹けば飛ぶような弱小国の王女様が、多少種族と年齢が違うとはいえ、大国に嫁げるのだから無体な要求どころか良縁もいいところで、この婚姻関係を最大限に利用して、両国間の投資や貿易、文化交流などで恩恵を得ようと思うのが普通だろう。誰だってそう思う。俺だってそう思う。
事実、国王や大臣たちはそう考えた。
だが、魔王憎しで視野狭窄に嵌っている王妃たちにはそうした道理は通じなかった。
いや、努力はしたのだ――。
即座に魔王を討って王女を救い出そうといきり立つ王妃に対しては、国王や王子、大臣たちが入れ替わり立ち代り説得に当たり。
取るものも取りあえず魔人国へと駆けつけようとするシェリルに対しては、団長殿や同僚、部下たちが次々と顔を出しては宥め透かし、苦言を呈し……そして、三日目にとうとう折れた。
国王や団長たちの心が。
梃子でも動きそうにない彼女たちを前に敗北を知った彼らは、しぶしぶ魔王討伐隊を派遣することを認めざるを得なかった。なにをやってるんだか……。
ただしその内容はあくまで国は関係しない、一個人として行動するのを黙認するという玉虫色のものであったけれど。
そんなわけで、討伐隊の募集がなされた。が、その条件としては――。
曰く、討伐隊の参加者は一時的に軍属を離れて一般人となる。
曰く、国からの支援や優遇は得られない。
曰く、生命の危機、財政的困難に陥っても一切関与しない。
曰く、死んだらそれまで。報告もいらない。
完全に捨て駒扱いで、こんなものに参加しようという酔狂な人間は存在しなかった。――俺の目前を歩いている少女騎士を除いて。
勿論、俺も参加するつもりなんてなかった。そりゃもう塵の先ほども。
なにしろ、せっかく平民から冒険者を経て、騎士見習いから正騎士に成り上がったばかりだというのに、こんな『正気かお前?』と十人中十人が口を揃えるような阿呆な任務に就くなど、人生をドブに捨てるようなものだ。やってられるわけがない。
そもそも俺の目標は給料泥棒と陰口を叩かれてるような、安穏かつ安定した人生なのだから。
それがこうして女の尻を追いかけているのは、このアーパー娘の父親である騎士団長に因果を含められたからに他ならない。
「王妃様については形式的にでも『討伐隊を出した』という事実で一時的にでも矛を収めていただくつもりだ。あとは国王様がたが時間をかけて納得させるとのことだが、問題は俺の娘の方だ」
団長室で直立不動のままの俺の前を、ウロウロと行ったり来たりしながら団長殿は続けた。
「部下すら辞退して誰も参加者がいないにも関わらず、アレは一人で魔王の元に乗り込むつもりでいる。妻に似たのだろうな、あの言い出したら聞かないところは。……とはいえ成功率はゼロどころか、成功したら逆にマイナスになる任務だ。なんとか阻止したい」
ありありと苦悩を滲ませる団長殿を前に、俺は思わず忌憚のない意見を口に出していた。
「いや、多分魔王の元に行く前に、世間知らずがひとりで国からでたら、身包み剥がされて売り飛ばされると思うんで、何もしなくても問題ないと思いますけど?」
ぴくりと団長殿の頬が引き攣った。――あ、やばい言い過ぎた。
「そこでだ。その世間知らずのジャジャ馬娘を御しきれて、さらに元冒険者として見聞も広く優秀な団員に、娘の――シェリル小隊長の補佐をお願いしたい」
「嫌ですよ、俺は!」
間髪入れず断りを入れた俺の顔をちらりと見て、団長殿は無表情に続ける。
「……言い忘れていたが、すでにこれは確定事項だ。すでにお前たちの籍は団から抜いてある。また、逃亡したり討伐隊のことを漏らした場合は、国家反逆罪ということで即時処刑ということになる」
「なああああああああああああああああっ――!?!」
