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1話
「また同じ夢かぁ」
おれ、世古優志はちいさく呟いた。
ゆめを書けなかったあの日の夢をおれは毎日見てる。
「はぁ〜 ゆめなんて見るだけ無駄ってゆうのに⋯」
小学生の頃から母さんに言われ続けたこと
「いい?優志、ゆめなんてね見てもなにもないのよ。 ゆめを見続けると不幸になるの。だからゆめなんて 見ちゃ駄目よ。わかった?」
最初はなに言ってるんだろうと思っていた。でも今 はそれが正しいと思う。
ゆめを見ても叶う可能性なんてほんの僅か。それな らゆめなんて見ないで堅実生きるほうがいい。だか らおれゆめなんて見ない。
着替えてリビングにいく。すでにリビングには誰も いない。
父さんも母さんも朝が早い。1年前は姉さんもいたけ ど一人暮らしするといって出ていった。
用意されたご飯を食べて、身支度を整えたおれは家 を出て学校に向かった。
今日から新学期だ。