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正規登録とギルドマスター

予想より文字数が多かった(;´Д`)


7話です。どうぞー


2015/02/28 改稿版を投稿しました。

7話 - 正規登録とギルドマスター


日が昇る頃に神威と一緒に一階の食堂で座って朝食を待っています。


「やっとご飯だよ。。。どんなご飯だろう?」

「定番なのは黒パンとスープだっけか?今は腹に入ればなんでもいい。。。」


丸一日なんにも食べずにいた神威は空腹を抑え切れていない様子。

まぁぼくもですけども。

早く朝食こないかなぁ。


「はいよ。おまたせ。おかわりは好きなだけしていいからたらふく食え」


目の前に置かれた物は黒パンをバスケットに山盛り。

野菜がトロトロになるほど煮込まれているスープ。

大きめの目玉焼きと燻製肉を炙った物。

調味料として塩と胡椒がテーブルに置かれる。


おお、調味料まで使えるのか!


「わほーう。きたきた!」

「うまそうだな。思っていたより豪華だった件」

「「いただきます!!」」


調理場の横にあるカウンターに座っている主人に見守られながらテーブルの上に置かれた食事に手をつける。

黒パンをちぎり、スープに浸して柔らかくなったものを口に入れる。

おおう、スープが思った以上に濃厚。

バスケットから新しい黒パンを取り、真ん中に切れ目を入れ、燻製肉と目玉焼きを挟み込む。

簡単なハンバーガー。

燻製肉のしょっぱさと目玉焼きの甘さがちょうど釣り合っててうまい!!


二人で食べたらあっというまにバスケットの黒パンもなくなってしまったがおなかもいい感じにいっぱいになった。


「「ごちそうさま!!」」

「おう、ずいぶん腹が減ってたみたいだな。。。残さず食べてくれて調理した人間としてはうれしい限りだ。また泊まりにこい」


おじさんなのに。。。おじさんなのに。。。

そのスマイルが素敵です。おじさま。


「はい、ぜひ。宿もきれいだったしご飯も美味しかったです。泊まりにくるにはいっぱい稼いでこなきゃなぁ」

「だな。一人銀貨一枚が最低線。ギルドでどれだけの報酬の依頼があって達成できるのかはわからないががんばらなきゃダメだろうな」


だよねぇ。

FランクとかEランクの依頼じゃ銀貨一枚なんてそうそう無理だろうね。

宿は気に入ったからまた泊まりに来たいんだけどなぁ。


「なんだ、おまえさん達は初心者(ノービス)だったのか。リオナの紹介だっていうから中級くらいは腕があるのかと思ったよ。」

宿の主人さんが目を見開いて僕らを見ている。

そんなにじろじろ見んといて。


「リオナさんの紹介って中級以上じゃないともらえないんですか?」

「あぁ。ここの宿についてはそうだな。うちにリオナの紹介と来た奴は大体Cランク以上のやつだけだ。他の宿はどうか知らんがな。」


っていうかリオナさん。。。

どういうことですか。

暫定とはいえ、Cランクだからなのかな?


「あ、それなら僕らはCランクらしいですよ。依頼はまだ受けたことがないから相場を知らないだけで」

「依頼を受けたことがないのにCランク?どういうことだ、それは」


おおざっぱにギルドであったボナンさんとの話をすると、主人さんがため息をつきながら

「はー。ボナンの奴か。あいつも全然変わってねぇな。まだ新人いじめしてんのか。また説教してやらなきゃならんな」

などと言っている。


「あのヒゲ、知ってるんですか?」

「はっはっはっはっは。ヒゲって呼ばれてるのか、あいつ。よく知ってるよ。俺が所属していたパーティの下っ端だった奴だからな。」


神威さんや。。。いきなり俗称で呼んじゃ。。。別にいいか。ヒゲだし。

っていうか冒険者だったんですか。


「おおう。大先輩ですね。失礼をしました。」

「やめてくれ。そんな堅苦しい言葉は嫌いだ。もう15年前、田舎から出てきたあいつを拾って討伐でしごいてやったのはわしらの代だ。10年くらい前にわしらが引退してからランクが上がって態度もでかくなったみたいだな。」