絶句する俺の肩を、気軽にポンポン叩く団長殿。
「なあに、ちょいと世間の荒波を教えてやれば、泣いて帰って来るだろう。そうなれば即時原隊に復帰できるよう手筈は整えてある。適当に連れ回してくればいいさ。悪い虫が付かんかちょいと心配だが、お前もいることだし大丈夫だろう。……ただし、娘を泣かせたり大怪我などさせんようにな」
最後、ぐっと両肩を締め付けられた。
「了承して貰えるかな、ヴァレンティーン・マシュー君」
「………」
完全に逃げ場を塞がれた俺は、無言のままババを引くしかなかった。
◆◇◆
「思うんだけど、私たちには足りないものが多いと思うのよ」
辿り着いた国境の町――といっても人口二百人前後の村に毛が生えた程度の田舎だが、いちおう宿屋や酒場、冒険者ギルドの出張所もある――の食堂を兼ねた宿屋の一階で、名物だというミックスジュースを飲みながら、シェリルがそう切り出した。
「――そうだな」
ここから何を言いたいのかイマイチ予想ができないけれど、言っていることはその通り……どころか、足りているものが何一つない状況なので、俺は香茶を飲みながらしみじみと相槌を打った。
ちなみにミックスジュースはメニューの中で一番高くて銀貨二枚、俺の香茶は銅貨三枚である。
旅に出る際に王妃様から諸費用として金貨で三十枚ほど貰っているが、普通に暮らして半年持つかどうかの微妙な金額なので、なるべく贅沢はしないほうがいいと思うんだけど――いや、別に浮かした金をポケットに納めようとか算盤を弾いていたわけではない――このお嬢様には“節約”“節制”という概念はないらしく、必要経費と銘打って、ここにくるまでにもポンポン高い買い物をしている。くそっ。
「やっぱりそう思う? 姫様を助ける為には、もっと実戦を積まないと駄目だと思うの。――それは私は団でも一、二を争う腕だし、ヴァルもそれなりに使えるのはわかっているけど、実際の戦いは訓練とは違うと思うのよ」
「まあ、それはそうだな」
「本当だったらこの三日の間に盗賊だとか、小鬼や豚鬼が襲ってくるかと思っていたんだけど、何もなかったし」
それで歩いている間、妙に不満顔だったわけか。
てゆーか、気軽に言ってくれるけど、人間や小鬼程度ならともかく、豚鬼くらいになるとシェリルの細剣と腕力では厳しいものがあるんだけど、わかってるのかな。
よほど的確に急所を捉えられるのならともかく、皮膚や脂肪の分厚い豚鬼相手には、ある程度重量で叩きつける中剣以上でないと確実なダメージは与えられない。
確かに試合や競技では、俺はシェリル相手に三本に一本しか取れないけれど、何でもアリの実戦では十回戦って十回勝てる自信がある。
そもそも……と、俺は美味そうにジュースを飲んでいるシェリルの仕度を、あらためて上から下まで確認した。
さすがに数十キルグーラもある全身鎧ではないけれど、ドレスと言っても通用しそうな青いギャンベゾン(鎧下)の上に、曇りひとつないブレストプレートや腰周りを保護するタセット、それと手にはガントレット、足にはサバトン(鉄靴)を装備している。
結論としては、どこからどう見ても騎士の出で立ちで、極秘任務という重要性を理解しているのかどうか……。いや、それ以前にこの格好はありえない。
そもそもシェリルが騎士団でも上位の腕前なのは、体が軽くて瞬発力に優れているからで、その優位を捨ててこんな格好で実戦に臨んだら、たちまち体力を消耗して敵の餌食になるのは火を見るよりも明らかだろう。
俺みたいに最低限の服装に革鎧を着けているくらいが丁度いいと思うんだけど、多分言っても聞かないだろうなぁ……。そう考えると早い段階で実戦を知って、鼻っ柱をへし折られるのも良いかもしれない。
「ん? なに?」
