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舞姫と呼ばれる男

あけました。

今年もよろしくお願いします。


というわけで6話どうぞー。


2015/02/18 改稿版を投稿しました。

6話 - 舞姫と呼ばれる男


訓練所でのボナンとの一戦が終わり、治療のため、医療室にいた。

すでに医療室で待機していた治癒官(ヒーラー)に怪我を治してもらった。

すごいね、魔法。


付き添ってくれた神威も回復魔法のすごさに驚いている模様。


「おつかれさん。意外と手こずってたな」

「うん、思ったより強かった。結構ギリギリだったけど師匠ほどじゃないからなんとかね。」


ほんとにきつかった。。。

結構余裕に見せてたけど途中から想像以上に動き早くなったしね。

あれ卑怯だわ。。。


「最後、急に空中で失速してたけどあれどないしたん?」

「なんか急に身体が重くなってジャンプしてたのが落とされた。まぁ結果、叩きつける威力が上がったのはラッキーだったのかも」

「木剣折れるほど強くひっぱたいてたからなぁ。あのおっさん大丈夫かね?」


グラビティなんたらとか言ってたから重力系の何かを使われたのかな?

あのときに出してた技とは相性悪かったね。かわいそうに。


「大丈夫じゃない?ヒゲだし」

「ヒゲだから大丈夫か。」


ヒゲのキャラは総じて強いという統計もだな。。。


「ヒゲヒゲうるせえぞ!俺の印象はヒゲだけか!!!」


二人で笑いあっていると突如医務室に怒鳴りながら飛び込んでくる男がいた。

ヒゲだ。

おおう。

いきなりのヒゲの登場はびっくりするじゃないか。


顔を真っ赤にして息を荒くしているボナン(ヒゲ)が椅子に座っている二人を見下ろす。


「もう。うるさいヒゲだなぁ。勝負に負けたんだから有り金置いて帰ってもいいんだよ?」

「相変わらずの態度だな。。。勝負は勝負だ。受け取りな」


ボナン(ヒゲ)は袋に入った貨幣を投げよこした。

ふむ。結構重いな。。。


「殊勝なことで。おっさん意外と強いじゃん。ギリギリだったよ。」

神威がボナン(ヒゲ)さんに向かって褒め言葉を言っている。

いや、まじで強かったわ。

Bランクってみんなあれくらいなのかな?


「当たり前だ。小僧なんかになめられてたまるか。とはいえ負けちまったがな」

頬をかきばつの悪そうな顔で腕を組んだボナンは神威に向かって照れくさそうにしている。

腐はいらないよー。その要素はいらないよー。


「このお金はありがたくいただいておきます。」

「おう。見込みのある後輩への先行投資だと思って受け取っておけ。そのうち返してもらうわ」

神威とボナン(ヒゲ)さんは黒い笑顔で微笑みながらお互いに県政しあっている。


頭に包帯を巻いているボナン(ヒゲ)さんがにやってした顔って気持ち悪いね。

急に手のひらを返したような態度も気持ち悪い。


「なんで急に態度変えたんですか?もしかしてこいつに惚れたの?」

お、神威。ちょうどいい質問だ。僕も今それ思ってた。

だがちょっと待ってほしい。なんで惚れた腫れたってなるのさ!


「何を言ってるんだ貴様は。男なんだろう?そいつは。俺にそういう趣味はない」

「そういうや途中から小僧とかって言ってたね。」

「自慢じゃないがここのギルドで俺と互角に戦えるレベルの奴はいなくてな。それを認めたってことだよ」

あー、そういや小僧とか言われてたな。

僕のことをちゃんと男として見てくれてた!

いい人だ、この人!!!


「そういえば名前、言ってなかったね。僕は瞬。そっちは神威。なんかあったらよろしく」

いい人にはきちんとした礼儀で接しようそうしよう。


「改めて言うが俺はボナン。手に負えなさそうな依頼があったら相談しろ。」


ボナン(ヒゲ)さんが手を出してきたのでこっちも手を出し、握手をする。


「そうだ。ついでにお前ら二人のギルドランクも推薦しておいたぞ。通るかどうかはわからんが。」

「へ?」

「俺と互角に戦える奴がFランクからとか詐欺もいいところだろう。とっとと上のランクの仕事しやがれ」

「お、おう。。。」

なんということでしょう。ボナン(ヒゲ)さんがデレました。


「あの、俺もですか?」

「あぁ。お前もこいつ同様やる(・・)口だろう。とっとと窓口行って手続きしてこい。正規登録の手数料もそこから払えるだろう」

神威も「え、なんで?」という顔をしているが、もう確定事項なんだろう。


ボナン(ヒゲ)さんは先ほど渡した袋を指差し、扉から「じゃあな」といい出て行く。

ドスドスと歩く足跡が遠ざかるのを確認すると、神威と目を合わせ一言つぶやく。


「なーんか裏がありそう」

「同感」


----


なんかあってもなるようになるか。。。

医務室を出て瞬を連れ、ギルドの窓口へ向かう。

受付カウンターがあるギルドホールに出た瞬間酔っ払って騒いでいた飲んだくれ達が一瞬で静かになる。

そしてホールに現れた瞬を見ると


「「「「「「「「舞姫にかんぱああああああああああああい!」」」」」」」」


と大歓声を上げる。


なにごと!?

