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第4話

結界前。


エンゾーは深々と頭を下げる。


「神域の主よ、我ら竜族は平和を望む。」


畑でトラクターを操っていた尊が顔を上げる。


「……竜? まあ、入れ。」


屋敷に招かれたエンゾーは、丁寧に土産を差し出した。


「これは紅竜族の至宝、黄金の杯と宝石です。」


尊は一瞬、言葉に詰まったが、肩をすくめて受け取った。


「……すげぇな。ありがとう。じゃ、外で飯でも食うか。天気いいし。」


「飯?」


エンゾーは首をかしげる。


「神域の儀式か?」


「いや、ただのランチ。」


尊は笑い、庭にテーブルを出しながら言った。


「カレーとパンだ。竜族でも食えるだろ。」


「カレー……パン……?」


エンゾーの脳が混乱する。


「それは……神の供物か?」


「まあ、似たようなもんだな。」


尊は鍋を運び、スプーンを並べる。


――その様子を見た瞬間、エンゾーの胸に黒い衝動が芽生えた。


(なんと不用心な……背中をさらし、武器も持たず……スキだらけだ!)


脳内で鎖が弾ける音がした。


「スキ……スキだらけ……!」


催眠が解け、殺意が溢れる。


「死ねぇぇぇ!」 紅竜の本性が爆発し、人化した状態のブレスが尊に襲いかかる――。


次の瞬間、エンゾーは消えた。


音もなく、灰すら残さず。


尊はスプーンを置きながら、ぼそり。


「……何だ今の? 竜族って、脳筋かと思ったらメンタルも複雑だな。」


テーブルに残された宝石を見て、肩をすくめる。


「土産だけ残して消えるとか、どんなサプライズだよ。」

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