木製のコップを置いたシェリルが、こてんと首を傾げる。
「いや、なんでもない。確かに実戦で腕を磨いておいた方がいいと思ってさ」
途端、ぱっと満面の笑みを浮かべるシェリル。見た目だけは可愛いんだけどなぁ……。
「やっぱり! ヴァルもそう思うわよね。だったら人助けも兼ねて、この村の冒険者ギルドで魔物退治の依頼を受けましょう!」
ここに来るまでに道々考えていたのだろう。シェリルが半分腰を浮かせて、そう提案してきた。
「冒険者ギルドォ……?」
キラキラ瞳を輝かせるシェリルを前に、俺は自分の香茶を飲みながら、思わずそう問い返して……ついでに、ちらりと奥のカウンターにいる宿の親父を見た。
何か言いたげな親父を目線で制して――親父は『了解』と言いたげに軽く肩をすくめた――なるほど、と俺は表面上同意を示した。
シェリルは魔物退治の依頼は冒険者ギルドでなければ受けられないと思っているようだが、別にそんな決まりはない。人の多い場所……たとえばこういう食堂や酒場で話を振れば、その手の依頼のひとつやふたつは聞けるものだ。
ま、冒険者ギルドと違って中には眉唾物の話や、空振りも多いけれど、冒険者ギルドはギルドでイロイロと手続きが面倒でシガラミもあるし手数料も取られるので、一長一短どっちが良いかと安易に決められるものでもない。
けれど、単純に流れ者が一回限りの依頼を受けるなら、この場で親父に話を振った方が早いと思う。
だが、俺の目的はこの世間知らずのお嬢様に現実の厳しさを知ってもらって、早い段階で挫折させることにある。ならばあえて茨の道を進む方が賢明というものだろう。
そう瞬時に判断した俺は、できる限り真剣な表情を作ってシェリルの目を真正面から見返した。
「そうだな。俺もそうしたほうがいいと思う。ぜひそうすべきだ。困っている人々を救う為にも!」
いきなり真面目になった俺に調子を崩されたのか、微妙にテンションを落としたシェリルが視線を逸らせる。
「ああ、うん……そうね」
それから何か小声で呟いていた。
「……ずるいわよ、反則よ。ヴァルにそんな真剣に見詰められたら、女の子なら誰だって……」
「???」
「とにかく!」
何かを振り払うかのように、立ち上がったシェリルがキッパリと言い切る。
「これからすぐに冒険者ギルドへ行きましょう! なるべく強い相手と戦って、実戦の勘を掴むのよっ」
普通、一休みして体調を整えてから行くものだと思うけど、この暴走邁進娘には“慎重”や“堅実”という概念もまた存在しないらしい。
半ば無理やり手を引かれる形で、俺はその後に続いて席を離れた。
やれやれ……。
一般人目線で『大陸』を描いてみたくなったので、勢いで書きました。
いちおう次回で一話完結予定です。
10/18 ヴァルの年齢を19歳にしました。
なお、設定として。
トリスティス王国は位置的には大陸南西部の半島の先端にあり、房総半島の半分程度の面積の国です。だいたいイスラエルくらいです。
騎士団は全部で百五十人ほどですが、軍馬が足りないので一般の騎士はより廉価な騎鳥を使っています。
当然、貴重な軍馬をふたりのために出すわけには行かなかったので、徒歩(プラス、ヴァルが個人で持っていた騎鳥一羽)の旅になりました。
なお、シェリルは準男爵家の令嬢で、ヴァルはいちおう騎士爵を持っていましたが、現在はただの平民扱いです。
個人のデータとしては、
シェリル・アディソン(16歳)
身長158cm、体重46kg。右投げ右打ち。
HP:1,690
MP: 906
ヴァレンティーン・マシュー(19歳)
身長183cm、体重71kg。右投げ左打ち。
HP:2,110
MP:1,630
冒険者時代はCランク(中の上)でほぼ平均値でした。