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異世界

第2話ですー

読んでくれる読者さんに感謝!


2015/02/15 改稿版を再投稿しました。

2話 - 異世界


目も眩むような光が収まると森の中に佇む平屋のログハウスの様な建物の前にいることに気づいた。

周りの森を見回すと青々とした葉をつけた樹齢何百年や何千年と過ぎた幹の太い木に囲まれている。

明かりもほとんど葉に閉ざされ薄暗い感じだがところどころ光が差し込み幻想的な雰囲気を醸しだしている。


「ネタじゃなかったんだな・・・・」

「異世界はほんとにあったんだ!って繋げればいいのか?」


顔を見合わせお互いに頬をパーンとひっぱたくが頬を襲う痛みがこれを現実だと理解させる。


「「いってぇぇぇぇ」」


うん、ほんとに痛い。

神威のほっぺたなんて真っ赤になってる。


だけど痛みが引くのと同時に実感が沸いてくる。

現実だけどいままでの現実じゃない。

これからしばらく僕たちが経験することの出来る出来事に心を高ぶらせて叫びたくなるのをぐっと堪える。


「よし、異世界に来たということで現状の確認をしよう」

「お、おう。」

「まずチケットに書いた日付の確認。師匠の家からの帰る分と帰ってから課題をやる日程として予定通り夏休みが終わる10日前にしてある?」

「おう。8/20だよな。しっかり書いてあるぜ」


といい自分のチケットを見せてくる神威を残念な子を見る目で見る。

ほんと顔はいいのに。

残念な子。。。


「あのさ。8月は31日まであるから21日だろう。。まぁ途中帰還も出来るんだし僕が合わせればいいか」

「え、そだっけ・・・すまんすまん」


自分のチケットに書いた8月21日という日付を見る。

出発した日は7月24日。

約一ヶ月という期間で何が出来るのかを考えるとあまり時間はない様に感じる。

まずはやれることから。徐々に確実に。一個ずつやっていこう。と再度周りを見回す。


深い森の他には最初に目にしたログハウスがあり、二人は今その玄関と思わしき扉の前に立っている。

ログハウスを中心に100mほどの範囲には木はなく広場みたいになっている。


扉に手を軽く当ててみると鍵はかかってないようでギイッと木の軋む様な音と共に扉が開く。


「開いてるみたいだけど、入ってみる?」

「だな。誰もいないっぽいから中に何があるか調べてみようぜ!」

「じゃあ異世界での第一歩ってことで。。。おじゃましまーす」


扉をくぐり部屋の中へ入って目に入ったのは窓のない広い部屋。間取り的に一部屋しかないように思える。


その部屋の中には暖炉やランタン、丸いテーブルとそこに椅子が二脚。棚が壁に張り付く感じで一面を埋めている。

部屋の隅には調理場や水場もあり、棚には見たこともないような形をした葉っぱの束やビンに入った飴玉のようなもの、赤や青の液体の入ったビンや背表紙の統一された図鑑くらいの大きさの本などさまざまなものが入っている。


机に向かって歩いていくと机の上に何か文字が書かれた薄い本のようなものが何冊か置いてあるのを見つけた。


「なんで日本語?つかこれなによ」

「しらんよそんなの。なんて書いてあるの?」


手に取った本の表紙には『異世界のススメ 』と書いてあり他の本は武具編や道具編などがある。

荷物を床に置いた後に椅子に座り適当に手に取った本を読み始める。


僕が取ったのはスキル編、神威が取ったのは武具編のようだ。

やっぱ異世界物っていったらスキルだよね!


スキル編にはこの世界で使われている、見つけられている主要なスキルが簡単な説明と共にで載っている。

よくあるゲームや小説のようにスキルレベルなどはなさそうで一人でいくつものスキルを持っているのが普通らしい。

やはりレアスキルとかそういうのもあるみたい。


武具編には伝説として伝えられる武具から市場でよく見られる武具までその効果や相場などが書かれておりこれを読むだけでかなりの時間が潰せそうなボリュームがある。

刀という項目もありこの世界では特殊ながらも出回っているようだ。


本自体は薄いのだが内容として書かれている情報量はすさまじく、とても覚えていられない為持ち歩いて必要になったら見たらいいかと思いリュックに入れようとしたところで、裏表紙に『持ち出し禁止』と書かれていて愕然とする。


続いて魔物図鑑や薬草辞典などをパラパラページを捲りながら最後に一番興味の薄かった道具編と書かれた本を開く。


そこの何ページ目かに書かれていたものに目がくいついた。

『スキルの実』と呼ばれるものらしく、食べた人に何かひとつランダムでスキルが身につくというもの。

スキルの実自体は何個食べてもひとつしかスキルが増えないと書かれている。

そしてそこに書かれている図解のような手書きの絵には先ほど見た棚にあった瓶詰めのアメのようなものに似ているように思えた。


おお、コレは熱い。

レアスキルゲットのチャンス!


