荒大豚
連休はぶっ倒れていました。
連休なにそれ(´・ω・`)
倒れてる間にユニークが100人越えていました!
ありがとうございます!
11話 - 荒大豚
「出た!ヒュージボアだ!!!!」
頼んだパスタに後ろ髪引かれつつも宿の外に出る。
村人達が一方向から逃げてくるのを見て大体の方角がわかる。
鞄から大剣を出し鞘から抜いた状態で担ぎ上げると共に村人が逃げてくる方へダッシュする。
おお。瞬の時も驚いたが自分でも早くなってるんだな。
2分もしないでたどり着いた柵をジャンプして乗り越え明かりのない暗闇の中へ突っ込む。
体長が5m近くもあるボアの遥か上には明かりの玉が浮いていてボアを中心とした20m程度を照らしている。
明かりの魔法かなにかなのだろうか。助かるね。
畑では村人が数人ボアを追い払おうと鍬は鋤で叩いたり突き刺そうとしているがまったくダメージになっていない。
それどころかボアの皮膚が硬いからなのだろうか、村人が持っている農具の方がボロボロになっているように見える。
攻撃を受けているボアは何も気にしていない風に畑の作物を掘り起こして食べている。
「冒険者です!助太刀します!」
「助かる!」
肩に担いだままの大剣を突っ込んだ勢いと共に振り下ろす。
ぶおんっ。
という風を切る音がして大剣がボアの前を通り過ぎる。
さすがに身の危険を感じたのだろうか。首を上げ、赤く光る目で俺を見る。
「BUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
ボアが天に向かって雄たけびを上げ臨戦態勢を取ると同時に俺は大剣を引いた形で下段に構える。
後ろ足で地を蹴り、今にも突進してきそうな勢いで鼻息を荒くしているボアを見て「肉、硬そうだなぁ。」とか能天気なことを考えてみる。
その瞬間、ドンッっという音と共にボアが突進してきた。
おおうっ、意外と早い。
余裕を持って横に移動し、突進を避ける。
突進をかわされたことにさらに苛立ち、方向をまたこちらに向け後ろ足をかき始める。
「にーさん、そいつの額は骨が厚くてダメージが通らない!狙うなら首か腹だ!」
「了解っ」
ヒントあざーす。
だが、あえて額を狙ってノックアウトしよう。
そのほうがこの大剣の威力も測れるだろう。
ダメなら横から狙えばいいだろうし。
再度突進してきたボアの正面に立ち、大剣を上段に構える。
剣先から5cmほどの場所をボアの額に当たるように勢いよく振り下ろす。
ギインッ
金属がぶつかり合うような音を立て大剣がはじかれる。
突進の勢いを使って後ろへ飛び間合いを作る。
ボアも突進の勢いを殺され、その場に立ち止まり、めまいを振り払うかのように首を振っている。
微妙に手がしびれたかな。
たしかに硬いねぇ。
。。。。でもやれるな。
ボアの目にも正気が戻ったようだ。
さっきよりも紅々と光る目が俺をしっかり見据える。
大きく息を吐き、身体に力が入る。
その瞬間、ボアの身体が薄っすらと青く光り始める。
えー、もしかして身体強化とかそういうの?
睨みあっている間に鑑定を使ってみる。
固有名 :なし
種族名 :荒大豚
年齢 :12歳
討伐ランク :C
状態 :腹4分目、激怒、身体強化
備考 :ボアの成体であるヒュージボア。額は硬く、ハンマーでの一撃も耐えうる。
皮膚も硬く刃が通りづらいがその素材は防具に適した材料として高値で取引される。
変異種として身にまとう肉も、熟成されたよい味を出す。
おおう。
まだ腹減ってるのかこいつ。
というか完全に瞬への土産確定だな。これ。
とか結果を見てため息をついていると再度ボアが突進してくる。
それを横に、上に。と避けているとボアの身体の光がだんだん弱くなってきている。
効果切れかな?こりゃラッキー。
もうほとんど光が消えかけているところで再度肩に担ぐ感じで大剣を構えて迎え撃つ。
「来な!!」
向こうも最後としたのか、今までにないくらい身体を光らせて突進してくる。
それに合わせてこっちも突進。
はやい!
