5. 神様のトンデモ暴露
聞こえてきた声に聞き覚えがある。
「え?! なに?! あー! また例の押し付け神様か!」
『押し付けっ、そんなこと言いながらあなた、にゃーるとの生活楽しんでるじゃないっ。私もフレンチトースト食べたかったー』
(それはそうだけど……)
言い返したいけど、確かににゃーるとの生活は思っていたよりずっと楽しい。
……でも、それとこれとは話が違う。
『一応悪いとは思ってるのよ? 私がお世話できればいいんだけど、こちらの事情でちょっとね……。だから説明してあげようと、もっかい出てきたってわけ』
「はあ……」
本当だろうか。怪しい。
『実はそのにゃーるは開発に使われたにゃーるなの。スタッフが間違えて製品に混ぜてしまって……。開発用だからゲーム機じゃ耐えられなくて、ストーリー序盤であなたの部屋が爆散するくらいの爆発を起こすはずだったのよ』
「バ、バクサン……?! 危な……?!」
『そこで私の力を使って、負荷の元であるにゃーるをゲームから取り出してあげたってわけ。感謝しなさい!』
顔も見たことないが、にまにまと得意げな顔をしているのが容易に浮かぶ。
「それじゃあ、ここにいるにゃーるは爆発したりしないよね……?」
『爆発するわよ?』
「え?! ど、どうしたら!」
「ぼ、ぼく爆発しちゃうの……??」
結局爆発しちゃうなら一緒じゃないか。
『今すぐじゃないわよ、落ち着きなさい。爆発の原因は魔力が暴走することによって起きる。安定していれば問題ないわ』
「安定させるにはどうしたらいいの?」
『本人に聞いてみなさい』
首を傾げながらにゃーるを見つめる。
(わかるのかな?)
「心がポカポカしてたら、ギューッて熱くなってるのがふわふわになる!」
「ポカポカかぁ……抽象的だな……」
「るいと一緒だとポカポカだよ!」
『そういうこと。だからこれからも面倒見てあげてね。にゃーるには私の力がちょっと入ってるから、追い出したりしたら承知しないわよ』
「追い出しちゃうの……」
にゃーるが目をうるうるさせて見つめてくる。こんな可愛いにゃーるを放っておけるわけない。
「にゃーるの気が済むまで一緒にいるよ!」
「ずっと一緒だー!」
にゃーるがとてとてと近づいてきて、腕にギューッと抱きついてくる。にゃーるを抱き上げ、腕の中でむぎゅーと抱きしめ返す。
『私もぎゅーしたいのに……。まあいいわ。また様子見に来るから、またね〜』
どこまでも自由な神様だ。
というか、さっき神様が“私の力が少し入ってる”って言ってたよな。絶対何かやらかして私に尻拭いさせようとしてる気がする。
いつか全部白状させてやる。
そんなことよりも爆発の件だ。一度助かった命だし、にゃーるが爆発しちゃうのはいやだ。
私と一緒なら平気みたいだけど、明後日からはお仕事に行かなきゃいけない。お留守番って大丈夫かな……。
抱っこしてるにゃーるにお留守番が大丈夫か聞いてみる。
すると、少ししょぼんとして、
「ぼく、いままでもひとりだったから大丈夫だよ」
(お仕事辞めますっ!)
いやいや、そんなことはできない。落ち着け私。
ここはぐっと堪えてお留守番してもらうしかない。
明日、私がお仕事のときににゃーるが暇を潰せるものを探そう。




