エンディング2
宴が終わり、皆が眠りについた後。尊は一人、リビングでスマホを開いた。
「……さて、デミ公。お前のブラックバイト代、まだ残ってるよな?」
画面に映るのは、通販サイトの高級食材コーナー。
「松阪牛……トリュフ……キャビア……よし、全部カートに入れろ。」
指が踊る。深夜テンションは危険だ。
「芋焼酎のプレミアムボトル? 当然ポチる。」
「ついでに、業務用蒸籠とIHコンロも追加だ!」
尊は笑いながら呟く。
「デミ公、働け働け……俺の晩酌のためにな。」
注文完了の通知が鳴る。
尊は満足げにスマホを置き、ソファに沈み込んだ。
「……これで、しばらく楽しめるな。」
夜の通販のハイテンション気分で、必要なもの・必要でないものを買いそろえていくのだった
<尊の知らない真実>
尊は知らない。
この世界に来た際、大国主命たちによって再構成された身体に、デミ神が神力を注いだことを。
その結果、彼は――亜神となっていた。
神域の結界を維持する力、異世界の理を超える存在。
それは、尊が望んだものではない。
彼が望んだのは、ただ静かな生活と、デミ神への懲罰だった。
――あの神を、ブラックバイトに追い込み、報いを受けさせること。
その目的は果たされた。
今、尊の周りには、気の合う友が集い、笑い声が響く。
だが、世界は彼を放っておかない。 神力を宿した亜神の存在は、やがて世界の理を揺るがす。
尊が杯を掲げるたび、結界は強化され、魔の森は新たな秩序を刻む。
本人が知らぬままに、彼はこの世界の均衡を支える柱となっていた。
夜空に星が瞬き、笑い声が風に溶ける。
尊は杯を掲げ、呟いた。
「……悪くないな。」
その声は、神域に響き、未来を変える力を秘めていた
――本人が知らぬままに。
これにて、終了です。拙い話しをご覧いただきありがとうございました。




