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第5話

天空を裂いて降り立った古代竜エリオットは、人化した姿で尊の前に進み出ると、静かに膝を折った。


次の瞬間、両手、両肘、額を地に付ける――五体投地。


その姿は、竜族の王としての威厳を捨てた究極の謝罪だった。


「神域の主よ……竜族の一部が、愚かにも不敬を働いた。すべて、我が責任だ。」


声は低く、震えていた。


「この命をもって償う。なので、他の竜族の命を助けて欲しい。責任は、竜王たる我の命で償う。」


尊はしばし沈黙し、深く息を吐いた。


「……命はいらん。」


エリオットの肩がわずかに震える。


「ただし、条件がある。――竜族の手綱を、お前が握れ。二度とこんな真似をさせるな。」


エリオットは顔を上げ、深く頷いた。


「誓う。我が魂にかけて。」


尊は小さく笑った。


「よし、じゃあ……飯にしよう。」


庭に並んだテーブルには、蒸籠から湯気を立てる水餃子、香ばしい回鍋肉、そして山盛りのザーサイ。


「……これは?」


エリオットが目を見開く。


「中華だ。仲直りは、飯を共にするのが俺の流儀だ。」


尊が笑う。



「熱々……旨い!」


竜王は水餃子を頬張り、目を細める。


「この漬物……ザーサイというのか……酒に合うな。」


尊がニヤリと笑う。


「酒? 芋焼酎あるけど、飲むか?」


「……頼めるか。」


「言うと思った。」


やがて、竜王は焼酎を口にし、頬を赤らめながら叫んだ。


「竜族の酒より……深い味わいだ!」


「おい、箸はそうじゃない! それ、串刺しじゃなくて挟むんだ!」


「む、難しい……」


「慣れろ!」


笑い声が夜空に響きわたって、今日も神域は、平和な一日を刻んでいく

次回、最終章です。

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