冒険者(よっぱらい)達は「怪我はないか」や「あの立ち回りすごかったな!」など先ほどの戦いを賞賛している。

あー、瞬を肴にのんだくれてるだけか。

しかし舞姫とは。


お、さっきの受付嬢さんじゃないか。


「なんでもシュン様がボナンさん相手に戦っている様子がまるで舞っているようだったことからそういう二つ名がついたみたいですよ。それと先ほど


はすみませんでした。。。」


「だからってなんで『姫』なのさ。。。」

「かわいいからですよ!それはもう!女の子より女の子して!うらやましい!!!!」

「そこで熱く盛り上がらないでよ。というかその二つ名撤回できないの?」

「できませんし認めません」


瞬よ。あきらめな。

両手を床につけてがっくりとしている姿は見なかったことにしておいてやろう。


「それはそうと受付嬢さん。ギルドランクがどーのこーのとかっておっさん(ヒゲ)が言ってたんだけど何か聞いてる?」

「あ、はい。ボナンさんからの推薦でお二人はCランクからのスタートになりました。」

「Cランク?」

「はい。また正規証の発行手数料はボナンさんからすでにいただいております。その辺の詳しい話は明日またお越しいただいたときに説明をさせてい


ただきます。正規証もそのときで。今日はもうさすがに時間が。。。」


あれ。登録料はこっちで出さなくてもよくなったのか。

よくわからんおっさん(ヒゲ)だ。

しかし訓練所に入る前にすでに夜になっていたのにそこからさらに2時間弱か。

もうすぐ日付が変わるという頃合。

そりゃ確かに明日ってことになるわな。


「りょーかい。じゃまた明日また来ますね」

「はい。お待ちしております」

「あ、この辺でお勧めの宿ってどこかある?」

「この噴水広場沿いにある宿あたりですかね。宿も食事もそれなりの品質でそれなりの料金。水の安らぎ亭というのが一番近いですね。あとは15分


ほど歩いたところに高級宿が数件あります。」

「ありがと。行ってみるね」

「リオナの紹介で。と言っていただければ少しサービスがよくなるかもしれません。本日のお詫びとはとても言えないのですが。。。あ、リオナとい


うのは私の名前です。」


ほう。

受付嬢の名前は初めて聞いたな。

この子は身長といいムチムチ具合といい髪型といい、どストライクなんだよな。

名前が知れてよかった。


「リオナさんね。僕は瞬。こっちは神威。仮証発行するときに名前は知ってるだろうけど改めまして。これからもよろしくね」

「よろしくー」


受付嬢(リオナ)をじろじろ見てたら瞬が挨拶してしまっていたので慌てて俺も挨拶をする。

あぶないあぶない。


その後ギルドの外に出るまで飲んだくれ達のそばを通る時、やはりまた歓声があがり、握手しようとする者や酒を勧めてくる者が次々と道をふさぐ。

はいはい、マネージャー通してくださいねー


やっとのことでギルドから出れたので「行くか」と暗くなった街を通り、教えてもらった宿屋へ向かう。


----


噴水広場を建物沿いに歩いていくと看板にベッドの絵が描いてある建物を見つけ、入り口に宿の名前が書いてあるのを見つけ目的の宿であることを確


認する。

扉をあけるとさすがに夜夜更けなので食堂らしきテーブルには数人しかおらず、その数人も酔いつぶれて船をこいでいる。


カウンターに宿屋の主人らしき人が食器を拭いているのを見つけたんだけど。。。

ガチムチの肉体にピチピチのシャツ。

剃り上げたのか、ツルツルの頭。

それにエプロン。

主人。。。なの?


「すみません、泊まりたいのですがまだ部屋は空いていますか?リオナさんの紹介なんですけど」

「おうこれまた可愛いお嬢ちゃんだな。部屋は空いてるぞ。リオナの紹介なら一人部屋2個で銀貨2枚。か二人部屋1個銀貨1枚と銅貨5枚かを選んでく


れ。」

どうする?と神威に顔を向けると「じゃあ一人部屋2個で。はいお金」といって袋から主人の前のテーブルに銀貨を4枚出す。


「はいまいど。部屋は2階の一番奥、1号と3号だ。飯は朝日が昇るころから昼になる前に好きに食べに来い。一食分はサービスだ。夜の分はもう火を


落としちまったから朝まで我慢してくれ」

「はーい」

それぞれ荷物を

担ぎなおし、与えられた部屋へと向かう。

部屋は二部屋とも同じ形で、テーブルと机が一脚ずつ。そこそこの柔らかさのベッドがひとつで、8畳くらいの広さだろうか。

一人で寝るには十分な広さだね。



部屋に一緒に入ってきていて、荷物の整理を手伝ってくれている神威に感謝。


「やっと休めるね。。。今日はなんか疲れた。」

「ベッドで寝れるのは助かるな。腹はへったがしょうがない。明日朝食で足りなかったら朝市ででもなにか買おう」

「賛成。はー、それにしても今日はなんか長い一日だった」

「たしかに。こっち来てからバタバタしてたからな。結果いい方向へ進んでるんだから文句は言うまい」

「まーね。まぁあとは明日になってからいろいろ考えよう。もう眠い。。。」

「おう。ゆっくり休め。本日の立役者お疲れさん」


荷物の整理が終わった神威が席を立ち、「おやすみ」と部屋から出て自分の部屋へ向かう。

もう今日はベッドに横になって寝よう。

お、結構ふかふかだ。

これならすぐ寝れそうだね。


おやすみ。。。


----


また強くなってたなぁ、あいつ。


ベッドに腰掛け、今日の瞬の戦いを思い出している。

道場で手合わせをしていたときと比べて動きが段違いだった。

スキルの補正を受けられない武器であれだけ戦えるのは瞬本来の身体能力や技能なのか。

置いていかれないように俺もがんばらなきゃな。


そのまま目をつぶると何分もしないうちに眠りにつけた。


やっと一日目が終わった(;´Д`)


この調子で基本平日更新できるようにがんばりますよー

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