「ねー、神威。あそこの棚からアメっぽいの持ってきてもらっていい?」

「ん?あれか?おういいぞ。」


神威が席を立ち棚に向かって手を伸ばし瞬では届かない所に置いてあるビンを手に取り机へ戻ってくる。


「で、これなに?あれか?異世界もの特有のあれか?」

と鼻息を荒くしながら興奮している神威に

「たぶんね。食べてみて。それがここに書かれているものならスキルがひとつもらえるんだってさ」

と返す。


「毒見かよ。。。」と呟く神威はとりあえず無視する。

「さぁさぁ。神威くんのちょっといいとこみてみたいー。」


ビンからひとつ取り出して目を瞑りながら一気に口へ放り込み、しばらく口の中で転がした後飲み込んだ時神威が目を開け椅子に座る。


「どだった?なんか変わった?」

「なんか頭の中でピコンとかって音がなって『スキル:鑑定を獲得しました』とか言われた。食感はグミみたいでマスカットっぽい味だったぞ。さぁ次はお前だ」


とビンを差し出してくる。

なんというゲームチックな。

とりあえず毒とかじゃなかったことにほっと胸をなでおろし、ビンからひとつ取り出し口の中に入れる。


一瞬めまいのような感じがした後に神威が言っていたように頭の中でピコンと音がなりその後に中性的な声で『スキル:舞踊を獲得しました』と言われる。


舞踊と聞いて驚き、そして声を荒げる。


「なんだよ!舞踊スキルとかってなにさ!神威はファンタジーの王道スキルなのに!」


と机をバンバンと叩きながらビンに向かって直訴する。


神威はなんともいえない表情で見ている。

やめて。そんな痛い子を見る目で見ないで。


スキル編の本によれば取得したスキルは以下のような説明が書かれている。


鑑定:アクティブスキル/生物、物、全てのものの詳細がわかるようになる。

わかるようになる項目は熟練度によって変わる。

一度鑑定に成功したものは2度目以降魔力を使わなくても詳細が表示される。

再使用時間:なし


舞踊:アクティブスキル/使用中の動作は全てが踊りのように動き、見るものを魅了させる。

舞の複雑さや持続時間は熟練度によって変わる。

一度スキルを発動すると効果時間が切れるまではスキル停止が出来ない。

再使用時間:30秒

             

「舞踊なんかより身長が伸びるスキルとかなかったのかよ。。。」


そんなものはないのはわかってる。

だけど夢見てもいいじゃん。

さっき本で見た変身(ディスガイズ)とかがほしかった。。。


----


涙目になって机につっぷしている瞬を見て「完全にこれ女の子だよなぁ。やばい道に走りそう」とか思った自分がいたのは内緒である。


「見た目女の子だから違和感がないところが怖いな。そしてそんなスキルはない。まぁ一ヶ月限定なんだからあんまりくよくよすんなって」

「女の子言うな!!!」

「まぁまぁ。んで俺が手に入れた鑑定なんだが、おまえに使ってみていい?どう出るのか見てみたい」


と許可を待たずに瞬をじっと見る。


Name:シュン・アサイ

Age:16

Sex:男

Job:なし

Skill:刀術、体術、軽業、回避、罠術、解体、料理、舞踊(NEW)

Title:刀術の繋ぎ手、男の娘

Record:なし


そこに出てきたものは瞬のステータスらしき表示。

そこに書かれているものを瞬に口で伝えていく。『男の娘』を除いて。

見たところ実生活でよく使っているものがスキルとして表示されている。


次に自身を見ようとしてみるが、鏡に映った自分では鑑定が使えず、鏡自体のステータスが表示されてしまう。

どうにかできないものかと考えた結果、自分の手や体を見ながら鑑定スキルを使えばよいことに気づきスキルを発動させる。


Name:カムイ・タカナシ

Age:16

Sex:男

Job:なし

Skill:刀術、剣術、体術、捕縛、鑑定(NEW)

