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異世界の街へ

3話です。短いですがどうぞっ


2015/02/15 改稿版を再投稿しました。

3話 - 異世界の街へ


森を抜けるまで約2時間。

ちょっと小高くなった丘を越え、平原になっている場所を通り、街道を見つけ街の城壁のような物が見えるまでさらに約1時間。

よくある展開の馬車が盗賊におそわれているとか少女が魔物に襲われているとかはなかった。


城壁に近づくにつれ、だんだん大きくなってきてはいるがまだまだ門までの距離はある。

遠近法って。


遠目に見える街の規模はだいたい半径5kmくらいかな。

円形の城壁に囲われているのを見るとそこそこ発展した街なんだろうね。


「しっかしこんなスムーズに街についちゃっていいんだろうか。どこかでイベント回収忘れてない?」

「好んでトラブルに巻き込まれることもなかろうて」


ファンタジーものらしい展開を期待してたのにな。


赤いドレスを来た僕と紺色っぽい執事服を着た神威を見て他の人はどう思うんだろう?

お金持ちのお嬢様とその執事かな。


なんでこんな服しかなかったのかなぁ。。。

ファンタジーらしい性能に負けたけども。


----


進む先の城壁をよく見ると門を先頭に一列に並んでいる列がある。

そこでは兵士らしい人物が検問なのかな。なにか確認作業をしているっぽい。


「さて、門を通る際の説明をどうしようかね。よくあるの(お約束)だと田舎から出てきたから身分証がない、とか盗賊とか魔物に襲われて荷物をなくしたとかだよね」

「この服装で田舎からってのは無理だろう。盗賊とか魔物とかってのも場所を訪ねられるだろうし、リュック背負ってるのに身分証だけないとかおかしくないか?」


「ですよねぇ。」と考え込み始めた瞬に「正直に言えば?」と伝える。

「それしかないかー。通行料とか保証金とかって言ってお金取られそうだなぁ。並ぶ前に門番さんに聞いてみようかね」


列の最後尾に並ばずに、横を通り過ぎ門番の所へ進んでいく。

並んでいる人は一瞬文句を言おうとするが俺らの格好なのか、関わらないように声を出さず目線を逸らす。


すまんな。割り込みじゃないから許しておくれ。


門のところで確認作業をしている門番と思われる兵士は二人いて、その横に腕を組み、少し立派な全身鎧(プレートアーマー)を着たひげ面の兵士がいた。

その後ろの門の横にある小屋へ出入りしている兵士が大体3人くらいかな?いるのが見えた。


あのひげのおっさんなら暇してそうだな。

瞬にひげのおっさんを指さし、あれで。と告げるとそのままててっと小走りで近づいていく。


「お忙しい所申し訳ありません。少しお尋ねしたいところがあるのですがお手隙な方はいらっしゃいませんか?」


おお、丁寧語だ。よそ行き瞬だな。

知らない奴はあの笑顔にやられるんだ。


「ん?なんだ、貴族のお嬢ちゃんか?こんなところでどうした?」


瞬の身長に合わせて膝をつき、目線を合わせながら瞬と会話し始めるひげ面の兵士。

瞬にお嬢ちゃんとか言っちゃあかんて。

ほら、こめかみがぴくぴくしてる。

まぁでもあいつ、この勘違いを利用するんだろうな。したたかだし。

性別がほんとに女だったら悪女とか言われそうだよな。


「実は街に入れてもらいたいんですけどあそこで確認していることってどんなことを確認しているのでしょうか?諸事情があって身分証を持っていないのですがどのようにしたらよろしいかを聞きたいのです。」


あぁ、これは貴族のお嬢様モード入ったな。

恐ろしい子。。。!


俺?

まぁ瞬に合わせて執事のロールプレイ中。

後ろ手で手を組んで無言で立ってお嬢様を生暖かい目で見てますよ?


しっかし『諸事情』って言葉に妙に反応してたな、このおっさん。


「あそこでは身分証の確認か持っていない人への名前とか犯罪歴とかの確認をしている。身分証については持っていなくても仮証を発行するから問題ないぞ。」


ほう。


「名前と犯罪歴の確認の確認をして問題がなければ街へは入れる。ただ仮証だと3日までしか街に滞在できないから注意しろ。3日を越えて滞在しているのが見つかったら牢屋行きだからな。」


まぁ三日以内にどうにかすればいいってことだね。

了解了解。

身分証がなくても手続きをすればお金も必要なく通れるってことがわかっただけでも助かった。


「街へ入るならあそこの列に並んで門のところにいる兵士に手順を聞け。あとはそいつらが説明してくれる」


おっさんは顎で門のところで確認作業をしている兵士を指す。


「ありがとうございます。では列のほうに行きますね。あと忠告ですが、貴族と見ている相手ににその口調はなんとかならないのでしょうか。気をつけたほうがいいですよ」


お、ちょっとした反撃だな?