「あのヒゲもそういう時代があったんだねぇ」

「そりゃそうだ。最初から出来る奴なんて早々いねぇ。いたとしても下積みというのは大事なんだ。採取依頼も街中依頼もな。あいつは最初から討伐だったが。」

「ですよね。」


そりゃそうだ。

最初は誰だって素人だしね。


「採取依頼では手持ちの薬草や食べ物がなくなったときの現地調達の方法と獣や魔物から隠れる為の気配調整なんかが身につく。まぁ当然地形や地理を覚えるのにもちょうどいいだろう」


ふむふむ


「街中依頼では街での建物の配置を覚えると共にどこの店にどんな人間がいて出入りしているか。というのを身につけると共に『街の人間に自分を覚えてもらう』という大事な意味合いもあるんだ」


ほう?


「覚えてもらう?」

「あぁそうだ。武器をかついだ見知らぬ人間が街の中をうろついているだけで普通の人間は恐れるもんだ。」


まぁたしかにそうだね。

向こうの世界でもたまにお師匠さんの山とかに猟銃とか担いでいる狩人さんが入って来たとき、知らない人だったらものすごい警戒してたしね。


「見知ってしまえばそういうものだと理解はしてもらえるだろうがな。おまえさん達も立派なのを腰にぶら下げているが街中依頼を受けるんなら武器は外していくんだな」

「ほー。。。奥が深い。」


主人とのやりとりを隣で聞いていた神威はただただ感心している。

というか神威さんがものすごく不安です。

町中とかで喧嘩買って刀振り回さないようにね。。。?


「しかし武器預けておく場所もないしな。ギルドで預かってくれるのかね」

「怖いよねぇ。万が一紛失とかってなったらお先真っ暗だよ。」


どうしたもんかねえ。


「そういう場合は魔道具屋に行ってマジックポーチを買うといいぞ。大きさ無視でポーチの中に武器なんかを収納しておける。」


ほう?


「あ、やっぱりあるんですね、そういうの」

「知っているのからいd。。。瞬」

「そのネタ知ってる人こっちじゃいないからね?アイテムボックスとかマジックバッグとか結構こういうのはありがちな道具だよ」

「へぇ。まぁそんな便利なものがあるんならギルド行った後に見に行ってみようか」

「そうだねー」


ふむ。

大体の方針も決まったね。

じゃあギルドにいきましょうかね。


去り際に主人さんが「もしボナンがまだなんか絡んでくるようなら『10年前』『大草原』『ジグルド』のみっつのキーワードを出してみろ。おとなしくなるぞ」と言ってきたので覚えておこう。


