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第三章 腐敗の帝国と魔の森 第1話

「スタンピードだと?」


皇帝ヒトレルは、ソファに寝そべり、片手で果物をかじりながら宰相アドスの報告を聞いていた。


「また魔の森か……くだらんな。アドス、どうにでもしろ」


「陛下、奴隷を肉壁にして対処する案がございます。加えて、辺境伯ヘラレスには最低限の補償を――」


「補償? くだらん。だが、恩を売るのは悪くないな……そうだ、コンモディウスを派遣しろ」


アドスは一瞬、言葉を失った。


「皇太子を、魔の森に……?」


「奴には実績が必要だ。血を浴びてこそ皇帝の器よ」


ヒトレルは果物を投げ捨て、笑った。


「奴隷どもを盾にし、騎士団を連れて行け。魔物を討伐したと吹聴すれば、帝国の威光は保たれる」


皇太子コンモディウス――その名を聞くだけで帝都の民は顔をしかめる。


闘技場では、彼の残虐さは伝説だ。


「次だ! もっと弱い奴を寄越せ!」


血に濡れた大剣を振り回し、コンモディウスは叫ぶ。


「俺が勝てる相手じゃなきゃ意味がないだろうが!」


控えの奴隷が震えながら押し出される。


「ひ、ひぃ……」


「泣くな、泣くな。泣き声は耳障りだ」


コンモディウスは笑い、奴隷の腕を切り落とした。


「ほら、片腕で戦え。面白ぇだろ?」


観客席から歓声が上がる。


だが、それは恐怖と媚びの入り混じった声だ。


勝てぬと悟った奴隷が命乞いを始めると、コンモディウスは眉をひそめた。


「命乞い? くだらねぇ」


次の瞬間、奴隷の首が宙を舞った。


勝てぬ相手には闇討ち、気に障った者は問答無用で手打ち。


美しい女を見れば、夫や恋人がいても奪い、飽きれば捨てる。


それが皇太子コンモディウスという男だった。

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