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第3話
「外から攻めるのは無理だ。」
コウゾーの声は岩を擦るように低かった。
「結界は竜族の理を超えている。ならば――内側からだ。」
「内側?」
エンゾーは瞳を細める。
「どうやって?」
「平和の使者を装い、内部に入り、隙を突く。」
コウゾーはさらに声を潜めた。
「だが、殺意を悟られれば終わりだ。……自己催眠を使え。」
「自己催眠?」
エンゾーは眉をひそめる。
「そんなもの、竜族に効くのか?」
「効く。表層意識から殺意を消し、深層にキーワードを仕込む。『隙』――その言葉を聞けば、本性が戻る。」
エンゾーは笑った。
「面白ぇ……やってやるぜ。」
催眠の儀式 暗い洞窟で、エンゾーは膝をつき、深呼吸を繰り返す。
「殺意を消す……俺は平和の使者……」
声が低く、やがて意識が霞む。
「キーワード……隙……」
最後の言葉が脳裏に刻まれ、思考が途切れた。
次に目を開いたとき、彼は穏やかな笑みを浮かべていた。
――催眠をかけたことすら忘れて。
キリが良くなるように、本日は、3話掲載します