----


噴水広場をギルドに向かって歩いていくとなにやらギルドの前に冒険者の人だかりがあるのを見つけた。


「あの、これどうしたんですか?中入らないんですか?」


瞬が一番後ろのほうにいる冒険者に声をかけてみるとその冒険者が振り返り質問を投げかけた人物を確認する。


「あ?おぉ、舞姫じゃないか。いやな。中でギルドマスターとボナンが言い合ってるから危なっかしくて中に入れないんだわ」

「ギルドマスター?」

「おう。ここのギルドの主だな。今日の朝にギルドに出てきて昨日の話を報告されたみたいでな。酔っ払って寝ていたボナンを蹴り飛ばした後はこの様子だよ」


室内から怒鳴り声やなにやら殴りあう音が聞こえる扉を見てため息をつく冒険者。


はぁ、これ俺らがいかなきゃダメなんだろうなぁ。


「昨日の件なら僕らがいかないと収まりそうにありませんね。気乗りしないけど行きますか」

「ご隠居お供します」

「ご隠居って年じゃないよ!?」


よいつっこみだ。

その調子で精進したまえ。


とか軽口を言いながら扉の前にたむろしている冒険者達を避け、扉をあける。


そして閉める。


「予想以上にカオスだった件」

「ガチムチ二人がが抱き合っているとかどういうことなの」


見てはいけないものを見てしまった。

うーん。これはどうしたもんか。


「しゃーない。いくか」

「いきますか」


今度は扉を勢いよく開けて大声で怒鳴る。


「おい、ヒゲにハゲ!きもい!ホールで抱き合ってるんじゃない!見苦しい!きもい!!」

「連れ込み宿はあちらですよ。」


ハァハァ言いながら抱き合っているガチムチ達に言い放つ。

後ろから「あの二人に。。。すげー。。。」や「いいぞ、やれやれー」などの声が聞こえるが気にしないフリをする。

んむ。気にしないぞ。


「きもいを二度言うな!小僧!俺だって好きでこんなことしてるんじゃねぇよ!!あとヒゲって言うんじゃねぇ!!」

「これはハゲじゃない!剃ってるだけだ!!」


どうだか。


ガチムチ二人は抱き合っている体制からお互い張り手を繰り出し、その勢いでお互い後ろに飛びのき息を荒くし反論をする。


「抱き合ってハァハァしてるとか変態ですか。気持ち悪い」

「おまわりさんこちらです」


虫を見るような目でいまだに息を荒くしている二人を見ながら蔑む瞬。

その横でわざと能天気な様子でちょいちょいネタをはさんでいる。

だがつっこみがないのが悲しい。


ホールにおいてあったテーブルや椅子は"ほぼすべて"半壊し、散らばっている。

奥のカウンターにいる受付嬢も3人ほどいるようだがみんなカウンターの影に隠れてこちらの様子を伺っている。

その中にはリオナもいた。


「だいたいギルドマスターだかなんだか知らないけどギルドの業務を妨害するのがマスターたる仕事なんですか?楽なお仕事ですね。あとボナンさん。宿屋の主人から聞きました。『ばらしますよ』。」

瞬の攻撃。

瞬の言葉を聞いた二人の反応は正反対であった。


ギルドマスターと言われた男は怒りを抑えつつ腕を組んだ仁王立ちで瞬を睨んでいる。

ボナンは『ばらす』と聞いてしばらく考え込んでいたがピースがはまったのだろうか。途端に急に静かになり顔を青ざめている。


ギルドマスターへの攻撃はミス。ダメージをうけない。

ボナンへは効果は抜群だ!

