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第9話
話し合いが終わり、下の食堂に降りていくと、尊が笑顔で待っ
ていた。
「胃にやさしいおじやを作った。食べられると思うよ」
湯気を立てる鍋から漂う香りに、アクセルたちは思わず生唾を
飲んだ。
――食欲がないはずなのに、匂いが……。
椅子に腰を下ろし、匙を口に運ぶと、すっと食べられた。
二日酔いを忘れ、彼らはおじやを平らげた。
食後、尊は言った。
「少し外を案内するよ」
屋敷の外には、広大な畑が広がっていた。
尊はトラクターに乗り、ドローンを飛ばしながら説明する。
「これが俺の世界の農業だ。効率化と自動化が基本だ」
アクセルたちは言葉を失った。
――文明の高さが桁違いだ。
魔法よりも合理的で、力強い。
こうして、彼らは神域で1週間を過ごした。
帰り際、尊は荷物を渡した。
「これ、持っていけ。カセットコンロ、レトルト食品、水。役
に立つはずだ」
アクセルは深く頷いた。
「……感謝する。必ず、この領域への手出しはしないよう進言
する」
尊は静かに笑った。
「頼むよ」
こうして、S級パーティー『剣と盾』は、異世界の秘密を胸
に、グレタ王国へと戻っていった。




