閑話休題 尊の優雅な日常 2
夕食のテーブルには、昨日の昼に仕込んだカレーが湯気を立てていた。
隣には、畑で採れたばかりの新鮮な野菜を使ったサラダ。
尊はスプーンを手に取り、カレーを口に運ぶ。
「……っ、辛っ! でも、うまい!」
辛さマシマシのカレーを頬張るたび、舌が火を吹くようだ。
尊は「はぁふ、はぁふ」と息を吐きながら、グラスに手を伸ばす。
ビールを一口、喉に流し込むと――。
「……っぷはぁぁぁ! やっぱり、カレーにはビールだな。異世界でも、 これは譲れん」
再びスプーンを握り、カレーを頬張る。
スパイスの刺激と、ビールの冷たさが交互に訪れる至福の時間。
サラダのシャキシャキ感が、辛さを和らげ、さらに食欲をそそる。
食事を終えた尊は、椅子に深く腰を下ろし、満足げに息をついた。
「……ふぅ、最高だ。異世界で、これだけの食事ができるなんてな。 文明の力、ありがとう」
窓の外には、神域の夜空が広がっている。
尊は、食器を片付けながら、心の中で呟いた。
「……明日も、いい一日になりますように」
夕食を終えた尊は、食器を片付け、キッチンを整えると、寝間着に着替えた。
リビングに戻り、ゲーム機を起動する。画面に広がるのは、地球のオンライン ゲームの世界だ。
ログインすると、仲間たちのアイコンが並んでいた。
「お、タケル来たな!」
「今日も一狩り行こうぜ!」
尊は笑みを浮かべ、ボイスチャットで挨拶を返す。
「よろしく。じゃあ、今日も楽しもうか」
異世界で農業を営む男が、夜は仮想世界で剣を振るう。
仲間たちと共に、ダンジョンを駆け、モンスターを討伐する。
だが、時計の針が11時を回ったところで、尊はログを閉じた。
「今日はここまで。また明日な」
ログオフの挨拶を済ませ、尊はベッドに潜り込む。
――異世界とは感じない優雅な日常が、静かに終わっていった。