って感じかな。


これでボナンの方は大丈夫だろう。とあたりをつけた瞬はあとはこのハゲ(ギルドマスター)か。と標的を定める。

とはいえ、これ以上やると下手すりゃギルド登録抹消とかされそうだ。

ハゲは根に持ちそうだし。


「まーまー。お二人さん。ちょっと落ち着こうか。」


瞬とギルドマスターの間に割り込むと「神威も煽ってたよね!?」と瞬に抗議された。

気のせいだ。

まぁまずは落ち着け。


「はじめまして。こちらはシュン、私はカムイと申します。昨日こちらのギルドで登録をさせていただきました。以後お見知りおきを。」


と冷静にできるだけ丁寧な挨拶をする。

するとギルドマスターの殺気が少し薄まりちょっと顔を背けて返事をしてくれる。


冒険者業務斡旋組合(ギルド) アルファミラ支部、ギルドマスターのダン=エクセラだ。」


ほら、怖くない。

返事はすごい無愛想だったけども。


「私達はこれから正規証を発行していただきたいのでギルドの業務を正常に行っていただきたいのですがこの争いはまだ続くのでしょうか?」


ちょっとねちっこくいく。



「なんなんだ、今期の初心者(ノービス)は。度胸だけは満点だな。おい、ボナン。こいつらが話に出ていた昨日の奴らか?」

「はい。」

「こんなちまっこい奴らがおまえと同等ねぇ。まぁいいだろう。今日はこれで終わりにしておく。ホールの片付けをしておけ。それを昨日の罰則とする」

「了解。。。」


ボナンに対して片付けを命じると、奥にある階段へと向かって歩いていくダンが途中で振り返り、俺らにドスの聞いた声で一言、


「おまえら後でギルドマスター室へ顔を出せ。受付に連れてもらってこい」


と言い放つと今度こそ振り返らずに階段を上っていく。

なんだあれ。態度わるー


ダンとボナンの争いが落ち着いたからか表に出ていた冒険者達が続々とホールに入ってきてカウンターに依頼を持っていき受注処理をしていく。

現金なやつらだ。ほんとに。


3人の受付のうち、真ん中にいるリオナのところには誰一人並んでおらず両端に座っている受付嬢の二人のところに長蛇の列が出来る。

列に並んでいる冒険者達のもっぱらの話題は先ほどの話で「やっぱあの二人すげぇよ。特に舞姫。」や「絶対真似できんわ。。。」とかが聞こえてくる。


リオナを見ると俺らをじっと見つめ、手招きしている。


「リオナさん、おはよう。昨日はいい宿紹介してくれてありがとう。でもこの状況ってどうしたの?リオナさん所だけ誰も並んでないけど」

「私にわかりませんよぅ。地味に凹みますよね、こういうの。。。やっぱり体型!?やせなきゃダメなの!?」


自分の胴回りを見て涙目になっているリオナにやさしく声をかける。


「そのままでいいんじゃないですか?見た目で判断するような奴はたいしたことない奴ばかりですよ。大事なのは内面ですよ。」

「そ、そうですよね!見た目なんて年取ればみんな同じですもんね!大事なのは内面ですよね!!」


と手を握って熱く涙を流しているリオナを見て瞬が一言呟く。


「出た。神威のぽっちゃり好き。」

いいじゃないか。ぽっちゃり体型。

ムチムチはいいぞー。


その言葉は聞こえたのか聞こえなかったのかはしらないがリオナは手を握ったままうるんだ目で顔を赤らめている。


----


「リオナさーん。そろそろ仕事してほしいんですけどー」


二人の世界に入ろうとしていたリオナに声をかけるとリオナは慌てて手を放し、カウンターの裏にある部屋へ駆け込んでいく。

ほんの2~3分でリオナが何かをもってカウンターへ帰ってきて机の上にカードを2枚置く。


銀色のカードで大きさはこっちに来た時に使ったチケットと同じくらいのサイズ。

表面にはそれぞれの名前、種族、性別、賞罰が書かれており、その隣には大きくCと書かれている。

手にとって見ると裏面には備考欄のような横線だけが引かれている。


こほんと軽く咳払いをしたリオナは僕たちを見て

「当ギルドへの正規登録ありがとうございます。こちらが正規冒険者業務斡旋組合証(ギルドカード)です。説明が終わり、合意いただいた時点で仮証と交換させていただきます。付随する説明をさせていただいてよろしいでしょうか?」

と仕事モードのリオナが二人に一度礼をした後、カウンターの下から書類の束を用意する。

「どうぞ」と説明を促す二人を見てリオナがギルドという組織のことを説明し始める。


要約すると仮証発行の時にうけた説明のほかに


・ギルドランクはFから始まりSランクまである。現在Sランクは登録上、世界で5人。そのうち二人は行方不明。Sは超級、A、Bが上級、C、Dランクは中級、Eが初級、Fが初心者ノービスといわれるらしい。

・依頼は自分のランクから上下ひとつずつの幅で受けることが出来る。瞬と神威の場合はB~Dランクの依頼が受注可能。

・ギルドランクと同じランクの依頼を10件クリアするとランクが上がるが、同一ランク以下の依頼を3回連続で失敗するとランクが下がる。

・ギルドは国の権力が及ばない独立した組織である。ゆえに国をまたいだ活動も可能になっている。

・街や村での検問などでの身分証として使用可能。ただし正規証が有効な場合に限る

・ギルドカードを受け取ったものはギルドが発行した緊急依頼を断ることはできない。断った場合、依頼ランクに応じた違約金の他、ギルドカードの利用は1ヶ月停止され、の身分を証明できないことになる。

