3話
放課後、おれ達は幸奈さんと合流した。
「久しぶりね、世古くん。」
「そうですね幸奈さん。」
おれは幸奈さんが苦手なのですこし目をそらす。
「取り敢えず優志の財布を取りに行こう。いいよね幸奈。」
「いいわよ。さっさと行きましょ。」
そして湊と幸奈さんは二人の世界をつくりながら歩き始めた。
おれが幸奈さんを苦手としているのはこれのせいだ。
二人ともおれがいるのにお構いなしに自分たちの世界をつくり始める。
いちゃいちゃしまっくて周りからの視線がいたいしおれもすごく気まずい。
二人はおれの家についてもいちゃいちゃしていてファミレスにつくまでずっといちゃついていた。ほんとにやめてほしい。
ファミレスにつき注文をおえたので料理がくるまで勉強することにした。
「よくそんなに勉強するなぁ、優志。」
「あなたなんでそんなに勉強するのよ。やりたいことでもあるの?」
「言われてるから勉強してるだけだよ。やりたいことはないですね。」
やりたいこととくにない。母さんが勉強をしないといい会社に就職できないと言うのでするだけだ。
「優志はゆめとかないのか?」
「ゆめなんか持つだけ無駄だ。」
湊がへんなことを聞いてくるのでバッサリ切り捨てる。ゆめなんて見るだけ無駄だから。
「なに言ってるのよ世古くん、ゆめをもつのは大切よ。」
「そうだぞ優志。ゆめがあるだけで人生かわったりするからなぁ。」
わからない。なんでこんなに語ってくるんだろう?
「それじゃ二人は…」
「失礼します。ハンバーグセットです。」
二人にゆめのことを聞こうとしたら料理が届いてしまった。
そのまま料理を食べ始めた。結局二人にゆめのことを聞くことができなかった。