かわええのう。


「おっといけねぇ。お嬢ちゃんが『本当に貴族だったら』不敬罪にされちまうな。気をつけるから許してくれよ」


なんと、ひげのおっさん。俺達が貴族ではないことを見抜いていたのか。

やるな。


「はぁ。なんだばれてたんですね。参考までになんで貴族ではないと?ついでに言いますが僕は『嬢ちゃん』じゃなくて男です」

「あ?んなの身のこなし見れば一発だろう。二人とも相当やるんだろう?その腰の獲物で。刀使いなんて珍しいけどな。」


獲物を狙う目になったおっさんは見抜いた点について説明をしてくれたがそりゃばれるわな。

おおう。


小さな声で「っていうかその格好で男かよ。詐欺だな。。。」とか呟いているのは聞かなかったことにしておこう。


「身のこなしか。。。それは今後気をつけるとして。刀使いって珍しいんですか?」

「おう。ここ100年で有名な冒険者では2人だけだな。名前はぱっと思い出せないがやたら強かったじーさんの冒険者と二十歳くらいでいつもローブを着てる冒険者だ。二人ともここ最近は見ないな。」


瞬とおっさんが会話しているのを隣で聞いてはいるが、刀を使う人が俺らの他にもいることに驚きだ。

二人もいるんだ。

ほほう。へー。

そのうちあえたら手合わせを願いたい所だな。


「普通の剣を使ってた奴だと『斬る』事ができなくて折っちまうのが多いもんだから全然使ってる奴はいないな。その辺詳しいことが知りたかったらギルドで聞くといいぞ。」


だろうねー。

西洋剣ってのは叩っ切るのが目的で作られた剣だからねぇ。

刀とは使い方が違うわ。


「ギルドは街のどの辺にあるんですか?後で行ってみます」

「門をくぐって道なりにまっすぐ行くと噴水のある広場につく。その広場沿いにあるから探してみろ。すぐにわかるはずだ」

「わかりました。ありがとうございました」


定番のギルドがあることを聞いた瞬は早く街へ入ろうと列の最後尾に並ぶ。


おまいはおもちゃ売り場に行くのを待ちきれない子供か。


しばらくして列は進み、門での確認作業も何事もなく終わり二人は街の中へ進む。

後ろで「今の子可愛かったなぁ。どこのお嬢様だよ」とか「やめとけ。あの執事に斬られるぞ」とか「俺、出世したらあの子に告白するんだ」とか兵士達がうわさしているのが聞こえるが聞こえないフリをする。

斬らないよ?

後最後の一人、それ死亡フラグだからな?


門を通り抜けると目の前はメインストリートのような広い道。

道沿いにはいろいろな屋台や露天などがあり、人の熱気にいやおうがなしに期待が高まる。


「ふわぁ。。。っすっげぇ。。。。。」


通りのど真ん中で呆けていた瞬を道のはじに寄せ、後ろから次々に来る人の波を避ける。

通り以外にも目を向けてみると建物は石作りの建物や木造の建物もあり、高い建物は3階建てや4階建てのものもある。

等間隔で明かりらしいものも建物の壁に取り付けられていて日が沈んでもそこそこの明るさにはなるであろうことがわかる。


とりあえずギルドのある広場へ向かって通りを進んでいく。

屋台で売っているさまざまな料理や、露天で売ってる怪しげな道具などが目に入り、瞬のテンションはどんどん上がっていく。


うーむ。屋台の肉がうまそう。

よだれが垂れる。

お、あのまんじゅうとかすげぇ色。緑色したまんじゅうとかそうそう見ないよな。


「落ち着けおこさま。迷子になるぞ」

「誰がおこさまだ。同い年だろう!」

「いいから行くぞ、おこさま」

「おこさまじゃない!!殴るぞ!」


自分のことは神棚に置いといて軽い言い合いをしながら歩いていく。


俺達を見て路肩の露天主たちがほっこりとした顔になっているのは見なかったことにしよう。

恥ずかしい。


噴水広場に到着したので周りを見回してギルドを探す。

周りの建物より一回り大きい石造りの建物があり、両開き扉の上には剣が2本交差しているマークがついている。


ここがあの女のハウスね!!


そして扉を開けギルドの中へ入っていく。


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