Title:刀術の繋ぎ手、保護者

Record:なし


「解せぬ」

瞬と比べてスキルの数が少ないのを見るとそう呟き先ほどと同じように自身のスキルを伝える。


「保護者ってなに!誰のだよ!!!」とかまた騒いでいるがもう相手をすることを放棄した。

おまいのだよ。おこさま。


それぞれが持っているスキルをスキル編の本を見て詳細を探していく。


刀術:パッシブスキル /武器:刀を使用する際に必須。多少の行動補正が付くようになる。

刀を扱える技術は熟練度によって変わる。


体術:パッシブスキル /武器以外での攻撃を使用する際に必須。身体の能力が全体的に上がる。多少の行動補正が付くようになる。

身体を扱える技術は熟練度によって変わる。


軽業:パッシブスキル /体術の連携スキル。体術と組み合わせることで素早さに行動補正が付く。

身体を扱える技術は熟練度によって変わる。


回避:パッシブスキル /攻撃と認識したものに対して避けるための素早さの行動補正が付く。

身体を扱える技術は熟練度によって変わる。


罠術:アクティブスキル/罠の作成、解除をすることが出来る。罠作成の隠蔽、解除時に器用さに多少の補正が付くようになる。

作成、解除できる罠の質は熟練度によって変わる。

一度手動で作成に成功したものは2度目以降魔力を使い即時罠の作成が可能となる。

再使用時間:5分


解体:アクティブスキル/生物(死体)、物、全てのものの解体ができるようになる。

解体できる部位や品質は熟練度によって変わる。

一度手動で解体に成功したものは2度目以降魔力を使い即時解体が可能となる。

再使用時間:1分


料理:アクティブスキル/料理をする際に必須。完成した調理品の味に多少の補正が付くようになる。

料理できる素材や品質は熟練度によって変わる。

一度手動で調理に成功したものは2度目以降魔力を使い即時調理が可能となる。

再使用時間:2分


剣術:パッシブスキル /武器:剣を使用する際に必須。多少の行動補正が付くようになる。

剣を扱える技術は熟練度によって変わる。


捕縛:アクティブスキル/生物、物、全てのものを捕縛することが出来る。ただし対象を捕縛するものは別途必須。捕縛時に多少の行動補正が付くようになる。

捕縛できる対象は熟練度によって変わる。

再使用時間:なし


神威が持っているスキルと比べて瞬のスキルのすごさがわかる。

道場での模擬戦でも勝てない瞬は自分より多くのスキルを持っていてもたしかにおかしくないと思ってしまえるほど納得できるスキルである。


一通りスキルの説明を確認した後、腹時計が昼頃をお知らせし始める。


----


小屋にあったサラミみたいな結構大き目の干し肉をかじりながら今後のことを話し合う。

湯戻ししてないからしょっぱい。


「この後はどうしようか。どこかに移動するとしても懸念点としては

 1. 言葉が通じるのか

 2. お金がない

 かな。服装だってこのままじゃ目立つからどこかで着替えないと。小屋の中にあるかな。。。」

「言葉についてはさっき面白いことを発見したぞ。チケット持ってない状態で本見ても文字が読めんかった。言葉も同じであることを祈ろう。

 服についてはあそこにタンスっぽいのがあるから探してみよう」


という神威の言葉を聴いてチケットを机の上において本の表紙を見てみるがミミズがのたくったような文字にしか見えなく、意味がまったくわからない。

チケットを再度手に持つとちゃんと文字が読めるようになる。


不思議力だね。

言葉については実際にこちらの人と会話してみないとわからないことから保留することにした。


そして二人でタンスを覗き中に入っている服を見る。


現時点では二人は道場で稽古をする時に着用している道着と袴で見た目からして和風である。


タンスの中には僕と神威。それぞれの体格にあつらえたかのような異世界風の服が入っている。

神威の服は上下ともそろえて着ると執事のような濃い青のフォーマルスーツ。ただし激しく動いても動きが疎外されるような窮屈さはなく、どことなく品もある。

品質的にも日本製と言われても納得できるほどの縫製の細かさなど貴族付きの執事が着るような服としても使えるレベルである。

神威にその服を渡すと端っこにあった机の方に持って行き着替え始めた。


残った服を見て唖然とした。そして見なかったふりをしてタンスを閉める。

「どしたん?」

着替えが終わって近寄ってきた神威に見つかるが部屋の反対のほうへ逃げ出す。

「ん?なんでもないよ。僕はこのままでいいや。」

何も聞くな。言うな。喋るな。


ーーーー


逃げた瞬を放っておいてタンスの中に残っている服はどう見ても女の子が着るような濃い赤のドレススカートと白のブラウス。

その上から羽織ることの出来そうな少し大きめの黒のジャケット。


あぁ。納得。


一応床に並べてみて過度に肌が出るようなものではないし

フリフリなものではないだけまだましかもしれない。

まぁこれ着るのはイヤだろうなぁ。と思い逃げた瞬を見ると涙目になりながら首を左右に振っている。


しかし見てしまった。鑑定を使用し、その服の性能を。


防具:剣舞姫(ソードダンサー)舞踊着(バトルドレス)

防御力は皆無だが素早さに大きな補正。

回避を行った回数によりさらに素早さへの補正を追加する。


鑑定の結果を瞬に伝える。

ピクッと反応した。


「着ないならこれ売って路銀の足しにするか?」


部屋のはじっこで葛藤とかなりの時間戦い悩んだようであるが結局ファンタジー的なものには勝てなかったようで結局着ることにしたようである。


最初からあきらめればいいのに。


---------


服も交換して腰に師匠からもらった刀を差し準備を行いリュックを背負いログハウスを出る。

ログハウスから続いている歩道(けものみち)を進んでいくとそこそこ大きな町に着くようなのでそこに向かって二人は歩き出す。


さぁ異世界の冒険はこれからだ!!


打ち切りエンドじゃないよ!?


次は水曜日の予定ですー。

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