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死についての思索(17)
2023年2月18日
死を恐れてはならないという。それは自然であり、自然の必定であるからだという。が、そう考えてはならぬ。人間は死を恐れることができぬと考えなければならぬ。人間は険しき道から逸れることを拒むことができるのである。人間の道は死よりも広大であるといわねばならぬ。どの道も死に至ると考えてはならぬ。どの道も死は訪れるがその光景はまるで別物であるといわねばならぬ。人間は死の知識を蓄えねばならぬ。死の行為は決して統一されぬ。死の実践は創造行為である。われわれは、死の理想を追求せねばならぬ。