・正規証を提示するとギルド提携店で割引が受けられる。割合度合いはランクにより、Fランクで5%引き、そこから5%づつ増えていき、最高のSランクで35%引き。

・倒した魔物などはギルドカードの裏面に自動で記載される。直近20種類を越えてみたい場合はギルドにある専用端末で見れる。

・5年間依頼の受注がない場合は自動的に脱会処理となる。ただしAランク以上は例外として自動での脱会処理は行わない。

・再発行は原則しない。紛失した場合は紛失したギルドカードを無効とし、再度新規で発行手続きを受け付ける。その際ランクや功績などは初期化される。

・犯罪行為及び迷惑行為を行いギルドカードへ『罰』が記載された場合はギルドからの除名及び制裁処置が取られます。ご注意を。


とこんな感じの物が追加された。


この辺の説明を詳しく書いた冊子を受け取り、先ほど呼ばれていたギルドマスター室への案内をリオナに頼む。


「それではギルドマスターの部屋へご案内いたします。あの。。。くれぐれも穏便にお願いしますね。。。」

「前向きに検討します」

「相手の出方次第だよねー。何言われるんかなー」


「きっとダメですよね。。。そうですよね。。。わかってます。。。」と肩を落とし階段を上り、通路の中ほどにある扉の前で立ち止まる。


「ダンさん。リオナです。シュン・アサイ様とカムイ・タカナシ様をお連れしました。」


扉の向こうからは「入れ」とだけ声が届き、扉をあけ部屋の中へ入る。

リオナは部屋の外で待機しているらしく部屋には入らなかった。


----


「なんで呼ばれたかわかってるのか?」

「え?なんで?」

「わかりかねますが」


エスパーでもあるまいしわかるわけなかろう。

繰り返し言う。我々はエスパーではない。


「依頼を一度も受けたことのない奴がいきなりCランクに飛び級とかありえねぇことをしておいてそれかよ。おまえらほんと肝っ玉据わってるな。」

「それほどでも」

「照れる」

「照れてんじゃねぇよ!!ったく調子が狂うわ。とりあえずギルドカードは受け取ったと思うがお前らはCランクになった。ただそれは暫定的。ということにする。それぞれF、E、Dランクの依頼を一つづつ成功させてこい。依頼の指定はしない。一つでも失敗したらCランクは取り消しでFランクからとする。」

「「えー」」


むしろこっちが解せぬ。


「おまえらな。。。これでもだいぶ特例だぞ。本部になんて説明すりゃいいんだか。」

「はいはい。やってくりゃいいんでしょ」

「しょうがないですね。期限などはあるのですか?」

「期限は特に設定しないが順番にこなしても普通なら一ヶ月もあれば全部終わるだろう。」

「だいたい一ヶ月ですね。わかりました。」


つか一ヶ月しかいられないのに一ヶ月もかけてられるわけないだろう。

何を言ってるのだね、このハゲは。


ダンの話を大体で聞き終わって、もう話は終わりかと部屋を出ようとする。

そこにダンが待ったをかけ椅子から立ち上がる。


「今後俺のことを『ハゲ』って言ったらランクをFに落とす。何回でもな。いいか。これは剃ってるだけだ。わかったら行け」


だが断る。


「職権乱用はんたーい。ぶーぶー」

「一応気をつけますね。心の中でコードネーム:ゲーハーとでも呼んでおきます」


ツボに入ったらしく噴出す瞬を連れて、部屋から出る。

待っていたリオナと合流し後ろで何か叫んでいるダンを放置し、下の階へ下りていく。


「無事でよかったですけど。。。ギルドマスターがなんか叫んでいるのが気になります。何言われたんですか?」

「え、ハゲっていうな。って釘刺されただけ。ハゲなのに。」


ハゲなのにね。


「ギルドマスターはあれおしゃれのつもりでやってるんですよ、たしか。しばらく長髪だったんですけど体格に合わないと女性に振られたらしく。振られた次の日にはさっぱりあーなってました。」

「うん、なんか想像できた。」

「だね。。。あの体格でロン毛は似合わないわ。」

「後日談として、その女性は『すらっとした長身の男性』が好みだったということが発覚して一週間くらいマスター室に引きこもってました。」

「メンタル弱いなおい」

「逆にそこまでされていて一週間で立ち直ったのは賞賛に値する」


いや、まじで。

高校でも同じようにされた奴は転校していったしな。。。


「ま、それはおいといて。依頼をこなさなきゃね。どうしたもんか」

「どんなものがあるのか依頼板見てこようか。リオナさん、後で相談乗ってくださいね」

「はい。お待ちしております」


リオナから離れ、カウンターからもう冒険者達がいなくなった依頼が貼り付けてある掲示板へ二人は向かっていく。


気付いたらヒロインらしき女の子が出ていない。


もう主人公たちは勝手に動いてるのでどうなるのか作者にもわからなくなってきていますw


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