数秒でお互いの間合いがゼロになり接敵する。
ダッシュした勢いで大剣を振り下ろし、自らを宙に浮かべる。
ガインッ
再度金属がぶつかり合ったような音が鳴り響き、ボアは先ほどまでとはいかないまでも目をくらませる。
宙に浮いている俺はそのまま大剣を流れで上からボアの後ろ首に振り下ろす。
「これでっ、どうだっ」
ガツンッ という音と共に大剣の切っ先がボアの後ろ首に埋まり、俺の体重がかかったところでズブズブと下に下がっていく。
喉を剣で貫かれているからだろうか、ボアが悲鳴をあげようとしているようだが声にならない。
大剣の切っ先が喉元から貫通して出てくる頃には抵抗する力も使い果たしたのだろうか、たいした抵抗もなくなった。
大剣を手放しボアの背中から飛び降りるとさっきまで紅かった目が色を失い暗くなった途端、ズズンッという音をたて身体が横に倒れる。
はー、疲れた。
さっさと解体して村に帰ろう。そうしよう。
とボアの首に刺さった大剣を抜きにボアのそばにいく。
ボアはすでに事切れていて目を見開いているがその目は黒く、まるで黒真珠のようだ。
一応手を合わせ成仏してな。と拝む。
大剣をボアから抜いていると畑の端に逃げていた村人数人が近寄ってきて事切れたボアを恐る恐る見ている。
「へあー。。。あっさりやっちまうもんですなぁ。さすが冒険者さんだ」
「んだんだ。やっぱ強いもんですなー。」
「あんだけ硬い額ばっかり攻撃してダメージ与えられるのはさすがだべ。」
と次々に俺を褒めてくるのが恥ずかしい。
「申し送れました。ギルドからの依頼でこのヒュージボアの討伐を承った神威と申します。このボアを解体して村へ持ち帰りたいのですがご助力願えないでしょうか?」
「おお、このボアの討伐で来てた冒険者さんだったのか!そりゃなまら強いはずだ!解体は村の人間にまかせな!ちょっくら荷車もってくるわ!」
といい村へ走っていく村人達を見送り、ボアを再度見る。
大きさは5mくらいあり、高さも2m近くはある。
あっちでよく見た豚そのままだが、牙は大きく、下あごに一対あり、口の中から上に向けて飛び出している。
「さて、血抜きだけでもしておきますかね」
首にもう少し切れ目を入れ、足首をそれぞれ切り落とす。
その後腹も裂いて内臓が出ない程度で血を抜いておく。
そうこうしてるうちに荷車を引いた村人集と村長がやってきた。
「カムイさん。到着当日に討伐とはすごいえすね。」
「いえいえ。運がよかったのか悪かったのか。」
「運も実力のうち。といいますよ。このヒュージボアは村へ運んでさっそく解体いたします。」
「ありがとうございます。部位ごとに分けていただければ助かります。」
「わかりました。そのように伝えます。この処理を見ますと、内臓も。ですかね?」
「はい。内臓もなかなかいい食材になりますので。」
「ほう?今度その辺も教えていただけるとうれしいですね」
「そうですね。私の連れを連れてきますよ。そっちのほうが料理がうまいので」
「それは楽しみです。では先に村へ戻っていますので後はまた明日にでも。宿は先ほどの宿で泊まって頂ければ。」
「了解です。明日お昼頃に伺います」
よし、俺も宿へ帰るか。
そして食べ損ねたパスタをだな。。。
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宿に戻りのびのびになったパスタを見て愕然とした俺は疲れていつのまにか寝てしまっていたらしい。
起きたら昼前だった。
危ない。
昼食を後にして先に村長の用事を終わらせようと宿を出て大通りを歩く。
村の大通り沿いにあるちょっとした広場では昨日仕留めたボアが大きな吊り台にぶら下げられており、血抜きが続けられている。
どうやら皮膚が硬くて解体しようにも刃が入らないらしい。
血が抜けきるとボアの身体から魔力が完全に抜け、皮膚も柔らかくなるとのことでもう少し解体に時間がかかりそうだ。
なんとか取れた両牙のみを受け取り、村長の家へ。
「すみません。ヒュージボア討伐の完了証明をお持ちしました」
「はいー。ちょっとまっててくださいねー」
ジーナさんの声が扉越しに聞こえ、しばらくして扉があく。
そこにはジーナさんではなく村長であるレンドだった。
残念。
村長に居間に通され、茶を飲みながら討伐依頼について話を進める。
「こちらがヒュージボアの両牙です。討伐証明としてご確認ください」
「カムイさんが討伐したのは村人数人が見ているので問題ありません。依頼完了として処理を進めさせていただきます。依頼表をお願いできますか?」
「はい。こちらです」
そういって鞄から依頼表を机の上に出すと、村長は依頼表の下にある空白に依頼完了である旨を記載し、朱肉をつけた拇印とサインを書き込む。
「これで依頼は完了です。当村の危機に対するご助力ありがとうございました」
「いえいえ。お役に立てたなら幸いです。」
「ご謙遜を。いままでたまたま村にいた数組の冒険者達があのヒュージボアに挑んだのですが、みなさん返り討ちにあわれました。それをほんの一晩で解決していただいたのですから感謝のしようがありません。」
「まぁそこは変わりに解体していただいていることですし。それで相殺ということでいかがでしょう?」
「そういっていただけると助かります。依頼料として出していたお金も実はギリギリでして。いやお恥ずかしい。」
そんなことを言いながら照れている中年紳士。
誰得よ、これ。
「とりあえず解体が終わるまではこの村でお世話になろうと思いますがよろしいでしょうか?」
「もちろん!宿もずっと無料で。と言いたいところなのですが、先ほども言ったように財政が厳しくて。3日ほどでしたら問題ありません」
「あぁ、そこはいいですよ。どうにかしますので」
「なるべく早く解体作業を進めますので。」
「はい。お願いします」
村長の後ろでたゆんたゆんさせてるジーナさんが見れなくなるのはまことに残念だがもう村長には用事はない。
撤収!
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その後解体が終わるまで丸一日かかった。
村にある2件の鍛冶屋がどっちが切れる包丁を用意できるか争ってみたり、支えていたおっさんが切り落としたブロック肉につぶされていたりして盛り上がっていたようだ。
部位ごとにわけてもらったボアの素材はすべて鞄へ仕舞いこみ街への帰路につく。
「ではこれで」
「ありがとうございました。また何かでお越しになった際はお声かけください」
馬車で3時間くらいだったからゆっくり歩いていくかね。
半日もあればつくでそ。
次に馬車来るのあさってだっていう話だし。
というわけでだらーりといきましょうかね。
という感じで11話でした。




